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最終更新日:2022年4月1日

生活の中で起こるちょっとしたお口の症状を考えよう!「お口ぽかんってなあに?」子どもにも大人にも大切なこと!

こちらの記事の監修医師
六本木しみず歯科
清水百合 院長

(写真=PIXTA)

春のはじまりは気温の変化から。これは東洋医学でいう「外的要因」の1つですが、気温が上がり暖かくなってきて、空気の乾燥が減り程よい湿度になってくると、身体が過ごしやすい気候になります。木や花も咲き始めます。身体もほぐれて、動かしやすくなる季節です。ところが楽しい気持ちとはうらはらに、春は残念ながら花粉症の季節でもあります。

日常生活のなかで気づくと起こっている「お口ぽかん(開口状態)」からくる症状や原因を、お子さんから大人・高齢者までにお役に立つ内容で解説します!

お子さんはこれから成長発育する過程で、大人は加齢と共に必要になってくる健康への取り組み、末永く元気で美しく、楽しく暮らすためにご家族みなさんで読んで頂けると幸いです!

口呼吸と鼻呼吸

外出中に呼吸をしていて、あるいは衣服についてきた花粉は、口や鼻から入るとくしゃみや鼻水に、目に入ると目が痒い、涙が出るといったさまざまな症状を引き起こします。

近年のような新型コロナウイルス禍では、マスクを着けて出かけることが一般的になってきていますので、その分花粉症の症状は出にくくなっているかもしれません。しかしマスクを外している時に口を開けて笑ったり話したりすれば、口からホコリや花粉は侵入します。もちろんウイルスも開けている口から直接侵入しますので、インフルエンザや新型コロナウイルスも同様です。ですが鼻から入ろうとする物質に対しては、鼻にある繊毛が侵入を防いでくれる働きをしています。

生きている私たちは「息を吸って~吐いて~」と毎日するのが呼吸ですが、このように口と鼻は呼吸と同時にさまざまな物質を体内へ取り入れてしまう器官です。小さいお子さんが口をぽかんと開けているのをよく見かけますが、これは鼻から呼吸(鼻呼吸)せず、口から呼吸をしている(口呼吸)典型です。

そのため口呼吸をしていると風邪やインフルエンザにかかる、花粉症、土ホコリやPM2.5などによるリスクが生じるほか、口の乾き、のどの渇きなども引き起こします。

余分な病気を予防し、正常な機能を発揮するためにもお口ぽかんの症状、口呼吸の癖はなるべく早く直し、口を閉じて鼻で息を吸うように訓練しましょう。但し、単なる癖なら訓練により改善しますが、他に原因があるかもしれません。

口が開いてしまう原因に、あてはまるものはありますか?

【口呼吸になってしまう原因】

  1. ぼーっとしている。
  2. 唇の力が弱い。
  3. 口回りの筋肉(口腔周囲筋)が弱い。
  4. 出っ歯やガタガタな歯並びで口が閉じにくい。
  5. 舌癖がある。舌で前歯や唇を押す。舌を出している。
  6. そのほか

口呼吸になってしまう原因がわかったら、改善していきましょう。

1、ぼーっとしている

1の「ぼーっとしている」が原因の場合、その理由をまた探します。注意力が散漫なのか、気分的に気力が無くてぼーっとしているのか? 認知機能が衰えているのか? 何かの疾患が原因になっているのか…?

ある程度の注意力散漫などは訓練により改善できますが、原因となる疾患(脳疾患、ダウン症、認知症ほか)がある場合は、原因疾患の治療が必要です。

2、唇の力が弱い
3、口回りの筋肉(口腔周囲筋)が弱い

2と3は、唇や口回り、頬等をよく動かすことで改善できます。唇では「あ、い、う、え、お」の母音を発声することで唇の形の変化をよくとらえ、何度も繰り返します。また、口の大きさを小さくしたり大きくしたり、縦や横に広げたり、すぼめたりとさまざまな開け方を練習し、意識することで口回りの筋肉を鍛えることができます。

訓練で意識した発声により呼吸も強くなります。タレントや俳優さんがトレーニングしているのはまさにこれです! 声を出すというお仕事のためですが、知らずと口腔周囲筋を強化し、お口や全身の健康を作り出しています。

