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最終更新日:2021年8月24日

起立性調節障害の症状を解説|主な原因や特徴は?起立性調節障害の治療法や予防法・受診目安もご紹介します

こちらの記事の監修医師
西高松キッズクリニック
杉峯貴文

起立性調節障害は思春期の子供によく見られる病気です。

朝起きられずに遅刻する、学校の朝礼で具合が悪くなり保健室に行く、といったことが頻繁に起きるため仮病や怠け癖と認識されることもあります。

しかし神経の機能低下を始めとする異常が引き起こす病気であり、「頑張り」や「心がけ」だけで容易に改善するものではありません。

とはいえ治療法は確立されており、症状を改善することが可能です。

まずは起立性調節障害の原因や症状の特徴を確認し、病気によって症状が出ていることを理解しましょう。

起立性調節障害の症状

起立性調節障害の症状はこの病気特有のものではありません。

「気のせい」「気の緩み」といった言葉で片付けられてしまうこともあります。

動悸や息切れ

起立性調節障害で見られる代表的な症状が動悸や息切れです。

急に起き上がる・立ち上がる動作によって体勢が変わると、体の中で血流が急激に変化します。

通常であれば自律神経によって難なく対応できる体内変化でも、自律神経系に異常をきたしている起立性調節障害では対応しきれません。

その結果心臓に負担がかかり、動悸や息切れが起きます。

めまいや失神

急激な起立動作によって負担がかかるのは心臓だけではありません。例えば脳でも同じことが起こり得ます。

脳に流れていた血液が突然少なくなることで起きるのが、めまいや失神です。一般的には「立ちくらみ」と呼ばれています。

立ちくらみは貧血と混同されがちですが、貧血は血液そのものに問題があるのに対し、立ちくらみの原因は一瞬だけ脳が虚血状態になることです。

朝礼や集会で突然倒れる方は、起立性調節障害の可能性があります。

朝起きられない

自律神経は体のオン・オフを切り替える神経です。朝起きたとき、人間の体はオフからオンに切り替えを行いますが、自律神経がうまく働かないとオンへの切り替えができずなかなか起きられません。

