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最終更新日:2022年3月2日

かんせんせいかくまくえん感染性角膜炎

こちらの記事の監修医師
元町マリン眼科
蓮見 由紀子 院長

概要

感染性角膜炎(以下角膜炎)は、黒目部分に存在する角膜と呼ばれる組織の炎症によっておこります。角膜炎自体は、角膜に傷がつき、そこに炎症が起こることを指しますが、ここでは何らかの病原性微生物に感染することで炎症が発生する感染性角膜炎について解説しています。角膜炎になると、目の痛みや目の“ゴロゴロ”感、ピリピリとした痒みや充血などが発生し、まぶたが大きく腫れ上がることもあります。点眼薬(目薬)を使って、炎症を抑えながら病原菌を退治する治療が行われます。角膜に傷がつかないよう、ドライアイのケアやコンタクトレンズの使い方などを見直して、再発を予防することが重要です。

原因

角膜炎は、角膜内に細菌や真菌、ウイルスなどの病原性微生物が侵入することで発生します。しかし、健康な角膜は涙で覆われており保護されているため、通常であれば細菌などの感染症がおこる心配はありません。しかし、ドライアイなどで、涙が少なく角膜が乾いている場合や、コンタクトレンズや目のレーザー治療などの影響で目に傷がある場合は、細菌などが感染しやすくなっています。その際に、手で目を触ってしまったり、目にホコリが入ることで感染が成立し、角膜炎が発生します。

症状

角膜炎の主な症状は、目の痛みと目の中のゴロゴロ感(異物感)、まぶたの腫れや充血です。熱をもったように腫れて浮腫むこともあり、視界がぼやけたりものが見えにくくなるというケースもあります。目やになどで目が開かなくなるなどの症状が出現する場合もあります。また、感染性角膜炎は放置しておくと、重症化して角膜潰瘍を起こすこともあります。角膜潰瘍を発症すると、病巣が角膜の内部にまで広がっていくため、黒目が白く濁ったり、視力が低下したりすることもあります。

検査・診断

一般的な視力検査や目の検査が行われる他、角膜炎の原因となった病原微生物を同定する検査が行われます。細菌性の角膜炎と真菌性の角膜炎では治療方法(治療薬)が異なりますので、原因菌を明確にすることが大切です。ヘルペスウイルスなどのウイルスが角膜炎の原因となる場合もあります。微生物の検査と合わせて、角膜の傷の有無や涙の量などを検査して、角膜の状態を確認します。

治療

角膜炎の治療は原因となった微生物によって異なります。細菌性角膜炎の場合、殺菌作用のある抗菌点眼薬(目薬)を使用します。真菌の場合には抗真菌薬の点眼薬を用いると同時に、抗真菌作用を有する内服薬(飲み薬)が使用されることもあります。また、ヘルペスウイルスなどのウイルス性角膜炎の場合、抗ウイルス薬の眼軟膏薬(目に塗布する軟膏薬)が使用され、症状の程度によっては、抗ウイルス作用を持つ内服薬や注射薬(点滴)が用いられることもあります。その他、角膜の炎症を取り除くためのステロイド点眼薬などが併用される場合もあります。角膜の傷やドライアイを改善するための保湿剤なども使用されます。治療期間は症状や病原菌によって異なりますが、長い場合は数カ月の治療期間が必要な場合もあります。特に、ドライアイの治療や角膜上皮の再生には時間がかかるため、医師の指示を守りながらしっかりと治療を継続しましょう。

予防/治療後の注意

角膜炎の原因には角膜の損傷があり、コンタクトレンズの使用なども角膜に傷ができる要因のひとつとなります。角膜の傷やドライアイを指摘されたという人は、コンタクトレンズの使い方や目のケアの方法を今一度見直してみることが重要です。また、目を酷使する作業やストレスなども悪影響を及ぼします。スマートフォンやパソコンの使いすぎなども目の疲れにつながるため、定期的に休憩するなど、ライフスタイルの見直しも大切です。

こちらの記事の監修医師

元町マリン眼科

蓮見 由紀子 院長

【経歴】
2001年  信州大学医学部卒業
2001年  横浜市立市民病院レジデント
2003年  藤沢市立市民病院眼科専修医
2005年  横浜市大大学院医学研究科博士課程
2007年  米国国立衛生研究所(NIH)研究員
2014年  横浜南共済病院、あおと眼科勤務
2016年  蒼風会追浜駅前眼科院長
2020年  元町マリン眼科 開院

〇医学博士
〇日本眼科学会認定専門医
〇横浜市立大学附属病院非常勤講師(ぶどう膜クリニック担当)
〇眼炎症学会
〇眼形成再建外科学会
〇眼感染症学会
〇日本眼科手術学会

横浜市立大学附属病院非常勤講師(ぶどう膜クリニック担当)
地域に密着した眼科診療、眼瞼下垂の日帰り手術、美容皮膚科(自由診療)診療に対応し、眼と目周りのトータルケアを行っている。

治療に適した診療科目

眼科

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