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最終更新日:2021年10月22日

「更年期障害」「うつ」と思っていたら…実は、副腎疲労?

こちらの記事の監修医師
 
末光 智子

(※写真はイメージです/PIXTA)

「副腎疲労を知る」 シリーズ第4回目、テーマは「副腎疲労のサインと、コルチゾールの関係」です。前回の記事に引き続き、代表的な副腎疲労のサインを、副腎の働き、コルチゾールとの関係から解説していきます。

目次

  1. 副腎疲労が引き起こすさまざまな症状
    1. 生理痛、PMS(月経前症候群)、更年期症状がひどい、不妊症で悩んでいる
    2. イライラなど気分の波が激しい、気分が落ち込みやすい
    3. 太りやすい、やせにくい

副腎疲労が引き起こすさまざまな症状

生理痛、PMS(月経前症候群)、更年期症状がひどい、不妊症で悩んでいる

副腎で産生されるホルモンには、抗ストレスホルモンのコルチゾールの他に、性ホルモンもあります。性ホルモンは男性は精巣、女性は卵巣から分泌されていますが、副腎は性ホルモンの補助的な供給源になります。また、男性にとっての女性ホルモン、女性にとっての男性ホルモンは、唯一副腎から供給されます。

実はコルチゾールと性ホルモンの、そもそもの原料は同じコレステロールです。限られた原材料を、カラダはどのように分配してホルモンをつくるのでしょうか?

カラダにとって、最優先するべきことは生命の維持です。次世代に生命をつなぐ生殖活動、そのための性ホルモンは、生命維持ができてこその活動です。生命の維持とは、すなわち日常、生きていることで起こるストレスに対抗しながらカラダの恒常性を保つことです。

ストレスが慢性的にかかり続けた場合、限られた材料であるコレステロールは、優先的にコルチゾールを使う方へ使われます。すると、性ホルモンへ回せるだけのコレステロールが十分ではなくなったり、バランスが悪くなったりしていきます。

こうなると、当然、性ホルモンがその役割を担う、女性の生理や、妊娠にも大きく影響します。女性にとっての男性ホルモンの低下は、性欲の減退にもつながります。

更年期の時期には、副腎疲労のカラダはすでに日々のストレスへの対処でいっぱいいっぱいの状態ですので、女性ホルモンの減少、という変化に十分耐えきれません。

副腎が元気であれば、女性ホルモンの減少に伴うカラダのさまざまな変化へ、サポートしてくれますが、副腎疲労が進んでいると、その変化を受けとめるだけの余力がありません。すると、更年期症状が強く出て、日常生活にまで大きな支障が出てしまうのです。

イライラなど気分の波が激しい、気分が落ち込みやすい

コルチゾールは、覚醒度や意欲、気分にも関係しています。シリーズ第2回目で、コルチゾールの作用を薬として利用して、治療に使うことがあると触れました。

いわゆる「ステロイド治療」のことです。このステロイド治療中に、「不眠」や「うつ」、あるいは逆に軽い「躁状態」「興奮状態」が副作用として見られることがあります。生理的な範囲ではない、過剰な量のコルチゾールが薬として作用すると、やはりどこかで弊害が起きてしまいます。多ければいい、というわけではないのです。

副腎疲労の場合、ストレスに対抗するだけのコルチゾールが不足している状態。ひと言でいうと、エネルギー不足の状態です。すると、当然脳へのエネルギーも不足がちになってしまいます。

脳は、さまざまなホルモンの調整、自律神経の調整にも関わっていますので、気分に影響するホルモンや自律神経への乱れにつながってしまいます。コルチゾール自体での精神への作用に加えて、副腎疲労を介して脳内でもさまざまなバランスが崩れていきます。

その結果、「ボーッとしてしまう」という、脳疲労の状態になったり、意欲が低下したり、「やりたい」という思いはあるけれど、カラダがついていかないという状態になります。

そうです、まるでうつ病のような症状です。副腎疲労を知らない医療機関で、「うつ病」と診断されてしまう例も多々見受けられます。この状態で、抗うつ剤を投与しても、残念ながらお薬の効果はないか、あっても限定的になってしまいます。

また一方では、副腎疲労の初期の頃は、過剰にホルモンを出そうとすることでストレスへ対抗しようとします。すると、コルチゾールが過剰な方へ傾きがちになります。その結果、興奮しやすかったり、イライラしやすかったり、感情が乱れやすくなったりしてしまいます。この背景には、コルチゾールそのものの気分への作用に加えて、コルチゾールの血糖値への影響なども関与しています。

うつ病、気分の障害、というと、よく「セロトニン」が注目され、「セロトニン」を増やすことがピックアップされがちです。もちろん「セロトニン」も大切ですが、それ以外にもあなたの気分の変動に大きく影響するホルモンやカラダの状態があることもぜひ知っておきましょう。

太りやすい、やせにくい

万年ダイエットで悩んでいませんか? あなたの太りやすさややせにくさの背景には副腎疲労があるかもしれません。コルチゾールは、シリーズ第2回目でもご紹介したように、糖代謝、脂肪代謝にも大きく関与しています。脂肪組織から、脂肪酸を動員しエネルギーを産生します。

これらの働きが低下すると、脂肪を溜めやすくなっていきます。カロリーはそれほどとっていないのに、それでも太る、という方は、副腎疲労が背景にあるかもしれません。

以上、2回にわたって、副腎疲労のサインと、抗ストレスホルモンであるコルチゾールとの関係を見てきました。一見、ひとつひとつはバラバラのように見える症状も、実は裏では「副腎疲労」というキーワードでつながっている可能性があります。

では、次の記事では、そもそも副腎疲労がなぜ起こるのかや副腎へ影響する「ストレス」について見ていきましょう。

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こちらの記事の監修医師

 

末光 智子

内科医。自治医科大学卒業後、愛媛で地域医療に従事。結婚後、三重県在住、四日市ヘルスプラス診療所(四日市消化器病センター 分院)勤務。日本内科学会認定総合内科専門医、日本医師会認定産業医。Body Element System Japan認定ピラティスインストラクター、ジョイ石井認定イメージングカウンセラー、プロフェッショナル・ファスティングマイスター。著書「すこやかで幸せになるために ココロとカラダを調える」(出版社:ギャラクシーブックス)

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