最終更新日:2022年9月11日
歯並びが悪い8つの原因とは?自分で治せる?

こちらの記事の監修医師
ときわプロケア歯科クリニック
今多 将

歯並びが悪いと見た目の印象に影響を与えてしまうだけでなく、食べかすやプラークが残りやすくなり虫歯や歯周病のリスクが高まります。実は、歯並びが悪くなる原因は遺伝的な要因だけでなく生活習慣も大きく影響しています。そこで今回は歯並びが悪い8つの原因と大人になってから歯並びを治す方法を解説します。
歯並びが悪い人の特徴・印象とは
歯並びが悪い人の例として、以下のような生え方が挙げられます。
- 叢生(そうせい)
叢生とは顎の骨が小さく歯が骨格内に収まり切らないため歯が重なり合って生えてしまい、歯並びがガタガタしている状態です。八重歯や捻転(歯がねじれて生えている)は叢生の症状のひとつで、ひどい場合は生えてくるはずの永久歯が出てこられない「埋伏歯」の状態になることもあります。
- 上顎前突(じょうがくぜんとつ)
上顎前突とは、上の歯列が「下の歯列より6mm以上前に出ている状態」のことをいい、いわゆる「出っ歯」も含まれます。上顎前突は生まれ持った骨格性が原因になるほか、爪を噛む癖や指しゃぶり、舌で前歯を内側から押す癖などによって引き起こされるケースもあります。
- 下顎前突(かがくぜんとつ)
上下の組み合わせが逆のことを「下顎前突」といいます。下顎前突は、上顎が小さすぎたり、下顎が大きすぎた場合に起こります。治療の難易度の差が大きいため、長期治療が必要なケースもあります。
- 空隙歯列(くうげきしれつ)
空隙歯列とは歯と歯に大きな隙間が開いている歯並びのことで、「すきっ歯」とも呼ばれます。空隙歯列の原因は歯の本数が先天的に少ない・顎の大きさに対して歯が小さい・舌で前歯の裏側を押す癖などが挙げられます。上の前歯に隙間があると「サ行」が発音しづらくなるほか、見た目がきになって笑顔に自信が持てなくなってしまうこともあります。
歯並びが悪いと歯磨きがしづらくなるだけでなく、見た目や滑舌が気になり人とのコミュニケーションがうまく取れないといったデメリットが生じるケースもあります。
歯並びが悪いのはなぜ?8つの原因
歯並びが悪くなる原因はおもに以下の8つです。
遺伝的な要因
歯並びが悪くなる遺伝的な要因としては、以下のような例が挙げられます。
- 通常より歯の本数が少ない
- 唇の形や舌の先天的な疾患
- 上顎と下顎のバランスが悪い
- 通常より歯の本数が多い(過剰歯)
- 2本の歯がくっついている(癒着歯)
- 両親の顎の位置がずれている/出っ歯や受け口
歯並びが悪い場合、約8割は先天的な要因、残りの約2割が後天的な要因といわれています。
親知らずがある
近年では日本人の顎は小さくなっている傾向がありますが、歯が生えるスペースが足りないと親知らずが横向きに生えてしまいます。親知らずが横向きに生えると手前の歯を押してしまうため、歯並びが悪くなります。
柔らかいものばかり食べている
普段から柔らかい食べ物ばかり食べていると顎の骨に刺激が加わりません。その結果歯や顎関節が発達しづらくなり、歯が綺麗に並ぶスペースが確保できず歯並びが悪くなってしまいます。
頬杖をつくクセがある
頬杖をつくと顎や歯に重さが加わり、下顎が後退したり左右にずれて歯列を変形させてしまいます。頬杖をつくと歯並びが悪くなるだけでなく、顎がズレる・噛み合わせが悪化する・頭痛や肩こりを引き起こすといったリスクもあります。
口呼吸をしている
本来、舌は上の前歯の裏側の歯茎の辺りに軽く当たるようになっています。しかし、習慣的に口呼吸をすることで「舌が下顎に当たっている状態」が長く続くと、上顎がしっかり成長しきれず歯並びが悪くなるケースがあります。口呼吸は歯肉炎や歯周病の原因にもなるため、意識して改善する必要があります。
歯ぎしり・食いしばりをしている
