オンライン診療対応クリニック病院検索・クリニック動画紹介のイシャチョク

  • 一般会員
  • 医師会員

イシャチョク

一般
会員
医師
会員

最終更新日:2022年7月6日

じろう痔ろう(痔瘻)

こちらの記事の監修医師
みなと芝クリニック
川本 徹

痔瘻

概要

痔瘻とは、肛門と肛門周囲の皮膚をつなぐトンネルができる病気です。肛門の小さな穴から細菌が入って肛門の周囲が化膿したものが肛門周囲膿瘍であり、膿が自然に外に出たり、切開排膿したりすると、後にトンネルが残ります。このトンネルが痔瘻です。細菌が入り込む穴を一次口、感染が続く部位を原発巣、皮膚への開口部を二次口と呼びます。一次口や二次口が見当たらない痔瘻もあります。痔瘻の症状は、二次口から膿が出ることです。診察では、肛門周囲を目で見て、痔瘻の二次口を確認します。さらに指で触って、管の走行を知ることで診断可能です。複雑な痔瘻は広がりの確認のため、MRI検査することもあります。痔瘻の8割方は、肛門近くの浅い所にできますが、肛門から離れた所に二次口ができることもあります。痔瘻は自然に治ることはまれであり、大抵は手術で治療します。

原因

肛門と腸の境目にある小さなポケット(肛門陰窩)に分泌液を出す線(肛門腺)があります。通常、肛門腺へ便は入りませんが、アルコールの多飲などにより下痢が長く続くと、肛門腺に便が入り込んで、大腸菌が元になって化膿します。肛門腺の近くに傷があったり、糖尿病やストレスが原因で抵抗力が落ちていたりすると、化膿しやすくなります。そして炎症が周囲に広がったのが肛門周囲膿瘍です。クローン病、結核、膿皮症、裂肛などに合併して肛門周囲膿瘍がおこることもありますが、裂肛が原因でなることは実際、少ないとされています。肛門周囲膿瘍がさらに広がり、皮膚に達して穴が開き、肛門の内外をつなぐトンネルができたのが痔瘻という病気です。 

症状

肛門周囲膿瘍は、肛門周囲が腫れて、ズキズキ痛み、お尻が熱をもつ、発熱することもあります。しかし、痔瘻に移行すると症状は緩和して痛みもなくなります。その代わり、二次口から膿が出始め、下着が汚れるといった症状が出てきます。

検査・診断

肛門周囲を目で見て、痔瘻の二次口を確認します。さらに指で触って、管の走行を知ることで診断可能です。さらに重症度を評価するため、肛門鏡検査・超音波検査・CT・MRIで検査することもあります。痔瘻はトンネルが伸びる方向によって4つに分類されます。低位筋間痔瘻はトンネルが肛門の近くで下に伸びる型(痔瘻の約6割を占める)・高位筋間痔瘻はトンネルが上に伸びる型(痔瘻の1割弱を占める)・坐骨直腸窩痔瘻は肛門の後方へ複雑に伸びる型(痔瘻の約3割を占める)・骨盤直腸窩痔瘻はトンネルが一旦上に伸びた後、反転して下に伸びる型(ごくまれ)

治療

痔瘻は自然に治ることはまれであり、大抵は手術でトンネルを取り除くことで治療します。その際、上述した痔瘻の型に合わせて適切な手術法を決めます。切開開放術は、トンネルを切り開いて、トンネルの入り口から出口までを全て切除する方法です。肛門括約筋に傷がついて肛門のしまりが悪くなるリスクがあります。括約筋温存手術は、肛門括約筋を傷つけないように、トンネルだけをくり抜く方法です。シートン法は、トンネルの中にゴム糸を通して縛り、徐々にトンネルを切開していく方法で、肛門の変形が少なくてすみます。トンネルの走行が複雑なほど、手術が複雑となる傾向があります。特に骨盤直腸窩痔瘻は、手術が難しく、人工肛門になることがあります。

予防/治療後の注意

痔瘻は慢性的な下痢が元になって起こりますので、食生活や運動習慣によって便通を整えることが大切です。それでも下痢が続くときには、医療機関を受診しましょう。また、肛門が痛む、熱をもつという症状がある時は、肛門周囲膿瘍かもしれませんから、この場合も医療機関を受診してください。痔瘻が再び化膿して肛門周囲膿瘍になることがあります。また、手術によって排便機能障害をきたすこともあるので注意が必要です。

こちらの記事の監修医師

みなと芝クリニック

川本 徹

〇アクセス:東京都港区芝2丁目12−1 桑山ビル 2F
〇診療科 :消化器内科 消化器外科 肛門外科

《 経歴 》
1987年 筑波大学医学専門学群卒業
1993年 筑波大学大学院医学研究科修了
1996年 筑波大学臨床医学系外科(消化器)講師
2003年 米国テキサス大学MDアンダーソン癌センター客員講師
2008年 東京女子医科大学消化器病センター外科非常勤講師
2010年5月より、 みなと芝クリニック 院長
2013年 東邦大学医学部医学科 客員講師

治療に適した診療科目

肛門科 肛門外科

関連記事

肛門科、肛門外科のおすすめクリニック