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最終更新日:2021年11月18日

言葉が出てこない原因と改善策、注意すべき危険なケースとは

こちらの記事の監修医師
赤坂パークビル脳神経外科 菅原クリニック
伊藤たえ

睡眠不足や疲れ、スマホの使い過ぎなどが原因で「とっさに言葉が出てこない」といった症状が出ることがあります。しかし、日常生活に影響が出ている場合は脳梗塞や若年性アルツハイマーなど重大な病気が隠れている可能性があるので注意が必要です。今回は言葉が出てこない原因や改善策、医療機関を受診すべき危険なケースについて解説します。

失語症とは

今まで当たり前のように話していた言葉が出てこない・うまく使えないといった言葉の障害を「失語症」といいます。大脳には言語をつかさどる言語領域という部分がありますが、何らかの原因によって言語領域が傷つくと言葉の障害が起こります。

失語症になると話すことだけでなく聞く・読む・書くことも難しくなり、以下のような症状があらわれます。

  • 言葉が出てこない・浮かばない
  • 聞いた内容を理解するのが難しい
  • 文字が理解できない・書きたい文字を思い出せない
  • 計算ができない

また、失語症とは別に「失声症」というものもあります。

失声症の場合は言葉が理解できるものの、ストレスなどが原因で声帯を自由に動かせなくなり、声が出なくなってしまう状態のことをいいます。

言葉が出てこない・どもる原因

(画像=Close up image of women enjoyed talking and drinking coffee together/stock adobe.com)

言葉が出てこない・どもるといった失語症が起こる原因としては、以下のような例が挙げられます。

脳の病気や事故などの後遺症

言葉が出てこない「失語症」は大脳の言語領域が損傷することで起こりますが、その原因の約9割が脳出血や脳梗塞、くも膜下出血などの脳卒中による後遺症といわれています。

また、交通事故や転倒などによる脳外傷が原因となるケースもあります。

子供の場合:発達障害

一般的に、子どもは1歳6か月になると意味のある言葉を5つ以上話せるようになります。しかし、生まれつき脳機能に発達障害があるとなかなか言葉が出てきません。

発達障害のひとつである「自閉スペクトラム障害(ASD)」の場合、年齢に見合った言葉の発達が大きく遅れるのが特徴です。近年では、自閉スペクトラム障害は子どもの約20~50人に1人の割合で起きるといわれています。

20代~30代の場合:若年性健忘症

20~30代の方で言葉が出てこない症状がある場合、「若年性健忘症」という記憶障害が原因の可能性があります。若年性健忘症になると「人や物の名前が出てこない」「物忘れが激しい」「予定を覚えられない」といった症状があらわれ、ひどい場合は日常生活に支障が出る場合もあります。

若年性健忘症は強いストレス頭部外傷脳を使わないことが原因で、症状を改善するには脳の訓練が有効とされています。

高齢者に多い:認知症

高齢者の場合は認知症が原因で言葉が出てこなくなるケースもあります。認知症は失語症とは異なるもので、脳細胞の破壊や減少によって通常通りに日常生活が遅れなくなる進行性の病気です。

認知症になると言葉が出てこなくなったり人の名前を思い出せなくなったりするほか、以下のような症状もみられます。

  • 身近な人のことを忘れる
  • 直前に言っていたことを忘れる
  • 日付や場所、状況が分からなくなる
  • 頭が回らなくなり、今まで当たり前にしていたことを忘れてしまう
  • 徘徊する
  • 暴言や暴力をふるう
  • 幻覚をみる
  • うつ病状態になる

認知症になっても本人は気づかないケースが多いですが、早めに医療機関を受診して適切な対処を行う必要があります。進行を緩やかにする治療を行う必要があります。

ストレスが原因:適応障害

適応障害とは強いストレスにより行動や感情にさまざまな障害が発生する病気です。過度なストレスを感じると自律神経に異常が起こり頭が回らなくなるため、とっさに言葉が出なくなります。

そのほかの適応障害の症状としては、以下のような例があります。

  • 通常通りの判断ができなくなる
  • 感情の起伏が激しくなる
  • イライラして何も楽しくない
  • 不安感が強くなり、悪いことばかり考える
  • 緊張が解けない
  • 仕事に行けなくなる