無意識に歯を食いしばったり就寝中に歯ぎしりをしたりすると、歯に強い力が加わって歯がすり減り、前歯の歯並びが悪くなるケースがあります。
歯ぎしりや食いしばりは自分では気づきにくいものの、噛み合わせの悪さや痛みを感じることがあります。この場合は早めに歯科医で相談し、早い段階で対処することで歯並びへの影響を最小限に抑えましょう。
指しゃぶり・舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)がある
指しゃぶりの癖があると上の前歯に強い圧力がかかって前方に押し出され、出っ歯を引き起こす原因になってしまいます。また、舌を突き出す「舌突出癖」があると嚥下や発音の際に歯を押してしまい、歯並びに悪影響が出てきます。
姿勢が悪い
長時間猫背の姿勢を続けると下顎が前方に突き出たり口が開きやすくなり、歯並びの異常を引き起こします。とくに発育期の子どもは姿勢が顎骨の成長に大きな影響を与えるため、十分注意が必要です。
歯並びが悪い…自分で治すことはできる?
歯並びは自分で治すことができないため、必ず専門の歯科医による治療が必要です。一定の力を加え続ければ歯を動かすことは可能ですが、きれいに歯列を整えられるとは限りません。以下では、自力で歯並びを治すリスクを2つ解説します。
自力で歯並びを治すリスク①歯並びが悪化する
自己判断で歯に力を加えると間違った方向に歯が傾き、かえって歯並びが悪化する可能性があります。当然、歯並びを治すには専門知識が必要なため、歯科医による検査と歯列矯正が必要です。
自力で歯並びを治すリスク②歯が抜ける・寿命が短くなる
自力で無理に歯並びを治そうとすると、歯や歯槽骨(しそうこつ:歯の周りにある骨)にダメージが加わって歯がグラグラし、抜けてしまうこともあります。また、歯や歯槽骨に過度な負荷がかかると歯の寿命が短くなってしまうリスクもあり危険です。
歯並びが悪い場合でもホワイトニングできる?
歯並びが悪くても、歯科医でホワイトニングを受けることは可能です。
- 自宅で行う「ホームホワイトニング」:歯並びにあったマウスピースを作製してもらえる
- 歯科医で行う「オフィスホワイトニング」:使用する薬剤は歯並びに関係なく塗布できるものの、歯が重なってライトが当たらない部分はホワイトニング効果が得られないことがある
ホワイトニングに関して不安や疑問点がある場合は、歯科医のカウンセリングでしっかり質問しましょう。
大人になってから歯並びを治す費用は?
大人になってから歯並びを治す費用の目安は、以下のとおりです。
種類 | 費用の目安 | 治療期間 |
ワイヤー矯正 | 70万円~100万円 | 1~3年 |
裏側矯正 | 100万円〜150万円 | 2年〜3年 |
マウスピース矯正 | 90万円〜110万円 | 半年〜3年 |
セラミック矯正(補綴治療) | 4~10万円(一本) | 2~3ヶ月 |
部分矯正 | 30万円〜60万円 | 半年〜1年半 |
上記のほか、初回のカウンセリング料金やレントゲンなどの検査代がかかる場合があります。歯列矯正は医療保険の適用外となるため、カウンセリング時にしっかりとトータル費用を確認しておくと安心です。
歯並びの悪化は生活習慣の改善で予防できる
自力で歯並びを治すことはできませんが、生活習慣の改善によって歯並びの悪化を予防することは可能です。まずは癖や生活習慣を見直し、自分で分かりにくい場合は歯科医に相談してみましょう。
歯並びを治すことで人とのコミュニケーションが取りやすくなるだけでなく体全体の健康にも繋がるため、思い切って歯列矯正を考えるのもひとつの方法です。
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こちらの記事の監修医師
ときわプロケア歯科クリニック
今多 将
(経歴)
H27年北海道大学歯学部卒業
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