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最終更新日:2021年9月25日

「失明しそうな人」だけに現れる不思議な症状…見えないはずのものが見える「シャルル・ボネ症候群」を知っていますか?

こちらの記事の監修医師
二本松眼科病院
平松 類

「失明しそうな人」だけに現れる不思議な症状…見えないはずのものが見える「シャルル・ボネ症候群」を知っていますか?
(※写真はイメージです/PIXTA)

「その場所にあるはずのないものが見える」。そう聞くと、多くの人は精神疾患や脳機能の異常、薬物による症状を思い浮かべるのではないでしょうか。しかし何らかの疾患や異常がなくても、見えないはずのものが見えるという現象は起こりえます。知られざる「シャルル・ボネ症候群」について、眼科医の平松類先生に聞いてみました。

目次

  1. 見えないはずなのに「見える」患者さんたち
  2. 見えているのは「脳の電気信号」
  3. 「見えないはずなのに見える」は十分ありえる現象

見えないはずなのに「見える」患者さんたち

外来で診察をしていると、目がかなり見にくくなって視力も0.1程度しかない患者さんが、このように言うことがあります。

「先生、そういえば昨日モノが見えたんです。」

ちょっとうれしそうに、でもちょっと心配そうにお話をします。

変なことを話してしまっているのかな。ドラッグとか幻覚などと思われないかな。そう心配しながらお話ししているのが伝わります。ですから、

「そういうことはあるんですよ」

そうお話しするとほっと一息をつかれます。

見えないはずのものが見える。自分は変なことを言っているのか? 不安になって結局言いだせない患者さんもいます。家族には言わないでほしい、という患者さんもいます。医者にも家族にも言えない方もいるはずです。

そのため正確な統計もなく、視力が悪い患者さんの何%に起こる現象なのか?ということもわかっておらず、有症率は0.4~30%程度と非常に幅をもった研究結果が出ているのみです。

この現象は、発見した学者の名前にちなんで「シャルル・ボネ症候群」と言われます。視力が悪くて見えないはずなのに目の前のテレビが見える…というように、「現実として目の前に存在するものが見える」わけではなく、「そこに存在するはずのないものが見える」というのが特徴です。

シャルル・ボネ症候群の患者さんから体験談を聞くと、そこにあるはずのない物だったり、人だったりが見えることもあるようです。見える時間もまちまちで、ほんのちょっとの間だけ見えたという人もいれば、数日間にわたって見えていたというように時間が長いこともあります。

見えているのは「脳の電気信号」

では、見えないはずなのになぜモノが見えてしまうのでしょうか?

人間は目でモノを見ると思われていますが、正確には目から入った電気信号を脳で捉えることによってモノを見ています。目をつぶったときに虹のようなものが見えたり、頭を叩かれるとチカチカしたようなものが見えたり、ふらついて倒れそうなときにピカっと見えたりするのは、この脳の電気信号と考えられます。

シャルル・ボネ症候群の原因は正確にはわかっていないのですが、この電気信号のせいなのではないか?と考えられています。目が「見える」というほどの状態でない人が見えてしまうということは、「目の構造によってモノが見えている」とは考えにくい。それならば、消去法として「脳」が考えられるということです。

ではなぜ「見えない人だけ」に現実とは異なるものが見えてしまうのか? それは見えなくなってきているからこそ脳に正しい電気信号が送られずに、それまでの経験から勝手に画像を作り出してしまうのではないか?と言われています。

ただ、このシャルル・ボネ症候群自体があまり知られておらず、専門家でも3分の1の人が知らないという報告もあります。シャルル・ボネ症候群を持つ492人を対象とした研究でも、47%の患者さんが明確な説明をしてもらえずに悲しい経験をしたという報告があります。

上記のような事実を知っておくことで、家族もいぶかしく思うことがなくなるかと思います。

「見えないはずなのに見える」は十分ありえる現象

シャルル・ボネ症候群は特に高齢の方に多いのですが、緑内障・網膜色素変性症・黄斑変性・網脈絡膜萎縮などによって起こる方がいます。つまり特定の病気によってのみ引き起こされるものではありません。高齢の方だと、年齢のこともあって認知症などを疑われてしまうケースもあります。認知症の中にも、幻覚を伴うことのある「レビー小体型認知症」という種類があります。そのため認知症の疑いがある場合は、医師の正確な診断によってチェックすることが必要になります。

あるはずのないモノを認識するという現象は、目だけで起こるわけではありません。よく知られる現象として「幻肢」というものがあります。これは不幸にも手や足を切断してしまった人が、まるで手や足があるような感覚を覚えるという現象です。

幻肢もまた脳が原因ではないかと言われています。なくなった手や足があるかのように脳の信号が伝わってしまっている。しかし思うように手足を動かせないために、結果として痛みを感じてしまう患者さんもいます。

見えないはずのものが見えるという現象はありうることだとお話しすると、ほとんどの患者さんは安心してくれます。見えないものが見えたとしても不安なく生活される方が多いです。それでも気になる方の場合は、ストレスが一因となるという報告もあるため、ストレスの除去をしたり解消法を提案したりすることもあります。とはいえ見えなくなってきていること自体が大きなストレスの原因であるために、なかなか解消は難しいというのが現実です。ですができることをしっかりやって、患者さんの苦痛を取り除いてあげるということが、医師に、そして家族にもできることかと思います。

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こちらの記事の監修医師

二本松眼科病院

平松 類

専門知識がなくてもわかる歯切れのよい解説が好評で、メディア出演歴が多数。YouTube「眼科医平松類チャンネル」でも情報発信を行っている。主な著書に『ガボール・アイ』(SBクリエイティブ)、『緑内障の最新治療』『その白内障手術待った!』『本当は怖いドライアイ』(すべて時事通信社)などがある。

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