これらのトレーニングを習慣化させることにより、口呼吸を直すだけでなく、顔面、口回りの筋肉が鍛えられお顔はすっきり、発音もしっかりするでしょう。口をぽかんと開けている子どもも、この訓練をしておけば、大人、高齢になった後も誤嚥性肺炎を予防することができるかもしれません。

お子さんだけでなく、ママパパも一緒にトレーニングすることで、お顔の引き締めやリフトアップ、小顔、笑顔の美しさなどにも繋がり、エステサロンへ行かなくてもお家でケアできる方法の1つとなります。

歯科医院にはデンタルエステというメニューがありますが、その中の1つにこれらの口腔周囲筋トレーニングやリップケアも存在します。働き盛りの大人が健康でカッコよく「お仕事バリバリ!」でいるためのトレーニングにもなり、その後年齢を重ねていく際のエイジングケア、健康寿命の延伸にも繋がります。介護施設や往診時に一緒にトレーニングをすることもありますよ!

口呼吸は免疫を下げる要因の1つでもあるため注意が必要です。ちょっとした症状でも気付いて正常に戻していくことで、多くの疾患予防につながります。

4、出っ歯やガタガタな歯並びで口が閉じにくい
5、舌癖がある

4の出っ歯やガタガタな歯並びによって口が閉じにくい場合はやはりその歯並びの改善を必要とすることが多いです。実はこれらの不正咬合は口呼吸してしまう状態で起こるとも言えますし、5の舌癖やお口回りの筋力の弱さから引き起こされるとも言われています。

一般的に出っ歯と言われるものは、その状態により数種類に分かれています。またガタガタな歯並びもその原因は複数ありますが、口が開いてしまうほか、歯磨きがし辛かったり歯石が付いたり、虫歯や歯周病を引き起こしたりする原因になります。

口が乾いてしまった時にはどうしたら良いでしょう

【口が乾いたときの対処法】

通常口が乾けば水分補給をしますが、飲み物を摂取する以外にも方法はあります。例えば保湿作用のある口腔用のジェルを塗ること、蜂蜜を舐めること、体内の水分を補う働きのある食品を食べることなどです。

蜂蜜には殺菌・抗菌作用もあり、種類によっては低GIや歯石が付きにくいエビデンスのあるもの等もあります。単に甘い食べ物としてとらえるのではなく、ここでは食材の特徴を考えて用いましょう。

体内の水分を補う食品とは薬膳に取り入れられているものですが、例えば豆腐、白きくらげなどが挙げられます。

人間の身体を構成する、最も多い物質は体液と呼ばれる水です。大人では体重の約60%、新生児では約80%を占めています。身体中の水分を分類すると、次のようになります。

  • 唾液
  • リンパ液
  • 血液
  • 尿

こうして見ると、水分は身体のいたるところにありますが、個人の状態によりその量や性質は異なります。体内の水が不要な成分を含まず、きちんと流れることで、健康を保つことができます。

水分が足りていても一部分に停留している場合、東洋医学では「水滞」「水湿」などと呼ばれ、浮腫みや冷えの原因になります。口腔内では舌に浮腫みが起こることもあります。

1、血液

例えばメタボリック症候群の1つである動脈硬化は、血液がドロドロした状態と言われています。これは簡単に言うと、何かの理由により血液の中のさらさら水分が減っている状態です。東洋医学では瘀血(おけつ)と言われ、冷えや婦人科疾患とも関連性が深いととらえられています。また西洋医学ではご存知のように、コレステロールや中性脂肪、血圧、心臓疾患等と大きく関係しています。血液の水分調節や血管壁の強さなど、年齢とともに劣化する身体を健康に維持することに、体内の水分は大きく関わっています。口腔内にも血液は流れているので、全身のケアとして血管・血液も大切です。

2、唾液

唾液は昼と夜とでは性状が異なります。昼は交感神経が働いているためさらさら、夜は副交感神経が働きねばねばと粘性があります。そのほか、人が驚いたとき、緊張した時などは唾液の分泌が減り、「口の中がカラカラ」になります。会社でプレゼン前に「ドキドキ、カラカラ」なんてこともあるでしょう。熱が出たときも口が乾きます。口腔疾患の1つの唾石症では、唾液を分泌する唾液腺を石が塞ぐため、唾液が出にくくなりお口の中が乾燥するという症状が起こります。

