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最終更新日:2021年10月2日

せいきへるぺす性器ヘルペス

性器ヘルペス

まとめ

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスに感染し、性器周辺に水ぶくれや赤いぽつぽつ、ただれなどが生じる疾患です。口唇に水ぶくれが出る口唇ヘルペス、目に病変が出る角膜ヘルペスもヘルペスウイルスを原因として発症します。感染経路は性感染があります。性感染は性行為や、その類似行為により、感染者の性器や口腔を通じて、粘膜の分泌液、唾液に含まれたウイルスが体内に侵入します。その他、成人から乳幼児へ唾液をなどを通じ感染する口唇感染、出産時の母子感染があります。再発が非常に多く、完治が難しい疾患で、感染しても無症状の期間が長く、感染者自身が気づかずに他人に感染させやすく、世界的に感染が広がっています。

この病気の原因

性器ヘルペスの原因は単純ヘルペスウイルスであるHSV1型と2型です。水ぼうそうや帯状疱疹、突発性発疹の原因もヘルペスウイルスですが、性器ヘルペスとはタイプが異なるウイルスであり、性器病変は起こりません。単純ヘルペスウイルスは、これまで1型が口や手指、2型が性器などに病変を起こすとされていましたが、この区分は厳密ではなく、どちらの型も性器や口唇に病変を起こすとされています。性器ヘルペスに再発が多い理由は、ヘルペスウイルスが性器や口唇の粘膜や皮膚から感染して体内で増殖し、神経を伝わり体の奥深くの神経節に侵入し潜伏するためです。通常時はウイルスの活動は活発ではありませんが、疲労や疾患などで免疫力が落ちると、活動を始め、病変や不快な症状がみられます。

主な症状

ウイルスに感染しても、すぐに症状が出ないこともありますが、性的接触から2日~10日後に、男性では陰茎の亀頭、冠状溝、包皮などに、女性では外陰部や子宮頸部などにかゆみや違和感を伴う直径1~2ミリの水ぶくれや赤いぽつぽつができ、痛み、発熱、リンパ節の腫れなどが現われます。数日後、水ぶくれが破れ潰瘍ができると激しい痛みがあり、女性は排尿や歩行にも影響がみられます。感染直後は未症状で経過し、数ヵ月後、数年後に発症する場合は比較的軽症です。また、性器ヘルペスは再発が多く、再発時の症状は初発時より軽症であることが多いですが、何度も不快な思いを繰り返し、非常に大きいストレスを感じる疾患です。

検査/診断の方法

視診により、性器周辺に水ぶくれや赤いぽつぽつ、ただれなどが出ていれば性器ヘルペスを疑います。初発症状では、病変はわかりやすく、数個から数十個で広範囲に及ぶことがありますが、再発では一般的に病変の大きさや、数が少なく、ピンホール程度の大きさのこともあります。専門医であれば、患部の観察のみでおおよその診断が可能です。類似した病変がみられる他疾患もあるため、単純ヘルペスウイルスの検査を行い、鑑別診断を行います。患部の分泌液によるウイルス抗原の迅速診断検査を行うことがが多いですが、、他にもウイルスの抗原、抗体、遺伝子などを調べるさまざまな検査があり、患者の状態や治療目的により検査を行います。

主な治療方法

性器ヘルペスの治療は、抗ヘルペスウイルス薬による薬物治療が中心です。日本では3成分が認可され、一般的には内服治療ですが、症状が強い場合は、注射薬にて治療することがあります。1~2週間の治療で軽快します。再発の場合も抗ヘルペスウイルス薬を服用します。再発で軽症のときは、抗ヘルペスウイルス薬の軟こうを塗布することがあります。短期間の治療で症状は治まっても、再発予防はできません。頻繁に再発し、症状が重い患者には抗ヘルペスウイルス薬を1年間継続する再発抑制療法を行います。1年間の継続でも再発するときは、さらに服用を継続します。継続治療によって再発抑制効果がみられています。口唇ヘルペス・性器ヘルペスが再発する人には、患者の判断で治療を開始できる、PIT療法(Patient Initiated Therapy)が行われます。症状が出現すると、すぐに薬を12時間ごとに2回、1日のみ服用して治療は完結します。この治療では、再発に備えあらかじめ薬を処方してもらうことが大切です。

治療後に注意すべき点/予防対策

性器に病変のあるパートナーとの性行為を避け、コンドームを使用することで、感染率は下がりますが、無症状のウイルス保有者で、接触範囲が性器以外に広がれば予防は困難です。また、性器ヘルペスを発症して病変がある場合、エイズウイルスのHIVにも感染しやすいとされます。症状に気づいたら放置せず、受診して治療を受けましょう。また、妊婦が分娩時に性器ヘルペスを発症していると母子感染し、重篤な新生児ヘルペスの発症リスクが高まります。妊娠中は十分感染に注意して生活しましょう。

治療に適した診療科目

産婦人科 皮膚科 泌尿器科

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