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最終更新日:2022年3月2日

かしじょうみゃくりゅう下肢静脈瘤

こちらの記事の監修医師
ニューハート・ワタナベ国際病院 
渡邊 剛 院長

概要

下肢静脈瘤は、下肢の静脈の血管がコブ状に膨らんでしまい、足の血管が「ボコボコ」と盛り上がる病気です。下肢静脈瘤の原因としては、足から上半身に向かう静脈内の血液の逆流を防止する機能を持つ「静脈弁」の異常が挙げられます。静脈弁が必要以上に開いたり、弁が壊れた状態となることで血液が逆流が発生し、足の静脈の血管内に血液が徐々に溜まり、静脈の血管がコブ状に膨らんでしまいます。基本的には良性の病気であるため、治療をしなくても健康を害するリスクは低いといえます。しかし、足にコブ状の血管が浮き上がることによる見た目の問題や、それに伴う心理的、社会的な影響が危惧されます。また、必然的に血流が悪くなるため、下肢のむくみやだるさなどが日常的に発生するようになります。こむら返り(足がつる)などの症状が頻発するケースもあります。

原因

下肢静脈瘤は、下肢の静脈に異常が発生することで生じる疾患です。正常な場合、下肢静脈は一方通行に流れており、足の方から心臓に向かって、古くなった血液が押し出されるように流れています。重力に逆らう動きとなるため、下肢静脈には血液の逆流を防止するための「静脈弁」と呼ばれる逆流防止機能が存在します。しかし、この静脈弁の機能が低下(弁がうまく働かない・弁が開いたままになっているなど)することで、血液の逆流が発生します。逆流した血液は徐々に下肢の血管内に蓄積するようになり、コブのように盛りあがって膨らんでしまいます。

症状

下肢静脈瘤の主な症状は下肢の「コブ」です。程度は様々ですが、足に、ボコボコとコブのようなものができます。さらに、ふくらはぎのだるさや痛み、足のむくみ、こむら返りなどの症状が発生します。特に、歩行や運動後、長時間の立姿勢などによって症状は悪化します。立ち仕事を行った後や、昼から夕方にかけて足がむくんでダルくなってくるというのは下肢静脈瘤の典型的な症状のひとつです。また、夜間寝ている時に、突然こむら返りが起こる(足がつる)といった症状が出現することもあります。高齢の女性や立ち仕事の人、冷え性の人などは下肢静脈瘤が発生しやすいので、頻回に起こる足のだるさを感じたら下肢静脈瘤を疑う必要があります。

検査・診断

下肢静脈瘤の検査は超音波(エコー)で実施することが可能です。他疾患との鑑別のためにCT検査が行われることもありますが、基本的には超音波検査で診断されます。下肢静脈瘤を検査する際には、静脈血栓などの有無を精査する必要があります。静脈に血栓などが存在する場合、診断名や治療方法なども大きく変化しますので、まずは静脈瘤が発生している原因を明確にすることが重要です。

治療

下肢静脈瘤はその種類によって必要な治療方法が異なります。伏在型静脈瘤と呼ばれるタイプの場合、ボコボコと大きい静脈瘤が目立ったり、足のだるさやむくみなどの症状が起こりやすいなどの特徴があり、一部は重症化して外科的な治療が必要になることがあります。軽症例の場合、弾性ストッキングなどを使用することで、血液の逆流を防止することが可能になります。その他重症度に応じて、血管内に細い管を入れて直接患部を治療する、血管内カテーテル治療や、硬化剤と呼ばれる薬剤を注入して下肢静脈瘤そのものを“つぶして”治療する「硬化療法」という治療が選択されることがあります。血流障害によって皮膚に変色や潰瘍が発生しているような重要例の場合は、手術の適応となることもあります。

予防/治療後の注意

予防方法として代表的なものが弾性ストッキングです。下肢を圧迫する事により、血液の逆流を物理的に減少させる効果が期待できます。静脈瘤用の弾性ストッキングも開発されているため、静脈瘤専用の弾性ストッキングを使用することが勧められます。また、長時間の立ち仕事(特に動かずに立ちっぱなしの仕事)は下肢静脈瘤を発生させやすいです。定期的にストレッチをするなどの対策が有効です。その他運動やマッサージなども効果的な予防策ですので、日常的に下肢のケアを行うことが大切です。

こちらの記事の監修医師

ニューハート・ワタナベ国際病院 

渡邊 剛 院長

【経歴】
1977年3月  麻布学園高等学校卒業
1984年3月  金沢大学医学部医学科卒業
1984年5月  金沢大学医学部附属病院 第一外科入局
1989年3月  金沢大学大学院修了
1989年5月  横浜栄共済病院 胸部心臓血管外科
1989年6月  ドイツ・ハノーファー医科大学心臓血管外科 留学
    (Hans G Borst 教授の下、ドイツ学術交流会奨学生として)
1992年1月  金沢大学医学部附属病院第一外科
1992年4月  富山医科薬科大学医学部第一外科
2000年9月  金沢大学医学部外科学第一講座 教授
2003年8月  東京医科大学外科学第二講座 客員教授
2005年7月  東京医科大学心臓外科 教授(兼任)
2011年7月  国際医療福祉大学 客員教授
2013年11月  帝京大学 客員教授
2014年5月  ニューハート・ワタナベ国際病院 総長
2018年7月  ニューハート・ワタナベ国際病院 総長兼理事長

【資格】
日本外科学会指導医
【加入学会】
外科専門医
日本胸部外科学会指導医
心臓血管外科修練指導者
心臓血管外科専門医
循環器専門医
日本ロボット外科学会理事長
ISMICS (International Society for Minimally Invasive Cardiothoracic Surgery)
【受賞歴】
Young Investigator's Award受賞 1988年10月(第41回日本胸部外科学会総会)
第12回とやま賞受賞   2000年5月(富山県ひとづくり財団)
平成27年度外務大臣表彰 受賞 2015年(外務省)

治療に適した診療科目

血管外科

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