最終更新日:2022年5月10日
血管が浮き出る原因とは?予防法と治療が必要なケースも解説

こちらの記事の監修医師
クリスタル医科歯科クリニック
中島 由美

顔や手足に血管が浮き出る場合、いくつかの原因が考えられます。加齢や体重の変化によって血管が目立ちやすくなることもあれば、治療を必要とする病気が原因のこともあるので注意してください。血管が浮き出る原因と予防法、治療が必要なケースについてまとめました。
手や足の血管が浮き出るハンドベイン、レッグベインとは?

年齢などによって手や足の血管が浮き出て、目立つようになることがあります。このような状態はハンドベインやレッグベインと呼ばれますが、基本的に治療が必要な病気ではありません。
ベイン(vein)とは静脈を意味する英語で、手首や手の甲に出るものはハンドベイン、太ももやふくらはぎなどの脚に出るものがレッグベインです。
ハンドベインやレッグベインは病気ではないため治療しなくても、健康への大きな影響はないと考えられています。しかし、むくみやだるさを感じることもあり、血管が徐々に目立つようになっていくことも多いです。
血管が浮き出る主な原因
ハンドベインやレッグベインで血管が浮き出る主な原因は以下の4つです。
【血管が浮き出る主な原因】
・加齢
・生活環境の影響
・遺伝
・痩せすぎ
加齢
血管が浮き出る原因の1つ目は「加齢」です。肌は歳を取ると薄くなります。そして、老化するのは、肌だけではありません。血管や血管壁は老化によって弾力を失い、膨らみやすくなります。このような肌と血管の変化によって、手や足の血管が浮き出て目立つようになります。
また、年齢による女性ホルモンの減少や皮脂腺の活動の鈍化も原因です。
生活環境の影響
血管が目立つ原因の2つ目は「生活環境の影響」です。手を使う仕事、長時間の立ちっぱなしの仕事は血管が浮き出る原因になります。そのほかには紫外線を浴びる機会が多い人、乾燥などによって肌に炎症がよく起きる人も注意が必要です。
どちらも肌の老化と関係しています。そのような生活環境が長く続く場合、血管が目立ちやすくなります。
遺伝
血管が浮き出る3つ目の原因は「遺伝」です。家族などに血管が浮き出やすい人がおり、自分自身も血管が目立つのであれば、それは遺伝によるものの可能性があります。
遺伝するのは血管が目立ちやすいという体質、肌質です。家族に血管が浮き出ている人がいても、自分も同じようになるとは限りません。ハンドベインやレッグベインの予防法については後述するので、そちらも参考にしてください。
痩せすぎ
血管が浮き出る原因の4つ目は「痩せすぎ」です。加齢によって血管が浮き出てくるケースも多いですが、体重の変化も原因になります。
特に手の甲は痩せていて、皮下脂肪も少ないと血管が目立ちやすいです。逆に皮下脂肪が十分にあれば、静脈は目立ちにくくなります。そのため、医療機関ではハンドベインの治療法として、ヒアルロン酸などの皮下注入が行われることもあります。
ハンドベイン・レッグベインの病院での治療法
前述のとおり、病院ではヒアルロン酸などを注入する方法でハンドベインの治療が行われることもあります。ただし、ハンドベインやレッグベインの治療法は複数あり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。
ハンドベインやレッグベインの主な治療法は以下の4つです。
【ハンドベイン・レッグベインの病院での治療法】
・ヒアルロン酸などの皮下注射
・硬化療法
・血管内レーザー治療
・体外からのレーザー照射
どの治療法が合っているかは血管が目立つ場所、浮き出ている静脈の状態などによっても異なります。ハンドベイン、レッグベインで困っている方は、専門のクリニックなどで相談してください。
ハンドベイン・レッグベインの予防法
加齢は血管が目立つ原因のひとつなので、今は大丈夫でも徐々に血管が浮き出てくることも考えられます。ハンドベインやレッグベインを予防するには以下のような方法が有効です。
【ハンドベイン・レッグベインの予防法】
・長時間の同じ姿勢を避ける
・バランスの取れた食生活
・適度な運動
長時間の同じ姿勢を避ける
レッグベインの場合、立ちっぱなしの仕事も血管が目立つ原因になります。これは立ちっぱなしの状態が長時間続くことで、血液の逆流を防止するための弁に重力がかかるのが理由です。
弁が壊れてしまうと、静脈内の血液が逆流して、血管が広がり目立つようになります。そのため、長時間の同じ姿勢は意識的に避けましょう。また、このような弁が壊れていて、病的な血液の逆流が行っている状態なら治療も必要です。
バランスの取れた食生活
日頃からバランスの取れた食生活を心がけることも重要です。脂質の多い食事やアルコールの過剰摂取などは血液をドロドロにします。ドロドロの血液は、サラサラの血液に比べて弁にかかる負担が大きいです。
「野菜もしっかりと食べる」「十分な量の水分を摂取する」ことを意識して、血液がドロドロにならないようにしましょう。
適度な運動
適度な運動も予防法のひとつになります。筋力の弱まりは血流悪化に繋がるため、適度な運動で筋力を維持しましょう。
加えて、普段からクリームなどで肌を保湿することなども重要です。以上のような予防法に加えて、肌のケアもしっかりと行うようにしてください。
血管が浮き出るのは病気が原因の可能性もあるので注意

