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最終更新日:2022年4月7日

ちゅうしんせいしょうえきせいみゃくらくもうまくしょう中心性漿液性脈絡網膜症

こちらの記事の監修医師
スマイル眼科クリニック
岡野 敬

概要

光を感じる神経の膜である網膜の中で、視力に関係する部分(黄斑)に浮腫ができ、網膜の色素上皮下に水が溜まってむくんでしまう状態です。働き盛りでストレスの多い中間管理職世代に多く、男性により高率にみられます。片目に症状が現れることが多いですが、まれに両目に症状が出ることがあります。ほとんどは自然に治ることが多い病気ですが、慢性化・再発を繰り返すこともあります。その場合は治療が必要となります。

原因

網膜に栄養を与える脈絡膜(眼球壁を構成する薄膜)の血管から水分がにじみ出て、網膜の中心にある黄斑付近にむくみを引き起こすことで、一時的に視界に影響をあたえます。また、長期に病状が続く場合は一生涯、視力を低下させることもあります。直接的な原因は、まだ不明とされていますが、ストレスが影響を与えていると言われています。過労・睡眠不足など、ストレスが重なっている時に症状が現れることが多いです。また、元々目がよく見えていた人が、老眼や眼精疲労で見えづらくなっても無理して対処しないことは、目にとっての立派なストレスです。ほかに妊娠時や、副腎皮質ステロイド薬の副作用が原因で発症することもあります。副腎皮質ステロイド薬の副作用は、飲み薬だけにとどまらず、塗り薬・吸引薬・注射などでも引き起こされる可能性があるため、注意するとともに主治医の先生に確認も必要です。

症状

網膜の外側には、血管などが束になっている「脈絡膜」という組織があり、網膜に酸素や栄養を補給しています。この病気にかかると、脈絡膜から網膜への血液供給、主にイオンの移動がストレスによって妨げられると、吸いつていただけの色素上皮部分は水分が漏れ出て剥離してしまいます。主な症状としては、視力の低下・視野の中心が暗く見えてしまう・視野が歪んで見える・実際の色と違った色に見えてしまう色覚異常・物が小さく見えてしまう小視・遠視が挙げられます。網膜剥離が治ると症状は軽くなってきますが、何らかの見にくさが残ることが多いです。長い期間症状が続いたり、再発を繰り返したりするような場合は、視力障害を起こすこともあります。

検査・診断

まず、眼底検査をします。その次に診断するため、フルオレセインという造影剤を用いた「蛍光眼底造影検査」でしみだしている箇所を明確にします。この病気は、高齢の方にも起きることがありますが、高齢の方は「加齢黄斑変性」という病気と見分ける必要があります。その際には、インドシアニングリーンという別の造影剤を使った検査も行う必要があります。診断確定を行うために、腕の静脈に造影剤を注射します。眼球に到達したときの様子を検査するもので、注射後に造影剤が漏れ出し、眼底に広がることがあれば、色素上皮のバリア機能が低下していることになり病気が判明します。

治療

治療としては、基本的には、3ヶ月から6ヶ月ほどで自然と治っていくことが多いため、経過観察していきます。経過を見ながら、回復する見込みがなかったり再度繰り返す場合は「網膜光凝固術」というレーザー治療や内服薬による治療を行います。血管から水分がもれ出している部分が、黄斑の中心から離れている場合は、レーザー光による凝固術治療もできます。レーザー治療は、早期回復が期待でき再発予防の効果があると言われています。ただし、水分が漏れ出している部分が中心に近い場合は、この治療法が使用できないため内服薬による治療を行います。

予防/治療後の注意

この病気の原因は詳しく分かっていませんが、睡眠不足や過労・ストレスなどが影響していることは少なからずあるということは分かっています。そのため心と体を休め、気分転換をすることがもっとも効果的と言われています。時間が取れない方などは、こまめに眼科の受診や適切な検査を受けましょう。常日頃から片目を閉じて物が歪んで見えたりしないか、視野が暗くなっていないかなど、早めに異常を見つけることができるように心がけるのも大切です。

こちらの記事の監修医師

スマイル眼科クリニック

岡野 敬

【経歴】
 平成9年 杏林大学医学部卒業。

 杏林大学病院アイセンター、公立阿伎留病院眼科、志和眼科医院、都南眼科、
 みたけ眼科、やはば眼科院長として勤務し外来診療と手術を行う。

 平成14年9月 横浜市青葉区のスマイル眼科に勤務。
  平成15年1月 スマイル眼科クリニック院長。

【専門】
 前眼部疾患、緑内障、ドライアイ、アレルギーなど一般眼科外来
 小児眼科、コンピュータ支援医療。

【所属学会】
日本眼科学会、
日本眼科医会
ドライアイ研究会
日本LIME研究会
近視学会
東洋医学会会員。

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