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最終更新日:2021年8月24日

溶連菌の症状や特徴を解説!溶連菌感染症の感染経路と潜伏期間は?子供が感染したときの注意点や予防法も紹介

こちらの記事の監修医師
長浜赤十字病院
安齋祐子

溶連菌感染症は、溶連菌という細菌が引き起こす感染症です。
接触感染飛沫感染で容易に伝染するため、感染すれば学校などはお休みしなくてはなりませんが、実は健康な人も保菌者の場合があります。
溶連菌感染症とはいったいどのような病気なのか、どのような治療を施すのか、どのような人が感染するのか、予防はどうすればいいのか、順にご紹介します。

溶連菌感染症の症状

溶連菌は正式には溶血性連鎖球菌と呼ばれる細菌のことです。
溶血性という表現から怖いと感じる人も多いでしょうが、恐れる必要はありません。
感染した患者さんの多くは少し熱の高い風邪のような症状で済みます。
しかし放っておくと合併症で急性腎炎リウマチ熱を発症する場合があるため、症状を知っておきましょう。

38℃以上の高熱

溶連菌に感染すると、だいたい2日~5日程度でのどの痛みに続いて38℃~39℃程度の急な発熱があります。
のどが痛く、熱が高いといった症状は風邪と似ているのですが、この溶連菌感染症では代表的な風邪の症状ともいえる咳・痰・鼻水がありません。
また、3歳未満の子どもの場合はあまり熱が上がらないといわれています。

関節痛や筋肉痛

腰や膝のように、全身のなかでも比較的大きな関節に痛みが生じます。
多くの場合は痛みだけで済みますが、時に熱を持ち腫れることもあります。

頭痛や倦怠感

頭痛全身の倦怠感を感じる場合も多くあります。
その他、身体に赤い発疹が出る、舌にイチゴのようなぶつぶつが出る、といった症状もあります。
後者はイチゴ舌と呼ばれる症状です。

溶連菌感染症の特徴

溶連菌感染症を引き起こす溶血性連鎖球菌はA群、B群、C群、G群、またα溶血、β溶血といくつかの種類があります。
溶連菌感染症の大多数はA群溶血性連鎖球菌です。
抗生剤がなかった時代には恐れられていた伝染病ですが、今では治療法が確立されており、適切な治療で完治します。

感染力が強い

飛沫感染、接触感染で感染する溶連菌感染症は、細菌の中では感染力が強く、予防対策が重要です。
学校などでは咳、くしゃみによる唾液、鼻水などの飛沫感染や子ども同士の触れ合いによる接触感染が感染経路になり、保育園などでの集団感染も見られます。
家庭では加えて食器の共有、親子・兄弟の触れ合いなどが感染源となります。
家庭での感染の確率は兄弟間が約6割、親子間が約2割程度です。
さらにこの感染力の高さゆえに、一度感染しても二度、三度発症する可能性もあります。
感染には季節性があり、春~初夏にかけての時期がピークです。
ただ、この時期以外に発症しないわけではありません。
なお一定の割合でいる保菌者からの感染については、健康な状態では感染力を持ちません。
また感染し発症した人も適切な治療を行えば、抗生剤服用後24時間程度で感染力はなくなります。

インフルエンザと間違えやすい

のどが痛い、短期間のうちに比較的高い熱が出る、頭痛・倦怠感があるなどの症状から、特に冬季の発症だとインフルエンザに似た症状が出ます。
ただし溶連菌感染症の場合、インフルエンザの症状である咳・鼻水・くしゃみはほとんどありません。
原因が溶連菌感染症、インフルエンザのどちらにしても早めに病院で診察を受けてください。
どちらも判定キットがあり、病院で簡単に結果が出るのですぐに治療を行えます。

大人にも感染する

主に子どもがかかる感染症ですが、抵抗力が弱くなっている大人も感染する場合があります。
子どもが保育園などで感染し、家庭内で感染が広がったというケースも見受けられます。
家族に溶連菌感染者がいて、ご自身も熱やのどの痛みを感じたら、早めに病院で診察を受けてください。
なお、成人の約3割の方が健康な状態で溶連菌の保菌者ですが、症状がない場合の感染力はないといわれています。
キットを使用した検査では死んだ溶連菌でも陽性判定が出る場合がありますが、症状が無い場合では溶連菌感染症の診断はありません。

溶連菌感染症の感染経路

すでに説明したとおり、溶連菌は感染力が強い細菌です。
感染経路をしっかりと押さえて、できる限り感染を予防しなければなりません。

飛沫感染

飛沫感染とは唾液・鼻水・くしゃみ・細かい口内の食べ物の飛散により、近くの人に感染することです。
溶連菌感染症の場合、まずは感染しやすい子どもを主体で考えなければなりません。
小さな子どもにマスクや衛生管理を教えることは大変ですが、正しいマスクの着用と手洗い・うがいの仕方を身に付けておくことは非常に有効です。
家庭内で溶連菌感染者が出た場合、生活空間を分けることを基本とし、タオルや食器など共有する可能性があるものはきっちりと分けてください。
感染したのが小さな子どもで日々のサポートが必要な場合、関わる人を固定し、その人は特に厳重な感染対策を施してください。
飛沫感染ではマスクが有効です。

