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最終更新日:2022年7月4日

今流行りのGLP-1ダイエットってどうなの?

こちらの記事の監修医師
東京エバーグリーンクリニック
石川透

最近よく見かけるGLP-1(ジーエルピーワン)ダイエット。「痩せるホルモン」とも呼ばれるGLP-1を体内に注入するメディカルダイエットです。

今回はGLP-1ダイエットぼ特徴や効果、問題点について肥満外来、内分泌専門医が解説します。正しい知識を勉強していきましょう。

GLP-1ダイエットとは?

GLP-1ダイエットとは、正確な表現としては、「GLP-1受容体作動薬を用いた肥満治療」のことをいいます。肥満症の患者さんに対して治療を行うのが正しい使い方です。

肥満・肥満症の定義

肥満はBMI>25であり、日本では男性が32%、女性が21%が「肥満(BMI>25)」と言われています。

また肥満症は医学的に減量を必要とする病態であり、定義はBMI>25に加えて肥満に関連する健康障害を合併している、または内臓脂肪面積が100cm2を満たすと診断されます。ちなみにBMI<18.5は痩せ型といい、BMI<16は痩せすぎと判定されます。

  • BMIの計算は BMI=体重kg÷(身長m)2

GLP-1とは?

食事をしてブドウ糖やアミノ酸が小腸に到着すると、小腸からGLP-1を分泌し、血糖値を下げるように働きます。その後DPP-4という酵素によってGLP-1は速やかに分解されて効果がなくなります。そのGLP-1を長時間作用するように作られた薬がGLP-1受容体作動薬になります。

GLP-1の効果

GLP-1の効果としては、インスリンの分泌を促し、血糖値を下げる以外にも、胃の蠕動(ぜんどう)運動を抑えたり、視床下部の摂食中枢に直接作用し、食欲を抑えたりします。一説によれば集中力もUPするとも言われています。また間食や1回の食事量が減り、代謝亢進して痩せていく効果があります。

GLP-1の特徴としては、空腹時には働かずに、食後の血糖値が高い時のみインスリン分泌させるため低血糖のリスクは低いと言われています。

(注意点としてはその他の薬を併用する場合はこの限りではありません。)

GLP-1の副作用

副作用としては、便秘、下痢、吐き気、胃もたれ、嘔吐、消化不良、急性膵炎、低血糖、肝障害、腎障害があり、消化器症状が30%、急性膵炎は0.04%程度起こります。

ただ消化器症状は1週間程度で収まることが多いと言われています。比較的安全に使用できる薬ですが、使っている途中で体調不良になれば速やかに受診をしましょう。

GLP-1の適応

日本で認められている適応疾患は糖尿病の中でも2型糖尿病のみです。またアメリカでは肥満(BMI>30、合併症を伴うBMI>27)のみに適応があります。

そのため適応疾患以外での使用を適応外使用と言います。日本で行われているGLP-1ダイエットはすべて保険外、適応外使用=自由診療となります。

 GLP-1の効果

肥満対象者に使用した場合20週間で、リベルサス3mgだと2%、7mg14mgだと5%程度。オゼンピック1.0mgで5%、2.4mgでは10%減量と言われています。肥満患者におけるデータのため健常人では効果は低く出る可能性があります。

GLP-1だけで痩せるの? 

ダイエット・減量というのは、食事療法・運動療法が基本です。また、認知行動療法・直接指導により減量効果が上がります。

具体的な食事療法では、女性なら1200-1500kcal、男性なら1500-1800kcal、運動療法では1週間で200分間運動するようにお話しします。それに加えてGLP-1受容体作動薬を使用することにより、より減量効果を認めます。

日本で売られているGLP-1ってどんな薬があるの?

一時期美容クリニックで流行したサクセンダは日本ではビクトーザという名前で処方可能となります。違う点としてサクセンダは最大3.0mgまで、ビクトーザは最大1.8mgまで可能です。

また、現在内服薬ではリベルサス、週1回製剤のオゼンピックが処方可能です。
(糖尿病学会からGLP-1受容体作動薬の適正使用について注意は促されています。)

GLP-1は安全?

間違った情報やネット広告、虚偽、誇大広告に関して厚生労働省や薬機法が日々監視している状況です。

絶対に安全かというと、副作用はどんな薬にでもあります。またブログやSNSでは-10kg減量効果ありという方もいますが、基本的には人それぞれ違う結果であり、極端な減量は健康被害を及ぼす可能性があります。

GLP-1のいいところ

肥満から3-5%でも減量できれば高血圧、糖尿病、脂質異常症、脂肪肝に対しても効果があることは知られています。

また膝関節・股関節痛にも改善が見られるケースもあります。減量によって改善することもあるので、すべてを否定するものではありませんが、適正使用が大切です。

 GLP-1を中止するとどうなるの?

GLP-1を中止すると、食事や運動への介入を続けていても体重が増加すると言われています。しかし食事量が減り、胃の内容量が減るため、多少は効果あるかと思います。

その他の問題点はあるの?

日本でのダイエット問題で1番問題視されている点は、「若い女性のボディーイメージのずれ」と言われています。そのため過度にダイエットを希望する女性が多く、GLP-1を処方するクリニックが多いのも事実です。

過度なダイエットでは、骨がスカスカになって骨折しやすくなる骨粗鬆症を発症したり、赤ちゃんに栄養をあげられなくなる可能性もあります。そのため適切なカウンセリング、適切な使用をするクリニックのフォローアップ体制が必要と考えられます。

まとめ

・GLP-1は減量効果があり、減量することで高血圧、脂質異常症、脂肪肝に効果あり
・痩せすぎの女性には要注意
・クリニックの管理体制不足

 

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こちらの記事の監修医師

東京エバーグリーンクリニック

石川透

経歴】
 H21 私立愛光高等学校 卒業
 H27 愛知医科大学医学部医学科 卒業
 R4  東京女子医科大学医学研究科 内科学専攻 修了
【職歴】
 H27 独立行政法人労働者健康安全機構 中部ろうさい病院
 H29 東京女子医科大学 高血圧・内分泌内科
 R4 医療法人春恵会 東京エバーグリーンクリニック
【資格】
  医師免許、産業医免許
  日本内科学会認定内科医
  日本内分泌学会内分泌代謝科専門医、医学博士
【専門分野】
 臨床経験としては糖尿病・高脂血症といった生活習慣病から希少疾患(下垂体、副腎、甲状腺、副甲状腺)を数多くの症例を経験しました。その時に予防医療、1次予防の大切さを学び、病気にならないこと、早期発見・早期治療を目標に、また相談しやすい医療を提供できたらと思います。

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