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最終更新日:2023年2月18日

いぼじ(じかく)いぼ痔(痔核)

こちらの記事の監修医師
医療法人吉幸会 新宿おしりのクリニック
吉田 幸平

概要

いぼ痔(痔核)は肛門にできるいぼ状のはれです。排便時のいきみ、便秘、下痢、重いものを持つなどで肛門に負担がかかるとできやすくなります。肛門と直腸の境目にある歯状線の奥にできるのが内痔核、外にできるのが外痔核です。内痔核は痛みが少ないですが、排便時に肛門から脱出し、出血することがあります。それに対して外痔核は痛みを伴うことが多くあります。肛門から内痔核が脱出した場合は、指でゆっくりと押し戻します。痛みが強い場合や出血が多い場合は肛門科を受診しましょう。外用薬(軟膏・座薬)や内服薬を使用することで、腫れや痛み、出血などを抑えることができます。また、それでも改善しない場合は注射療法や結紮切除術などの治療法もあります。予防するためには、おしりを冷やさないこと、おしりを清潔に保つこと、食物繊維や善玉菌を増やすことで腸内環境をベストに保ち排便コントロールをすることが大切です。

原因

排便時のいきみ、便秘、下痢、重いものを持つなどで肛門に負担がかかることが主な原因です。直腸・肛門の静脈叢(じょうみゃくそう)がうっ血(組織内に静脈血がたまること)して腫れることで痔核ができます。肛門を支える組織が弱くなることも関係します。

症状

肛門にいぼ状のはれができます。肛門と直腸の境目にある歯状線の奥にできるのが内痔核、外にできるのが外痔核であり、内痔核と外痔核で症状が異なります。内痔核の生じる部位には知覚神経が通っていないために痛みが少ないのが特徴です。排便時に出血し、鮮血がポタポタ落ちることや、大量に出血して便器が真っ赤になることもあります。最初のうちは、排便時に脱出しても自然に戻るのですが、進行すると指で押し込まないと戻らなくなることもあります。外痔核の生じる部位には知覚神経が通っているために痛みがあります。内出血により血栓ができて大きくはれて激しく痛むのが「血栓性外痔核」です。

検査・診断

症状・所見から痔核と診断します。自己診断せず、肛門科を受診して診断してもらうと良いでしょう。

治療

肛門から内痔核が脱出した場合は、指でゆっくりと押し戻します。ジェル状あるいは軟膏状の痔の薬を塗ったりすると押し戻しやすくなることがあります。痛みが強い場合は、入浴をしておしりを温めるのも効果があります。痛みが強い場合や出血が多い場合は、医療機関を受診してください。また、外痔核が大きくはれて痛みが強い場合や症状が長引く場合も医療機関を受診してください。薬物療法として、外用薬(軟膏・座薬)や内服薬を使用することで、腫れや痛み、出血などを抑えることができます。それでも改善が認めない場合は、注射で痔核を硬化・縮小させる注射療法(ALTA療法)や手術(結紮切除術)を施行することがあります。

予防/治療後の注意

予防するためには、おしりを冷やさないこと、おしりを清潔に保つこと、食物繊維や善玉菌を増やすことで腸内環境をベストに保ち排便コントロールをすることが大切です。ずっと座ったままだったり、立ったままだったりと同じ姿勢を続けていると痔核が悪化することがあるため、こまめに体操すると良いでしょう。また、お風呂にゆっくりつかると肛門のうっ血が改善します。排便時に強くいきむと肛門のうっ血や出血につながるので注意が必要です。おしりを過剰にゴシゴシこすって洗ったり温水洗浄機能を強く使うと、皮膚にダメージを与えるのでななるべく避けましょう。排便後はトイレットペーパーで優しく拭き取るようにしてください。便秘や下痢は痔核の原因となりますので、便通を整えるため、食物繊維やビフェズス菌などをとると良いでしょう。からいもの・アルコールは控えめにして下さい。水分が不足すると便秘になるため、水分をしっかりとりましょう。ウォーキング・ストレッチは腸の動きをよくする効果があるため積極的に取り入れてください。

こちらの記事の監修医師

医療法人吉幸会 新宿おしりのクリニック

吉田 幸平

〇診療科 :肛門外科・性感染症外科

【経歴】
札幌医科大学卒業後、虎の門病院外科レジデントを経て、札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科、JR札幌病院 外科・こう門外科にて外科治療について学ぶ。
その後、同法人の札幌駅前樽見おしりとおなかのクリニックにて肛門疾患の診断・治療・手術を学んだ後、新宿おしりのクリニック院長として赴任。

【所属学会】
日本大腸肛門病学会 専門医、指導医
日本外科学会 専門医
日本臨床肛門病学会 理事
内痔核治療法研究会 常任世話人
大腸肛門病懇談会 世話人

治療に適した診療科目

肛門科 肛門外科

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