最終更新日:2022年5月14日
骨にひびが入った時の症状|放置するとどうなる?

こちらの記事の監修医師
医療法人これのの会 みずい整形外科
水井 睦

骨が完全に折れた場合は激しい痛みや腫れを感じますが、骨にひびが入った程度なら痛みが軽いことも多く、骨折と気付かない場合もあります。しかし、骨にひびが入った状態で放置すると症状が悪化して治療が長引くケースがあるため、早めに医療機関を受診することが大切です。今回は骨にひびが入った時の症状や応急処置法などを解説します。
【部位別】骨にひびが入った時の症状
一般的に「骨折」と呼ばれるものは骨と骨が完全に断裂している「完全骨折」のことを指しますが、骨にヒビが入っている状態も「骨折」に分類されます。
骨にヒビが入る「亀裂骨折」は完全骨折よりも症状が軽い場合が多いため、捻挫や打撲と勘違いすることもあります。ここでは、骨にひびが入った時の症状を部位別に解説します。
肋骨
肋骨の痛み・圧痛
皮下出血・腫れ
体を反らす/肩を動かすと痛みが強くなる
痛みで深呼吸や咳、くしゃみがしにくくなる
肋骨にひびが入ると痛みで呼吸が浅くなりやすいため、高齢者や複数の肋骨骨折がある方は肺炎や無気肺のリスクも高まります。
腰
腰の痛み・圧痛
皮下出血・腫れ
寝返り・起き上がりの際に強く痛む
骨折によって神経障害が起こると、下肢の痛みやしびれが生じることもあります。
肘
肘の痛み・圧痛
皮下出血・腫れ
腕を完全に伸ばせない
肘が曲げにくい・曲がらない
腕や手、指がしびれて動かせないときは神経を損傷している可能性があります。
手首
手首の痛み・圧痛
皮下出血・腫れ
手首を動かせない・曲がらない
骨折により神経が傷つくと人差し指の先端がしびれ、ものをつまむ動作が難しくなることがあります。
手の甲・手の指
手の甲
手の甲の痛み・圧痛
皮下出血・腫れ
痛みで指が動かしにくい
手の指
手首の痛み・圧痛
皮下出血・腫れ
体を動かすと痛い
指には小さい骨があり、人によっては折れやすくなっているため些細なことでひびが入ることもあります。
すね
運動時・圧迫時の痛み
患部の腫れ・膨らみ
軽度の場合は強い痛みや内出血を伴うことはありませんが、中等度・重度の場合は日常生活でも痛みが生じ、運動が困難になります。
足の甲
足の甲の痛み・圧痛
皮下出血・腫れ
運動や歩行が困難になる
腫れもなく普通に歩ける場合もありますが、ひびが入った場所によっては痛みで歩けなくなるケースもあります。
くるぶし
くるぶしの痛み・圧痛
皮下出血・腫れ
痛みで歩けない
足首を動かすと痛い
骨がずれていない場合は歩けることもありますが、骨のズレやひびが重度の場合は激しく痛み、立っているのも困難になります。
骨のヒビを放置するとどうなる?

ここでは、骨のヒビを放置したときの影響や応急処置法、病院での治療法・治療期間を紹介します。
放置すると神経に影響を与えることも
骨にひびが入っても、軽度の骨折の場合は時間の経過とともに痛みが消えていきます。
しかし、適切な治療を行わずに放置すると骨が変形したままくっつき、動きに不具合が残る恐れがあるので注意が必要です。
また、骨がくっついていないまま放置すると神経に影響を与えてしまうケースもあるため、骨折が疑われる場合は必ず病院で診察を受けましょう。
骨にひびが入ったときの応急処置
些細なことで骨にひびが入ることもあるため、骨折が疑われる場合は患部をむやみに触らず、以下の応急処置をして医師の診察を受けましょう。
添え木や板切れ、雑誌などで患部が動かないように固定する
氷のうなどで冷やし、可能であれば患部を心臓より上に挙げる
患部を動かしたり運動したりせず、腫れが酷いときは入浴を控えましょう。
体温が上昇すると腫れが悪化する可能性があるので、骨折が疑われる場合はぬるめのシャワーで済ませ、患部にお湯がかからないようにしてください。
また、飲酒や喫煙をすると骨のひびが治りにくくなる恐れがあるため、控えることをおすすめします。
病院での治療法と治療期間
骨にひびが入った時の治療法は「保存療法」と「手術療法」の2種類があります。
保存療法:骨の転位(ズレ)がない・骨癒合しやすい骨折の場合はギブスを数ヵ月装着して患部を固定し、骨が自然にくっつくのを待ちます。
手術療法:骨の転位(ズレ)がある・骨癒合しづらい・ギブスだけの自然治癒が難しい場合は手術をして折れた骨をネジやボルトで固定します。
治療期間は部位によって異なりますが、ある程度骨が固まるまでに4~6週間、完全に癒合するまでに2~3ヶ月以上かかります。
骨にひびが入ったら早めに整形外科の受診を

骨にひびが入ったまま放置すると悪化する恐れがあるため、早めに整形外科を受診しましょう。
また、時間が経過して痛みがなくなっていても筋肉や腱に異常が残っている可能性があるので、医療機関でレントゲンを撮ってもらうことをおすすめします。また現在は超音波検査で筋肉や腱を見ることができるため、できるだけ早めに受診して治療を受けることで、骨折による後遺症を防ぎやすくなります。
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こちらの記事の監修医師
医療法人これのの会 みずい整形外科
水井 睦
略歴
平成7年 北里大学医学部卒。形成外科・一般外科・麻酔科等を経て、横浜市立大学医学部整形外科入局。大学病院・国立病院・共済病院他、さまざまな病院に勤務。
日本整形外科学会認定専門医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
日本整形外科学会認定リウマチ医
日本体育協会認定スポーツドクター
身体障害者福祉法指定医
義肢装具等適合判定医
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