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最終更新日:2022年4月15日

太ってないのに「LDLコレステロール値が高い」なぜ要注意か【医師の解説】

こちらの記事の監修医師
Basical Health産業医事務所
佐藤 文彦

※写真はイメージです/PIXTA

健康診断を受診すると、メタボ体型ではないのに、思いがけず「要医療」や「要精査」などといった判定コメントが入っていることがあるかもしれません。そういった判定コメントの中でも、意外に多いのがLDLコレステロール高値です。男性で年齢が若く、痩せ型の体型でも、このLDLコレステロール高値を指摘された場合は、一度しっかりと専門医を受診されることをお勧めします。

痩せ型でも注意が必要「高LDLコレステロール血症」

メタボな体型で高LDLコレステロール血症等が認める場合、心筋梗塞や脳梗塞といった動脈硬化が進行することが知られています。それでは、痩せ型の方の場合はどうなのでしょうか。

実は男性の場合、痩せ型であっても、高LDLコレステロール血症である方の場合、動脈硬化が思っている以上に進行していることがしばしばあります。一方で、女性では、若い間は女性ホルモンで守られているため、更年期を迎えるまでは高LDLコレステロール血症があっても、動脈硬化がそれほど進行することは考えにくいのです。

しかし、更年期以降は女性ホルモンが減り、それに伴って男性と同じように動脈硬化が進行するようになるので、こういった年齢になる方は、男性同様に専門医への受診が必要となります。

このように瘦せ型で高LDLコレステロール血症である人は、日本人では比較的珍しくなく、基本的には遺伝要因が強いと考えられます。医学的に家族性高コレステロール血症と診断される遺伝性の疾患についてでも、日本においては200~500人に1人の割合で存在し、30万人以上の患者がいると推定されています。

このため、問診時にお話しを伺うと、父方もしくは母方に高コレステロール血症の方がおられるというケースが多くあります。

15歳以上で家族性高コレステロール血症と診断される基準として、「未治療時のLDL―コレステロール値が180mg/dl以上」や「2親等以内に「家族性高コレステロール血症」あるいは早発性冠動脈疾患の家族歴」といったものがありますので、自分は該当しているのではという方は、是非一度、専門医に相談されて下さい。(参照:日本動脈硬化学会:動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版)

この場合の専門医受診というと、具体的には、動脈硬化疾患に詳しい、糖尿病専門医や循環器専門医の先生がおられるクリニック・医療機関を受診されることを考えることよいでしょう。

治療薬はいつから飲めばよいのか?

家族性高コレステロール血症といった、若い年齢の段階から高LDLコレステロール血症がある人の場合、早発性冠動脈疾患といった、若年齢での心筋梗塞といった動脈硬化疾患を発症することが特徴です。これは「LDLコレステロール累積」という考え方によって説明されます。

つまり、生涯の累積LDLコレステロール値が一定水準を超えると冠動脈疾患を発症するという考え方で、「家族性高コレステロール血症患者の場合では、生誕時から高値であるため、若年で閾値に到達する」という考え方です。

それでは、具体的にはどのタイミングになれば、内服治療を開始すればよいのでしょうか?

教科書的には、先程のガイドラインに示されている通り、日本人のエビデンスを基に作られた「吹田スコアによる冠動脈疾患発症予測モデル」(https://www.j-athero.org/jp/general/ge_tool/)から、内服時期を決めていくというものがあります。もちろん、かかりつけ医と相談し、これに基づいて内服開始の時期を決めることも大変有用です。

しかし、内服開始した方がよいと言われても、何となくリアリティがなく、ピンと来ないという方も少なくないようです。

そういった方には、「頸動脈超音波検査」をお勧めします。

この検査を行うことにより、自分の血管においてどの程度のレベルで動脈硬化が進行しているか否かを、画像的に見ることができます。実際に自分の動脈硬化の状況を画像で見ていただくと、非常に納得されて内服加療を開始する方も多く認めます。

糖尿病専門医クリニックであれば、多くのクリニックでこの検査を実施しています。必ずしも糖尿病ではなくても、非常に親切に対応してくれますので、どこの医療機関に受診されるかの参考とされるとよいでしょう。

また、通常の場合、スタチンと通常呼ばれているLDLコレステロールを低下させ、動脈硬化などを予防する薬を、1日1錠内服するだけで、かなりLDLコレステロール値は低下します。このスタチン系の薬剤は、世界中で20年以上も使用され、1億人以上の方が服用し、すでにジェネリック医薬品も多く登場しているため、高額な薬剤でも無くなっています。

しかも、日本人により発見されたことは有名で、実際に日本国内においても広く用いられている薬剤です。副作用として、筋障害系の副作用が知られていますが、横紋筋融解症の発症頻度は低く、そういった副作用が少ないことからも、長年多くの人達に服用されてきたという経緯があります。ただし、服用開始直後に、筋肉痛などの自覚症状が出た場合は、かかりつけ医の先生と服用継続の是非についてご相談されて下さい。

注射薬もある「脂質異常症治療薬」

一方で、「家族性高コレステロール血症」の場合、スタチンを高容量内服しても、数値がなかなか下がらない方もおられます。そういった場合は、近年、PCSK9 阻害薬といった注射薬も使用可能です。それ以外にも、様々な治療方法が開発されてきていますので、こういった治療方法の使用の是非についても、糖尿病専門医や循環器専門医といった動脈硬化に詳しい専門医と相談されるとよいと思います。

一昔前は、LDLコレステロール値を下げるべきか否かといった議論が、一般週刊誌等でも騒がれていたことをご記憶されている方も多いかもしれません。

それが近年では、冠動脈疾患二次予防の管理目標としてLDLコレステロール値は70mg/dL未満といった、一般の方々が思っている以上にLDLコレステロール値を下げることが有効であるという医学的エビデンスが認められ、特に循環器専門医の先生方は、しっかりとLDLコレステロール値は下げるように指導されておられます。

このように、医学的なエビデンスも年々変化を遂げています。5年前の医学的知識では、かなり古くなっているということも珍しくありませんので、一般の方々も自分や家族の身を守るためには、定期的に正しい情報を得るようにして、医学的情報が古くなっていないか確認することが大切な時代となってきています。

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こちらの記事の監修医師

Basical Health産業医事務所

佐藤 文彦

Basical Health産業医事務所 代表
日本糖尿病学会専門医・研修指導医、日本肥満学会専門医、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医などの資格をもつ内科医・産業医。

1998年順天堂大学医学部卒業後、順天堂大学 代謝内分泌学 助教などを経て、2012年41歳の若さで順天堂大学附属静岡病院 糖尿病・内分泌内科 科長(兼 准教授)に就任。同院で、「地方病院の医局員たちの残業の多さを何とか改善できないか」と考え、「医師の働き方改革」に着手。コーチングの手法を活用し、現場の要望を聴き出し、それを反映させた組織開発を独自で行う。3年目には医局員全員が定時に帰宅できる体制を作りあげる。その後、日本IBM株式会社で専属産業医を2年弱務めた後、2018年に独立。現在、健康保険組合やその関連企業での健康増進・予防医療などのコンサルタント業務を行いながら、糖尿病の外来診療、嘱託産業医としても活動する。今年度より、厚生労働省医政局委託事業「医療従事者勤務環境改善のための助言及び調査業務」委員会の委員に就任するなど、日本中の医師が安定的に働き続けられる環境作りに取り掛かっている。趣味は音楽。高校3年生時には、全日本吹奏楽コンクール(普門館)にて金賞受賞。担当楽器はチューバ。

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