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最終更新日:2021年10月5日

りょくないしょう緑内障

こちらの記事の監修医師
80
鈴木 幹啓

緑内障

まとめ

緑内障は眼球内の眼圧が上昇し、視神経が障害されて目が見えづらくなる疾患である。ときに失明することもある。原発緑内障と続発緑内障に大別され、原発緑内障はさらに隅角線維柱帯部の目詰まりによる開放隅角緑内障と、隅角が狭く線維柱帯部が虹彩で閉塞される閉塞隅角緑内障にわけられる。一般的に緑内障は、開放隅角緑内障を指す。厚生労働省研究班の調査によれば、緑内障は日本の視覚障害の原因の第1位である。40歳以上の約5%が緑内障といわれ、年齢に伴い緑内障有病率が増加する。近年は治療が発達し、早期発見・治療にて失明のリスクを抑えられるようになってきた。

この病気の原因

眼球内では常に房水と呼ばれる水が作られ、その水圧を眼圧と呼ぶ。房水が作られると眼圧が上昇するが、通常は一定量の房水が隅角線維柱帯から流れ出て、一定に眼圧が保たれている。しかし、何らかの原因でこのバランスが崩れて眼圧が上昇し、その圧力で視神経が損傷するのが緑内障である。また眼圧が正常範囲でも発症する緑内障は、正常眼圧緑内障という。正常眼圧緑内障は視神経の眼圧への抵抗力が弱く、通常では緑内障を発症しない程度の眼圧でも視神経が損傷することが原因とされる。

主な症状

緑内障では、暗点の出現、視野狭窄などの症状がみられる。症状の進行は緩やかで、日常生活では両眼で見ているため、初期段階ではほとんど症状に気付かない。開放隅角緑内障は、初期段階で目の疲れや肩凝りが現れ、進行すると物が見えにくく、視野欠損が起こる。眼圧上昇は緩やかなため、症状も緩やかに進行する。閉塞隅角緑内障では急激に眼圧が上昇し、眼球の激しい痛み、充血、視力低下、目のかすみが、さらに、頭痛や吐気がみられる。

検査/診断の方法

視野検査、眼圧検査、眼底検査を行い診断する。視野検査では視野欠損度を確認し、緑内障の症状の有無や進行度を調べる。眼圧検査は眼球内の眼圧を調べ、眼球の奥の網膜組織にある視神経の異常を調べる。特殊なコンタクトレンズを目に当てて、隅角を観察する隅角検査という検査もある。開放隅角緑内障には、視神経が圧迫されても眼圧検査では眼圧上昇がみられない正常眼圧緑内障のことがあるため、視神経の確認が大切である。緑内障の診断以外に治療経過をみるため、定期的に検査が必要である。

主な治療方法

緑内障により視野や視力が失われると治療で改善できないので、進行を緩やかにする治療を行う。多くの場合は、点眼薬で眼圧を下げ、進行を遅らせることが可能である。現在はさまざまな治療効果のある点眼薬が登場し、緑内障の種類や重症度に応じて薬剤を選択する。症状改善が見られない場合は、レーザー治療や手術を行う。レーザー治療には、隅角線維柱帯の働きを活発化させ、房水排出を促す治療と、房水の眼内での流路を変更する治療がある。薬物療法やレーザー治療での改善が難しい場合、手術を行う。組織の一部を切除し房水の逃げ道を作る方法、線維柱帯部の閉塞を解消する方法、房水の新たな通り道となる器具を挿入し、留置する方法がある。

治療後に注意すべき点/予防対策

開放隅角緑内障は症状が緩やかで、症状を自覚したときにはかなり進行していることが多い。治療が遅れると失明の恐れがあるので、早期発見・早期治療が重要である。近視の人は開放隅角緑内障を発症しやすい。家族歴もリスク因子になるため、家族内に緑内障の人がいる場合は早期に検査を受けることが望ましい。

こちらの記事の監修医師

80

鈴木 幹啓

【経歴】自治医科大学卒業
三重大学小児科入局
三重県立総合医療センター(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
国立病院機構三重中央医療センター(新生児集中治療室を担当)
国立病院機構三重病院 (小児急性期病棟、アレルギー・糖尿病・腎臓病慢性期病棟、重症心身障害児病棟を担当)
山田赤十字病院(小児一般病棟、新生児集中治療室、小児救急を担当)
紀南病院(小児科医長)
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
2020年10月、株式会社オンラインドクター.comを設立。CEOに就任

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