接触感染

接触感染とは、触れ合いによって感染することです。
またタオル・食器・食べ物など、感染者が使用したものを殺菌消毒せずにほかの人が使って感染するパターンもあります。
こちらも飛沫感染同様、子どもを主体に考えます。
保育園などでは十分に気を付けられていると思いますが、まず友達同士での接触に気を付けましょう。
とはいっても、小さい子どもたちは触れ合って遊ぶものなので、何かの行動の後には保育士さん主導で入念な手洗い、うがいを行ってください。
用具は個人専用とし、使い回しを避けることも対策のひとつです。
溶連菌感染者は保育園、学校など出席停止です。感染者は登校(園)しないことを徹底してください。
その判断をきちんとするためにも、早めの受診を心がけることが大切です。
家庭で感染者が出た場合、共通に使うものは感染者専用のものを用意してください。具体的にはタオルや食器です。
小さい子どものサポートは同じ人だけが行い、ゴムやビニールの手袋を着用すること、こまめに手洗いすることを徹底してください。
そして他の人とは生活空間を分け、接触を避けましょう。

溶連菌感染症の潜伏期間

溶連菌感染症の潜伏期間は2~5日程度といわれています。
潜伏期間を経て、初期症状であるのどの痛み、続いて比較的高い38℃~39℃の発熱があれば、病院を受診してください。
溶連菌は感染力が強く、保育園や家庭内で多くの人が感染してしまうことがあります。普段から衛生管理を徹底し、常々感染者を出さないように気を付けてください。

溶連菌感染症の注意点

昔は、溶連菌感染症は伝染病として恐れられていました。
抗生剤がない時代では溶連菌に対抗する薬もなく、リウマチ熱・敗血症などの重篤な合併症を引き起こすことがあったからです。
しかし今では、溶連菌感染症は抗生剤による治療法が確立されています。
過剰に恐れることなく溶連菌感染症を正しく理解し、子どもや家族、自分自身に疑わしい症状が出れば、まずは病院を受診して治療に入りましょう。
溶連菌感染後糸球体腎炎は抗生剤内服で防げませんが、腎炎症状(血尿など)に注意が必要です。

学校や会社は休む

溶連菌感染症は文部科学省の「学校において予防すべき伝染病」で「その他の感染症」に分類されています。
ここでは以下の内容が定められています。

・医師の適切な治療を受けること
・溶連菌感染症の感染力は24時間以内に失われること
・正しい治療が行われていれば、24時間経過後の登校・登園は可能であること
・その期間中も処方された薬の服用は止めないこと

子どもが発症したらすぐに病院で診察を受け、処方された薬を期間分きちんと服用してください。
医師からも指示されることですが、抗生剤の服用を始めてから24時間経てば、溶連菌の感染力はほとんどなくなっています。
そのため翌日1日お休みして、体調が良ければ2日目から登校(園)は可能です。
感染者が社会人の場合、同様に病院にかかり、きちんと抗生剤を服用して翌日はお休みし、2日目からは体調と相談して復帰可能です。

薬は最後まで飲み切る

溶連菌感染症が確定すると、主にペニシリン系(またはセフェム系)の抗生剤が14日間(2週間)程度処方されます。
早めに受診すれば抗生剤はよく効いて早く症状が改善されますが、治ったからと薬の服用を途中で止めてはいけません。
処方されたペニシリン系抗生剤10日間(セフィム系抗生剤5日間)の期間、薬を飲み切って体内の溶連菌を完全に死滅させることが重要です。
薬の服用を途中でやめてしまうと、残った溶連菌が再び増殖し、感染症の再発、更にはここまでにご紹介したとおり重篤な合併症を引き起こす場合があります。
処方された薬は最後まで飲み切ることを忘れないでください。

溶連菌感染症の予防法

飛沫感染と接触感染に有効な対策はとくになく、正しくマスクを着用すること、そして手洗い・うがいをこまめに行うことの2点に尽きます。
また家族に溶連菌感染者が出た場合には生活空間を分け、共用品をなくし、殺菌を徹底しましょう。
抗生剤を服用後24時間経てば溶連菌の感染力はなくなりますので、早めの受診・治療が有効です。

症状が現れた場合は、早めに病院を受診すること

溶連菌感染症は早めに治療を開始することが最も有効な対策です。そのため発症した場合は、病院を受診する必要があります。
症状も比較的明確で判別キットもあるため、診断は短時間に完了します。
いまや恐れる感染症ではありませんが、それは早期の的確な治療があってのことです。
溶連菌感染症は感染力が強いため、放っておくと周囲に感染を広げてしまいます。
溶連菌感染症の症状が現れたら、早めに病院を受診しましょう。

まとめ

溶連菌感染症はかつて恐れられていた病でしたが、今では適切な治療で完治します。
その有効な治療を受けるためには、症状を感じたときに我慢せず、早めに病院を受診することが重要です。
また完治させるために処方された薬は途中で服用を止めず、決められた期間で飲み切ってください。
中途半端な治療は病気の再発だけでなく、ほかの重篤な合併症を引き起こす原因となる場合があります。
感染症を引き起こす溶血性連鎖球菌は感染力が強いため、マスク着用・手洗いうがいの徹底など、正しい予防対策を取りましょう。
溶連菌感染症に限らず感染症に対する有効な予防策は、基本的な衛生管理である場合がほとんどです。
未知の感染症に備えるためにも、有効な予防で感染症に強い環境を作りましょう。

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こちらの記事の監修医師

長浜赤十字病院

安齋祐子

〇病院名 :長浜赤十字病院
〇医師  :安齋 祐子
〇アクセス:滋賀県長浜市宮前町14番7号
〇診療科 :小児科
〇経歴: 2001年:自治医科大学卒業
2013~2016年:長浜赤十字病院小児科医長
2016年~2018年:上海グリーンクリニック
2018年~現在:長浜赤十字病院小児科部副部長

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