ハンドベインやレッグベインと呼ばれる状態であれば、基本的に治療しなくても健康への大きな影響はありません。
そのため、治療は見た目の改善が主な目的です。しかし、血管が浮き出るのは病気が原因のケースもあるので注意してください。
例えば、レッグベインと同じ状態でも、健康に影響があるものは「下肢静脈瘤」と呼ばれることがあります。
下肢静脈瘤の主な症状
下肢静脈瘤の主な症状は以下のとおりです。
【下肢静脈瘤の主な症状】
・だるさ、疲労感
・むくみ
・湿疹
・変色、色素の沈着
・足のつり
血管が浮き出るという見た目の問題だけでなく、さまざまな自覚症状があります。
下肢静脈瘤を放置するリスク
日常生活に大きな支障がなくても、下肢静脈瘤を放置するのにはリスクがあります。まず、湿疹などの皮膚の炎症が悪化した場合、潰瘍になる危険性もあるので注意が必要です。
下肢静脈瘤は、時間の経過で治る病気ではありません。逆に時間とともに症状が進行するケースも多く、放置することで「うっ滞性皮膚炎」を起こし、さらに悪化すれば潰瘍になります。
このような悪化した状態になる前に治療を開始することが大切なので、症状があるときは放置せずに医療機関を受診しましょう。
顔や頭に浮き出る血管は病気の兆候?

血管が顔や頭に浮き出ることもあります。運動や肌質で目立つのであれば問題はありません。しかし、側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)という病気の場合、側頭動脈に炎症が起きており、発熱や頭痛などの症状も伴うことが多いです。
視力の低下や視野障害、合併症であるリウマチ性多発筋痛症による痛みなどの症状もあるので、この病気が疑われるときは少しでも早く医療機関を受診してください。
筋トレを続けると血管が浮き出てくる理由とは?
ハンドベインやレッグベインを予防する上で適度な運動は重要です。ただし、過度な筋トレにより血管が浮き出やすくなることもあります。皮下脂肪に埋もれた状態なら静脈は目立ちませんが、筋トレで脂肪が減れば血管が浮き出てきます。
また、強度の高いトレーニングは、血管にも負担をかけるので注意しましょう。ハンドベインやレッグベインを予防するのが目的であれば、ウォーキングなどの強度の低い運動でも十分です。
浮き出る血管は病気でないケースも多い|「痛い」「かゆい」などの症状もあるなら病院へ

血管が浮き出る主な原因は年齢や長期間の生活習慣によるものです。血管が目立つことで見た目の問題はありますが、基本的に健康への影響はほとんどありません。
そのため、ハンドベインやレッグベインを治療する場合、美容が主な目的です。ただし、痛みやかゆみなどの症状も伴うときは注意しましょう。症状が悪化すると湿疹を繰り返したり、潰瘍になったりするリスクもあります。
また、頭部の血管が浮き出るのは側頭動脈炎などの病気の可能性もあるのであわせて注意してください。見た目以外で自覚症状があるときは、医療機関で相談しましょう。
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こちらの記事の監修医師
クリスタル医科歯科クリニック
中島 由美
〇病院名 :クリスタル医科歯科クリニック
〇医師 :中島 由美
〇アクセス:福岡県福岡市中央区天神4丁目6−7 天神クリスタルビル 2F
〇診療科 :内科,美容皮膚科,アレルギー科,アンチエイジング外来,女性外来,産業医
《経歴》
・ニューヨーク州バッファロー市生まれ
・金沢医科大学 医学部 卒
・金沢医科大学病院にて小児科・内科研修
・大阪・神戸・東京・福岡の病院で内科と皮膚科を担当
・2018年8月クリスタル医科歯科クリニック内に
内科、美容皮膚科、アレルギー科を開設
《資格》
資格
・日本内科学会 認定内科医
・日本医師会 認定産業医
・抗加齢医学会 専門医
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