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最終更新日:2022年4月7日

はんせんびょう(らいびょう)ハンセン病(らい病)

こちらの記事の監修医師
いなばクリニック
稲葉岳也

概要

ハンセン病とは、らい菌とよばれる抗酸菌による感染症であり、皮膚症状と末梢神経症状を主な症状とする感染性の疾患です。現代では新興国(途上国)を中心に感染者が存在しており、日本での感染者の報告は年間数名程度です。現代日本人にとっては過去の病気になりつつありますが、世界ではまだまだ多くの患者がハンセン病に苦しんでいます。歴史上ハンセン病は「らい病」などとも呼ばれており、感染者を強制隔離するなどの差別が行われたという背景が存在します。差別による負の感情は現代にも残り続けていることもあり、ハンセン病に対する偏見や人権侵害などの問題がなくなったわけではありません。日本での新規患者は毎年数名であり、日本国内で発症する心配はほとんどないといえます。

原因

ハンセン病の原因は、らい菌と呼ばれる抗酸菌による感染症です。らい菌は結核菌などと同様のグループに属する抗酸菌であり、31℃前後が増殖の至適温度のため、皮膚に生息(感染)しやすいことが知られています。感染経路は飛沫感染であり、らい菌感染者の唾液や飛沫に含まれる細菌によってヒトからヒトへと感染が拡大するといわれています。しかし、らい菌自体の感染力や発症力は弱いため、十分な免疫力を持つ人が感染する心配はほとんどありません。免疫力の低い乳幼児や高齢者などに感染が生じる場合が多いですが、衛生環境や栄養状態が整っている現代日本人が、日本国内で感染することは非常に稀です。また、らい菌に感染したとしても、ハンセン病に伴う症状が現れないことがほとんどだと言われています。

症状

ハンセン病の主な症状は皮膚と神経系に現れます。自覚症状の程度には個人差が大きく、ほとんど自覚症状がないという人もいます。また、たとえ皮膚症状が出現しても一般的に自覚症状は乏しく、痒みや痛みなどは少ない(ほとんどない)場合も多いです。白や赤の波紋状の皮疹やしこりなどが“まだら”に出現するのが特徴的ですが、感染者によって皮疹の現れ方はことなります。末梢神経などの神経系に傷害が起きるのもハンセン病の症状であり、痛みやかゆみなどの感覚を感じなくなります。感染皮膚の毛根や汗腺なども傷害を受けるため、脱毛や発汗できないなどの異常が生じることもあります。皮膚症状とともに、感覚神経や運動神経などの神経に異常が生じるのが、ハンセン病の症状です。

検査・診断

ハンセン病の診断にはらい菌の検出が必要になります。病理検査やPCR検査などを組み合わせて行います。症状や病態を確認するために、触覚や痛覚などを調べる知覚検査、運動神経や感覚神経などの検査を実施する場合もあります。その他血液検査や皮膚病変の検査、必要に応じて全身の画像検査などを組み合わせて実施していきます。

治療

ハンセン病の治療は、WHO(世界保健機関)が定め推奨している抗菌薬治療によって行われます。リファンピシン、サルファ剤(DDS)、クロファジミンと呼ばれる抗菌薬を組み合わせて治療を行います。半年から数年に渡って抗菌薬を内服し続ける必要があるため、副作用などをフォローしながら治療が行える体制づくりも重要です。神経障害や皮膚症状などに対しては対症療法が行われる場合が多く、ステロイドの外用薬などを使用しながら、抗菌薬治療による根本的な治療を行っていきます。

予防/治療後の注意

ハンセン病を予防するためには、じゅうぶんな栄養補給と清潔な衛生環境の構築によって免疫機能を強くしておくことが重要です。そもそもらい菌に感染しないということが大切であるため、基本的な免疫機能を保ち、未然に感染を防止することが重要です。新興国等へ渡航する際には、ハンセン病やその他感染症に関する知識を身に着けておくことも必要です。

こちらの記事の監修医師

いなばクリニック

稲葉岳也

【経歴】
慈恵医大卒
慈恵医大付属病院聖路加国際病院で勤務

医学博士
日本耳鼻咽喉科学界専門医
日本レーザー医学会認定医
日本アレルギー学会専門医

専門:耳鼻咽喉科、皮膚科における疾患、特にアレルギー疾患のレーザー治療

治療に適した診療科目

皮膚科 神経内科

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