このように身体の中の水分は多くのことから影響を受けています。

「口やのどが渇く」という症状には、他にどのような特徴があるでしょうか

はじめの話に戻りましょう。「口が乾く」症状は上記の体内の水分のうち、唾液が少ない状態で起こります。

口腔内の唾液が少ないと、

  • 食べ物を噛んだり飲み込んだりする際、スムーズにいかない。
  • 口腔内の粘膜や舌を傷つけてしまう
  • 舌が乾き、話しづらい

こともあります。

★口腔乾燥症(ドライマウス)については、よろしければ次のリンクをご覧下さい。

https://ishachoku.com/supervised-article/10396/

まとめ

お口ぽかんの原因や、気を付けること、改善のための治療の重要性は伝わったでしょうか?

口腔に入ってくる物質のなかでも、ごはんを食べた後の食物残差などは、歯磨きやマウスウオッシュの使用などによるオーラルケアで虫歯や歯周病の予防をできます。しかし、

  • ウイルスやホコリなどの不要な物質を体内に取り込まないため
  • 歯並びや噛み合わせの状態を良くするため
  • 発声発語や認知機能
  • 身体を支える体軸の安定のため

にも、お口は通常閉じていることが大切です。口呼吸でなく鼻呼吸をしましょう。

歯科治療には歯が痛くなって初めて行く方も多いですが、通常、早期治療の場合、痛みの程度や来院回数、費用は少なくて済みます。早期発見のためには、専門家である歯科医師に相談することが一番。わからないことは遠慮せず、医院を受診して聞きましょう。かかりつけ医院、セカンドオピニオンと方法はあります。「何を聞いたらよいかわからない」でも大丈夫です。早期検査・検診すれば、早期治療ができて安心ですね。

参考文献:

「忙しいあなたのための歯科治癒食」東京臨床出版(株) 清水百合著

「アンチエイジング歯科医からの積極的治癒食」フレグランスジャーナル社 清水百合著

 

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こちらの記事の監修医師

六本木しみず歯科

清水百合 院長

(一社)オーラルビューティフード協会 代表理事
日本元気キレイ医歯学研究所 代表
六本木しみず歯科 院長(歯科医師・料理食育研究家・アーティスト)

長年の臨床経験と共に患者様の健康・予防に繋がる食・生活習慣やアンチエイジングを指導、口腔からの心身に優しい情報を発信している。
歯科グッズに限らず、コスメ・食品等の企業商品開発、監修、講演、コンサルティング、店舗プロデュースに携わる。全国の歯科医院や企業の研修を引き受け、お口からの健康促進、HAPPYな暮らし方を伝えている。医学会の大会長、著名人とのトークショー等も務める「歯・口のスペシャリスト」。

【メディア出演】
TV「中居正広のミになる図書館」 「林先生の初耳学」
ラジオ「Dr.百合のCOME噛むAging」ほか多々
【執筆、著書】
「アンチエイジング歯科医からの積極的治癒食」フレグランスジャーナル社
「忙しいあなたのための歯科治癒食~dentalスムージーsoup」東京臨床出版 
日刊ゲンダイ「Dr.清水百合の衣食住 気ままな連載コラム」、婦人公論、安心
歯科専門月刊誌「小児歯科臨床」「矯正臨床ジャーナル」「アポロニア21」
公益社団法人東京都学校歯科医会広報誌「歯に良い料理」 連載中
日本歯科新聞エッセイコラム「Dental小町が通る」2022.4月~連載
ほか多々

(一社)日本健康医療学会 常任理事
(一社)健康促進開発機構 理事
元順天堂大学大学院医学研究科加齢医学制御 協力研究員(在籍)
健康医療認定医 / インビザライン認定医


【六本木しみず歯科 HP】
https://roppongi-shimizu-dc.com/
【一般社団法人オーラルビューティフード協会 HP】
https://www.oralbeautyfood.com/

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