最終更新日:2021年7月18日
ビタミンとミネラルについて知っておいてほしいこと

こちらの記事の監修医師
四日市ヘルスプラス診療所
末光 智子


「食べているから大丈夫」とは言っていても、食事の内容を具体的に聞いていくと、本当に必要な栄養が足りていない方が多いです。基本的な栄養について改めて見直してみましょう。どの栄養素も大切ですが、ビタミンやミネラルなど、とくに不足しがちな栄養素に絞って、見ていきます。
少しの工夫と積み重ねでカラダは変わる
子供や女性、年配の方で特に不足しがちなのは、たんぱく質です。「肉や魚も食べています」という方でも、絶対的な量が不足していることはありあります。
たんぱく質は筋肉や骨、皮膚など、カラダを作るだけでなく、ホルモンや酵素といった、カラダがうまく機能し、調節するために大切な役割をはたす生理活性物質の原料にもなります。たんぱく質の不足は、あらゆる不調に直結してきます。
よくあるNG例として、パンとコーヒーだけの朝ごはんがあります。忙しい朝にいろいろ準備するのは大変ですが、例えばここに、ゆで卵をひとつ加えるだけでも栄養面ではずいぶん変わります。時間がある時にまとめてゆでておけば、たんぱく質が少ない時に、さっとひとつ加えることができます。
こんな少しの工夫、積み重ねで、カラダは変わってきます。
「ビタミン」について知っておこう
カラダの中で、エネルギーを作り出したり、酵素やホルモンが働いて生きるのに必要な、さまざまな反応を起こしたりするためには、ビタミンとミネラルが欠かせません。
ビタミンC
もし今、心身ともにエネルギー不足を感じているようであれば、まずはビタミンB群を意識的に摂取することをお勧めします。ビタミンB群がなければ、すべての活動の基礎になる、エネルギーを作り出す回路(クエン酸回路)がうまく回らないからです。必要なエネルギーがなければ、カラダを修復することはおろか、日々ただ生活するだけでもエネルギー不足になってしまいます。
ビタミンB群の中で、ビタミンB3とも言われるナイアシンは、さまざまな慢性疾患・不調の回復のキーになります。特にうつやパニック、不眠といったメンタル面の不調や、今後の記事でご紹介する副腎疲労の改善にとても大切になります。
ビタミンD
ビタミンCと共に、免疫力アップのために大切なのが、ビタミンDです。
ビタミンDと聞くと、あなたは何を思い浮かべますか?「骨」という方が多いでしょう。もちろん骨にとても大切なビタミンDですが、実は骨以外にもさまざまな生理活性があることがわかってきて、現代医学でも改めて注目されているビタミンです。新型コロナの感染が問題になって、早くも1年以上が過ぎましたが、ビタミンDは、自分自身の免疫力にも関わってきます。
ビタミンDは、食物から摂る以外に、日光に当たることでも補給できます。コロナ禍で、ステイホームと言われますが、安全な場所を見つけて、日光に当たる時間も意識的に作ってみましょう。特に冬場は日照時間も短いので、不足しがちです。
日光に当たることで、カラダに大切な栄養素が作られる。この仕組み自体がとてもすばらしいことですね。自然と調和するだけで、健康になれるようになっている。ビタミンDを意識するたびに、私たち人間も地球というこの環境と共に生きているのだということを、私は改めて感じています。
「ミネラル」について知っておこう
日本人に不足しがちなミネラルとしてはカルシウムがよく取り上げられますが、実は、もっと意識して摂ることが必要なミネラルがあります。
マグネシウム
それはマグネシウムです。カルシウムがうまく機能するためにも、マグネシウムは同じくらい、あるいはそれ以上に大切です。マグネシウムが不十分でカルシウムばかりが摂取されると、かえって骨からカルシウムが溶け出すことが起こります。
カルシウム・マグネシウムは筋肉の収縮させること、ゆるめることにも関わってきます。足がつりやすい、まぶたがピクピクしやすい、という方はいらっしゃいませんか?そんな方はマグネシウム不足かもしれません。
マグネシウムは「ミネラルの王様」と言われるくらい、体内のさまざまな反応に必要です。ミネラル分を多く含んだ天然塩を使ったり、にがり(主成分はマグネシウムです)を飲み物・汁物やお米を炊く時に入れたり、マグネシウムを含むバスソルト(エプソムソルトなど)を入れて入浴したりして、マグネシウムの摂取を意識してみましょう。マグネシウムはメンタルの安定化にも必須ですし、代謝の改善で痩せやすくなったりします。
亜鉛、鉄
マグネシウムの他、亜鉛や鉄なども大切なミネラルです。
亜鉛は、このコロナ禍で「味覚異常」との関連を耳にした方も多いかもしれません。味覚以外にも、亜鉛は「妊活ミネラル」と言われるほど、生殖にも影響しています。現代の不妊の増加の背景には、実は栄養不足も関わっています。
日本人の女性は鉄不足の人が多く、実はこれがさまざまな不調に関係しています。
「健診で貧血の指摘がないから大丈夫」とは限りません。健診で主に貧血の評価に使われるヘモグロビンが、正常範囲内?やや低下している程度のレベルでも、カラダの貯蔵鉄(血液検査ではフェリチン)は極度に低いことがあります。
こういう方は、疲れやすい、といったカラダの症状はもちろんのこと、メンタル面にも影響が出て、うつやパニック障害などと関連があります。特に女性のメンタル系の不調では、必ずフェリチンも確認したいところです。
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こちらの記事の監修医師
四日市ヘルスプラス診療所
末光 智子
内科医。自治医科大学卒業後、愛媛で地域医療に従事。結婚後、三重県在住、四日市ヘルスプラス診療所(四日市消化器病センター 分院)勤務。日本内科学会認定総合内科専門医、日本医師会認定産業医。Body Element System Japan認定ピラティスインストラクター、ジョイ石井認定イメージングカウンセラー、プロフェッショナル・ファスティングマイスター。著書「すこやかで幸せになるために ココロとカラダを調える」(出版社:ギャラクシーブックス)
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