最終更新日:2021年7月21日
ちょっとハードな「HIIT」を日常に取り入れよう

こちらの記事の監修医師
四日市ヘルスプラス診療所
末光 智子


前の記事ではラジオ体操やヨガ、ピラティスをおススメしました。今回の記事では、日常の中で取り入れやすいエクササイズとして「HIIT(ヒット)」を紹介します。
目次
「HIIT」を日常生活に取り入れよう
HIITとは、高強度(high intensity)の負荷がかかる運動と休憩を、短い間隔(interval)で繰り返すトレーニング(training)を表す略語です。
具体的には、20?60秒程度の全力運動(例えば高速スクワットや短距離ダッシュ、プランクやバーピーなど)をした後、10?60秒程度の短い休憩を入れ、これを1セットとして4?5セット行うといったトレーニングです。
HIITは4?5分程度でできますので、忙しくて運動する時間がないと悩む方にとてもオススメです。ラジオ体操と同じく、限られたスペースでできるエクササイズが多く、思いついた時にすぐ、着替えずに、室内でもできることも大きな魅力です。
また、それに加えて、その効果が非常に高いこともおススメする理由の1つです。アスリート向けのトレーニング法として考えられたエクササイズですが、一般の人の病気予防や、病気の改善(例えば血糖値、血圧の改善など)、心臓病などを患った後の心臓リハビリの手段としての効果も高いことがわかってきました。
HIITは時間効率の良いトレーニング
HIITは、時間効率の良いトレーニングで「1分のHIIT」が「45分の有酸素運動」と同じ効果があると言われています。毎日お仕事や家事などで忙しい方には朗報ですね。私も子育てをするようになり、運動のための時間を取ることが難しく困っていましたが、HIITのおかげで日常に運動を加えることができました。
全力運動と聞くと、今まで運動をしていない方は、かえって躊躇してしまうかもしれません。実際には自分の極限まで行うのではなく、全力の7?8割の負荷です。
もちろん、それでも最初は「キツイ」と感じるでしょう。しかし全部やっても数分という短い時間ですので、「あと少し頑張れば終わる!」とチャレンジしやすく、また終わった後は集中して運動したあとの爽快感を感じられます。
HIITの詳しいやり方や効果については、わかりやすくまとめている本やインターネット上の動画がたくさんあります。動画で具体的なやり方を確認することができますので、ぜひ、チャレンジしてみて下さい。
HIITに限らず、心拍数を上げる運動はカラダに良いだけでなく、抗うつ効果もあり、ココロをすこやかに保つ上でも実は大切なことです。
HIITは「最強の脳内物質」BDNFを増やす
最近の研究で、脳の健康に欠かせない脳内タンパク質である「BDNF(Brain-derived neurotrophic factor、脳由来神経栄養因子)」という物質が注目を浴びています。
このBDNFは「最強の脳内物質」「脳にとって奇跡の肥料」と言われるほど、脳のパフォーマンスアップに欠かせない物質であることがわかってきました。BDNFは脳細胞を損傷から守ったり、新たに生まれる脳細胞を助けたり、脳の細胞間のつながりを強めて、学習や記憶の力を高めてくれるなど、あげればキリがないほど脳にとって多くの働きを担っています。
実は、BDNFはうつ状態とも関係していることがわかってきていて、うつ病や自殺者のBDNFの分泌量が低くなっています。
では、BDNFを増やすにはどうすれば良いのでしょうか?BDNFを増やすことができる身近な方法、それがまさに「運動」です。中でも今回ご紹介したHIITのような、心拍数の上がる有酸素運動がBDNFを増やしてくれます。定期的な運動は、抗うつ薬に匹敵する効き目があるとすら言われています。
新しい運動習慣を「続ける」コツ
ここで挙げたHIITや、前の記事で挙げたラジオ体操、その他にも自分の好きな運動でいいので、日常の中で心拍数を上げることを意識してみましょう。1日1回は心拍数を上げられるといいですね。
今まで運動をほとんどしていない方は、まず無理のないところ、やりやすいところからで大丈夫です。とはいえ、日常の中で運動習慣のない方はつい後回しにして、やらずに過ぎてしまいがち。まずは「少しでもいいからやる」と決めて、2週間取り組んでみましょう。
「何を」「いつやるか」を具体的に決めておく
日常の中で新しいことを始める時には、「毎日やろう」と決めるだけでなく、「タイミング」と「具体的に何をやるか」まで決めることがポイントです。
例えば私は、職場で「お昼ごはんの前」に「HIITを 5セットする」と決めています。また、トイレに行った時に、数回スクワットをしてから出る、家で歯磨き中にはかかとの上げ下げをする、も決めて続けています。
こんな具合に「いつ」「何をする」を決めておく。「さあ何をしよう」と、毎回考えることから始めると、面倒になります。自分のやりやすい、忘れにくいタイミングで、ちょっとでもいいからまずはやってみる。
ちょっとの量でスタートしよう
最初はHIITを1セットからでも大丈夫です。やろうと思いながら、いつまでも始められないより、たった1セットであっても実際にやってみる方がずっといいのです。
そして、ちょっと心拍数を上げる運動をする爽快感を、ぜひあなたのカラダで感じてみて下さい。「はぁー、キツイ」と言いながらも、笑顔になれるあなたがいることでしょう。
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こちらの記事の監修医師
四日市ヘルスプラス診療所
末光 智子
内科医。自治医科大学卒業後、愛媛で地域医療に従事。結婚後、三重県在住、四日市ヘルスプラス診療所(四日市消化器病センター 分院)勤務。日本内科学会認定総合内科専門医、日本医師会認定産業医。Body Element System Japan認定ピラティスインストラクター、ジョイ石井認定イメージングカウンセラー、プロフェッショナル・ファスティングマイスター。著書「すこやかで幸せになるために ココロとカラダを調える」(出版社:ギャラクシーブックス)
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