オンを司る交感神経が活性化するまでに時間がかかるのが起立性調節障害の特徴です。

そのため何とかして起きて行動を開始しても、交感神経が優位になるのがお昼過ぎ、というケースも少なくありません。

この逆も起こり得ます。夜は交感神経から副交感神経への切り替えがうまくいかず、眠りにつくことができません。

その結果、翌朝の起床が更に辛くなるという悪循環に陥ってしまいます。

起立性調節障害を発症しやすい時期と特徴

自律神経の機能に異常をきたす起立性調節障害は、神経系が未熟な子供によく見られます。

子供同士のコミュニティではこうした病気への理解が浅いため、集団生活に支障をきたすケースも少なくありません。

思春期の子供に起きやすい

心身ともに成長著しい思春期はホルモンバランスや自律神経のバランスが乱れやすい時期です。

そのため起立性調節障害は思春期頃、年齢にすると10〜16歳で多く見られます。

成長とともに改善し、大人になると症状が落ち着く傾向です。

なお不登校との関係も示唆されており、不登校の子供の30〜40%にこの病気の症状が見られます。

午前中に強い症状が出やすい

起立性調節障害の症状は午前中に強く出るのが特徴です。

朝なかなか起きられず、午後に向けて時間の経過とともに血流が正常化し、午後になると十分な活動ができる状態になります。

こうした症状の特徴が周囲の誤解を招くことも少なくありません。

朝起きられず学校を欠席しても午後は元気に動くことができるため、サボりや仮病とみなされてしまうことがあるのです。

自分の力ではどうしようもない

起立性調節障害は自律神経の切り替えがうまくいかない病気であり、本人がどんなに頑張って起きようとしても起きられないのです。

「気合が足りない」といった言葉で責めても無意味ですし、「病気のせいだから」と放置しても改善しません。

起立性調節障害は治療ができる病気だと考え、医療機関を受診することが最善です。

起立性調節障害の主な原因

起立性調節障害の原因としては自律神経系の異常が挙げられますが、実はそれだけではありません。

他の要因が自律神経の働きを妨げている可能性もあるのです。

自律神経の機能低下

人間が生きていく上で必要な臓器の動きを細かく調節しているのが自律神経です。

交感神経と副交感神経、たった2つのバランスだけで見事に調節しています。

このバランスが崩れた状態を「自律神経失調症」と呼び、その中の一つが起立性調節障害です。

交感神経は血液を心臓や脳に送り、人間が活発に活動できる状態を作り出します。

しかし起立性調節障害では交感神経が働くまでに時間がかかるため、活発な活動を開始できないのです。

交感神経は血流を促す司令を出しますが、実際には体の各所が働いて血液を動かし、血圧を上昇させています。

血液を心臓に戻す駆動力として「筋肉」が必要です。そのため運動不足や筋力不足の子供は起立性調節障害の症状が出やすくなります。

心理的ストレス

心理的ストレスが増えると自律神経が乱れます。

たとえば緊張でお腹が痛くなるのは「緊張」というストレスで自律神経が乱れ、その影響で消化器系に異常をきたすことが原因です。

そのため本来は自律神経に異常がない方でもストレス過剰が原因でバランスを崩し、起立性調節障害を起こしている可能性もあります。

起立性調節障害の治療法

起立性調節障害の治療は生活改善と薬物療法、心理的なフォローによって行います。

日中に交感神経を活性化させるために重要なのが運動です。

疲れ果てて眠ってしまうほどの運動強度ではなく、適度に体を動かすことで交感神経を優位な状態にします。

運動をしたからといって副交感神経の切り替えがうまくいくわけではありません。

しかし日中の運動を続けていくうちに切り替えがスムーズになっていくため、継続が重要です。

また水分と塩分の摂取による治療も行われます。

起立性調節障害では血流量が低下しているため、水分と塩分の摂取で血流を増やすことで血圧低下を防ぎ、立ちくらみを防止します。

もちろん血液は水と塩分だけでできているわけではありません。食事による栄養摂取も重要です。

バランスよい食事を規則正しくとることで生活リズムと血流の双方を改善します。

しかし運動や食事による治療は家族や周囲の協力が不可欠であり、起立性調節障害の症状が出ている状態では治療自体がストレスになることも少なくありません。

この場合は医療機関で薬を処方してもらい、薬物療法を行います。

使われるのは主に血圧の薬です。末梢血管を収縮させ、起立直後の血圧低下を防ぎます。また体質に合った漢方薬を使うこともあります。

ストレスが治療の妨げになっている場合、生活環境の調整も必要です。学校や職場に事情を話して配慮を求めることもあります。

環境を大きく変えることが難しい場合は心理療法やカウンセリングが有効です。

臨床心理士や精神科医・心療内科医といった専門医による心理療法を行います。

起立性調節障害の予防法

自律神経のバランスを崩さないことが最大の予防法です。

日中はできるだけアクティブに行動し、夜は心身ともにリラックスできる環境を整えましょう。

ゲームやスマートフォンの操作による脳への刺激が続くと、自律神経のバランスを崩します。

使用時間を決め、夜遅くまで使い続けることがないようにしましょう。

すでに起立性調節障害が起きている場合は、血圧低下を防ぐことが重要です。治療法と同じく水分や塩分と食事を工夫し、血流を増やしてください。

また立ちくらみはケガにつながることもあるため、起き上がる・立ち上がる動作はゆっくりと行いましょう。

説明して理解できる年齢であればこの病気がなぜ起きるのか伝えておけば本人に安心感が生まれます。

立ちくらみが起きにくい動作も教えておきましょう。

起立性調節障害の受診目安

朝起きられないからといって、すぐ起立性調節障害につなげて考える方は少ないでしょう。めまいも同様です。

ではどんなときに受診を検討すべきなのでしょうか。

日常生活に支障をきたしている場合

以下は「日常生活に支障をきたしている」状態です。

・朝起きられず学校へ行けないことが増えた

・めまいや失神を頻繁に起こす

こうしたケースでは起立性調節障害の可能性を考えて専門医を受診しましょう。

患者が子供なら小児科を受診することになります。

しかし病気への理解が必ずしも深いとは限らないため、簡単な問診だけで異常なしとされることが少なくありません。

起立性調節障害を積極的に診察している医師に相談するのが最善です。

かかりつけの小児科医に紹介してもらうか、自治体の相談窓口で相談してみましょう。

その他のチェック項目

生活に支障をきたしていなくても、心配な症状が長く続く場合は念の為受診をおすすめします。

血圧が低い状態が続くと顔が青白くなり、強い倦怠感によって表情も曇りがちです。頭痛に悩まされることもあるでしょう。

また自律神経の乱れは消化器官に影響し、食欲が低下します。

夜寝付けないことや朝起きられないことを本人が苦痛に感じている場合や、それが原因で苛立っているときは放置せず、病院に相談してください。

周りのサポートが何よりも大事

起立性調節障害の症状は本人の意志とは無関係にもかかわらず、周囲には「やる気の欠如」「怠惰」という印象を与えてしまいます。

大人であればうまく説明できるものでも、子供はそれができません。

学校はこうした子供に慣れているかというと、必ずしも理解があるとは限らないのが実情です。

そのため、まずは家族がサポートしましょう。

安心して治療に取り組める環境を整えるためにも周囲のサポートは非常に重要です。

まとめ

起立性調節障害は、成長の過程で誰でもかかる可能性がある病気です。しかしこの病気についての理解は進んでいません。

そのため起立性調節障害だと気付いていない潜在患者の数はかなり多いことが予想されます。

ご自身や家族がめまいや立ちくらみ・寝坊などの症状で悩んでいるなら、一度病院を受診してみましょう。

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こちらの記事の監修医師

西高松キッズクリニック

杉峯貴文

〇病院名 :西高松キッズクリニック
〇医師  :杉峯 貴文
〇アクセス: 高松市郷東町134-1西高松メディカルビル イーア4階
〇診療科 :小児科
〇経歴:
日本小児科学会認定小児科専門医
平成13年 香川県立中央病院 臨床初期研修 開始
平成15年 直島町立ふれあい診療所派遣 総合医 勤務
平成19年 香川県立中央病院 小児科 勤務
平成24年 独立行政法人国立病院機構岩国医療センター小児科 勤務
平成31年4月 西高松キッズクリニック 院長     
https://brain.nishitakamatsu.jp/pediatrics
https://www.facebook.com/takafumi.sugimine

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