適応障害になった場合は休職したり人との距離を置き、ストレスの原因から離れることが重要です。

スマホの使い過ぎ:前頭葉機能低下を引き起こすことも

近年はスマホの使い過ぎによって脳が過度に疲弊する「脳疲労」の状態になると、言語や感情をつかさどる前頭葉の機能が低下してしまいます。

その結果「すぐに言葉が出てこない」といった言語障害や記憶力・集中力の低下など認知症と同じような症状が出ることがあります。

このような「デジタル認知症」にならないためには、スマホやPCは時間を決めて使用する・使用中は適度に休憩を挟むといった対策を取ることが大切です。

言葉が出てこないときの改善策

ここでは、「言葉が出てこない」と感じたときの改善策について紹介します。

疲れや睡眠不足が原因の場合は十分な休息を

疲れや睡眠不足が原因で頭が回らず言葉が出てこない場合は、一旦ゆっくり休息を取ることで症状が改善することがあります。

  • 好きなものを食べる
  • ゆっくり湯船に浸かる
  • 十分な睡眠を取る
  • スマホやパソコン、テレビから距離を取る

など、心身をリラックスさせることで元通り言葉が出てくるようになれば心配ありません。

ただし、十分な休息をとってもなかなか言葉が出てこない場合は医療機関を受診しましょう。

大脳の機能を鍛える認知機能トレーニング

大脳の機能を鍛える認知機能トレーニングをすることで、「すぐに言葉が出てこない」という症状が改善することがあります。

【認知機能トレーニング】
  1. 思い出せない言葉があってもすぐにスマホなどで調べない
  2. 言葉が思い出せずに出てこない場合、その言葉に関連する情報のまとまりを連想する
  3. 連想できた情報のまとまりを解きほぐす
  4. ふっと思い出して言葉が出てくる

上記を反復することで大脳が鍛えられ、言葉が出てきやすくなる可能性があります。

リハビリテーション

言葉が出てこない「失語症」になった際は、言語聴覚の指導のもとリハビリすることが重要です。リハビリでは、以下のような練習を繰り返して症状を改善していきます。

  • 言葉を聞く・文字を見るなどの「刺激を受け取る」練習
  • うなずく・首を振るなどの「反応する」練習

医療機関を受診すべき危険なケース

「言葉が出てこない」という症状がある場合、重大な病気が隠れていることもあるので注意が必要です。ここでは、すぐに医療機関を受診すべき危険な症状について解説します。

脳梗塞

とっさに言葉が出てこないだけでなく「そもそも言葉を話せない」という状態の場合は脳梗塞の前兆であることが考えられます。そのほか、以下のような症状がある場合は注意が必要です。

  • 会話自体できなくなる
  • 人が話していることの意味が分からない
  • 片側の手足などのしびれや動かしにくさ
  • 複視(ものが二重に見える)
  • めまい
  • 吐き気
  • 激しい頭痛

脳梗塞は発症から時間が経つほど命に関わるリスクが上がります。そのため、上記のような症状が出ている場合はすぐに救急車を呼び、神経内科脳神経外科を受診してください。

若年性アルツハイマー

64歳以下で認知症を発症した場合は若年性アルツハイマーと診断されます。

言葉が出てこなかったり一時的に物忘れをしたりするほか、以下のような症状があれば若年性アルツハイマーの可能性があります。

  • 睡眠障害
  • 不安感
  • 自発性の低下・抑うつ状態
  • 以前より頑固になる・他人への配慮がなくなる

若年性アルツハイマーは仕事や人間関係のストレスやうつ病と間違えやすいため、自分で気づかないケースも少なくありません。しかし、若年性アルツハイマーは放置するとどんどん進行してしまうので、早期発見・早期治療が重要です。

疑わしい症状がある場合は神経内科精神科心療内科神経科など)を受診しましょう。

日常生活に支障をきたす場合は医療機関の受診を

(画像=Doctor talking to a patient at medical clinic./stock adobe.com)

疲れや睡眠不足、ストレスなどが原因で一時的に言葉が出てこない場合は十分な休息を取ることで症状が改善することがあります。

また、スマホやPCから情報をインプットしすぎて脳疲労を起こすとすぐに言葉が出てこなくなるケースもあるので、スマホやPCからしばらく距離を置くことも大切です。

ただ、うまくコミュニケーションが取れない、仕事にならないなど日常生活に支障をきたしていたり、めまいや頭痛、うつ状態などほかの症状もある場合は脳神経内科や精神科を受診しましょう。

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こちらの記事の監修医師

赤坂パークビル脳神経外科 菅原クリニック

伊藤たえ

〇病院名 :赤坂パークビル脳神経外科 菅原クリニック
〇医師  :伊藤たえ
〇アクセス:港区赤坂5-2-20赤坂パークビル2F
〇診療科 :脳神経外科
〇経歴:
2004年3月 浜松医科大学医学部卒業
2004年4月 浜松医科大学付属病院初期研修
2006年4月 浜松医科大学脳神経外科入局
2013年7月 河北総合病院 脳神経外科 勤務
2016年9月 山田記念病院 脳神経外科 勤務
2019年4月 菅原脳神経外科クリニック 勤務
2019年10月 医療法人社団赤坂パークビル脳神経外科
菅原クリニック東京脳ドック 院長

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