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最終更新日:2022年1月23日

高い治療費が台無しに…「インプラント周囲炎」の恐ろしさ【歯科医が警告】

こちらの記事の監修医師
東京国際クリニック
清水 智幸 院長

※画像はイメージです/PIXTA

自分の歯と同じ感覚で噛むことができ、長期にわたって使用できるといわれるインプラント……しかし、せっかく埋入しても「インプラント周囲炎」になり、インプラントを抜かざるをえなくなってしまう人も少なくありません。インプラント周囲炎の正しい知識と予防法について、世界基準の歯周病治療の実践と予防歯科の普及に努める東京国際クリニックの清水智幸院長が解説します。

「インプラントは歯周病にならない」は大間違い!

インプラント治療は、チタン製の人工歯根を顎の骨に埋め込み、その上部にセラミックなどでできた人工歯冠を装着することで、噛む機能を回復させる治療のことです。

メリットが多い治療法のひとつですが、歯を残せる可能性があるにもかかわらず「歯周病は治らない」と診断され、歯周病が治っていない状態でインプラントを埋め入れるのは非常に大きなリスクを伴います。

歯周病に侵されていると、その菌がインプラントの周囲に感染して「インプラント周囲炎」という病気にかかってしまうリスクが高くなるからです。

そして、インプラント周囲炎になると、非常に高い確率でインプラントに不具合が起こり、進行するとインプラントを抜かざるをえなくなってしまいます。

「インプラント周囲炎」とは?

インプラント周囲炎とは、インプラントの周囲に生じる、歯周病に類似した病気です。そもそも歯周病とは細菌による感染症で、プラーク(歯垢)と呼ばれる細菌の塊が毒素を発して歯茎に炎症を起こします。

症状が進行すると、歯を支える骨が溶けて歯がぐらぐらと揺れ、支えを失った歯は自然に抜け落ちてしまいます。インプラント周囲炎も、治療しないで放置していると歯茎から出血や排膿が起こり、最終的にはインプラント周囲の骨がなくなることでぐらぐらと動揺するようになり、インプラントを抜かざるをえなくなります。

原因やメカニズムは歯周病と同じですが、インプラント周囲炎は「炎症を起こしにくい」、「出血しにくい」、「痛みがない」、「かなり進行しても不自由なく食事ができる」など、歯周病以上に気付きにくい厄介な病気です。加えて進行するのが非常に速く、症状が出た時にはかなり重症化しているというケースが多々あります。

インプラント周囲炎の進行が速い理由は、インプラントが人工物だからです。インプラントは物理的な強度においては天然歯より優れていますが、人工物ゆえに人間本来の免疫が有効に機能せず、細菌に対する抵抗力は弱いという弱点があります。

顎の骨が失われるスピードは、通常の歯周病で0.1~0.2mm/年ですが、インプラント周囲炎はその10~20倍の速度で骨を溶かしてしまうのです。

歯周病を治さずにインプラントを入れてはいけない理由

歯周病治療を完了しないまま安易に抜歯をしてインプラントを入れるのはとても危険です。その理由を見ていきましょう。

インプラントは天然歯よりも寿命が短い

治療によって歯周病を完治させた天然歯と、歯を失ったあとに入れたインプラントでは、インプラントのほうが抜け落ちるまでの時間(寿命)が短いことが明らかになっています。

天然歯が10年後に抜け落ちる確率が2.5%であるのに対し、インプラントを喪失する確率は8%になるという報告があります。

※ 出典: Pjeturon 2004,2012 Clinical Orak Implant Reasearch

このようなデータが出る理由としては、インプラント周囲炎になっていても食事や日常生活に支障が出にくいため、手遅れになり抜かざるをえなくなるというパターンが天然歯よりも多いことが考えられます。

埋入本数が増えるとインプラント周囲炎羅患リスクが高くなる

歯周病が重度にまで進行している方は、口腔内にあるインプラントが4本を超えるとインプラント周囲炎を発症するリスクが15倍になるとされています。

※ 出典:Derks et al.2016 Journal of Dental Research

インプラント周囲炎は、埋め込んだインプラントの周囲で起こる歯周病に似た病気ですので、放置すると顎の骨が溶かされ、せっかく入れたインプラントを抜かざるをえなくなります。

「インプラント周囲炎」の治療法・予防法は?

インプラント周囲炎は、現在のところ治療法が確立していない病気です。歯周病に類似した病気ならば、同様の治療法で治せるように思うかもしれません。もちろんインプラント周囲炎治療でも、歯周病治療と同様にインプラントに付着したプラークや歯石を徹底的に除去していきます。

しかし、インプラントは顎の骨と結合しやすくするために特殊な表面処理が施されていることから、プラークを完全に除去するのが難しく、天然歯における歯周病治療ほどうまくいかないのです。そのため、インプラント周囲炎は治療が非常に難しい病気だとされています。

インプラント周囲炎の予防法としては、原因である歯垢(プラーク)が定着する前に除去できるよう、日々のブラッシングを適切な方法でおこなうこと、また定期的な歯科検診でプロに口腔環境をチェックしてもらうことが大事です。

適切なブラッシングの仕方は、歯科医院でも教わることができるので、かかりつけの歯科医院に問い合わせてみてください。

インプラントを長く使うには適切なメンテナンスが必須

インプラントはメリットの多い優れた治療法ですが「万能」というわけではありません。

重度の歯周病で歯を失う危機に直面している方は、歯を抜いてしまう前(インプラント治療をする前)に適切な歯周病治療を受けることで、ご自身の歯を残す道がないか検討されることをお勧めいたします。

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こちらの記事の監修医師

東京国際クリニック

清水 智幸 院長

近代歯周病学の生みの親であるスウェーデン王立イエテボリ大学 ヤン・リンデ名誉教授と日本における歯周病学の第一人者である前奥羽大学歯学部歯周病科 岡本浩教授に師事し、ヨーロッパで確立された世界基準の歯周病治療の実践と予防歯科の普及に努める。
歯周病治療・歯周外科の症例数は10,000症例以上に及び、歯周病治療でもっとも難しいとされる根分岐部病変の治療に関しては、清水院長が参画したチームがまとめた内容が現在の日本歯周病学会の治療指針となっている。また、近年は歯周病に留まらずインプラント周囲炎治療の講師も務め、歯科医師の育成にも力を入れている。
著書に『歯周病は1日で治せる!』 (株式会社文藝春秋)など。

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