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最終更新日:2022年2月22日

あざあざ

こちらの記事の監修医師
クリスタル医科歯科クリニック
中島 由美

概要

あざとは、皮膚の一部が変色することにより、周りの皮膚色と違う色になる現象です。色により呼び方が変わり、赤あざ・青あざ・茶あざ・黒あざとも言います。あざの種類は沢山あり、ほとんどは生命を脅かすものではありません。体の外部から加えられた力により、皮膚内部の出血が原因でできるものや造血機能の異常により起こる病気があります。また、血管の異常や先天的異常で色素が増植して起こるあざ、血管の増殖拡張により皮膚にできるものや胎生期に皮膚形成過程でできる母斑などがあります。

原因

皮膚は外側から表皮・真皮・皮下組織と3つの構造で作られており、表皮にはメラニンの色素を作る「メラサイト」というものがあります。通常は表皮に存在しているものですが、まれに真皮に存在することもあり、そこでメラニンが作られ色が変色し「あざ」として現れます。メラニン色素ができる皮膚の場所により、色も異なってきます。真皮の深い場所にできれば青っぽい色、浅ければ茶色っぽくなります。色の濃さも、メラニン色素の量が多ければ濃くなり、少量の場合薄くなります。一方メラニンではなく、打撲や打身など血管が関係していることもあります。皮膚に流れる血管が異常に増殖したり、奇形を起こすことで皮膚が変色する「血管腫」があります。

症状

ぶつけた時や転んだ時の内出血(血管の損傷により、体内にとどまって出血している状態)により起こるあざは、時間の経過によりだんだんと薄くなり消えていってしまいます。しかし、奥深いところでの損傷によるあざ、加齢・糖尿病などの持病を持つ合併症の場合は、消えにくくなることもあります。 ほとんどの場合、痛みなどはなく、美容的にも将来的にも、放置しておいて問題はありません。赤あざの中で、イチゴ状血管腫(赤あざの一種で、見た目が赤くいちごのように見えるのでそのように呼ばれている。未熟な毛細血管が増えることにより現れる良性の腫瘍)は、自然と消えていく場合が多いです。しかし、顔など目立つ部分にできた場合、内服薬を早期に服用することで、合併症の予防につながります。黒あざだと思っていても、実は悪性黒色種(メラノーマ)の可能性もあり、足の裏・手掌などにできたシミが濃くなっていく、手足の爪にある黒褐色の縦筋がだんだんと広がっていく、または出血が伴うなどの場合は、細心の注意が必要です。それに加え、赤あざだと思っていても出血が伴ったりする場合も同様、赤い皮膚ガンの恐れがあるため、早期受診が必要となります。

検査・診断

一般的なあざで検査や診察を受けることは少ないでしょう。しかし、血管の異常やその他の病気の症状の場合は、検査や診察が必要になります。目視やダーモスコープといった拡大鏡を使い、表面から診ていきます。ここで大きなあざや複数箇所のあざ、出血が見受けられた場合、CT検査、MRI検査、PET-CT検査といった撮影をして身体の内部を診ていく検査をします。場合によっては、血液検査も行います。ここでは、癌やその他の血管や血液の異常を診ていくことになります。

治療

あざの原因にアプローチしてくれる光を照射するレーザー治療が主に行われます。まず赤あざには、赤色に反応するVビームといったレーザー治療を行います。場合によっては切除や薬の内服などがあります。青あざや茶あざは、Qスイッチレーザーといったレーザー治療を行います。メラニン色素に照射できるものです。茶あざに限っては、保険適用範囲の治療であるルビーレーザー治療が行えます。黒あざは、切除手術するのが一般的です。小さいものに関しては、ラジオ波メスを用いて切除していきます。その他の血管、血液の異常によるあざの場合は、その疾患の治療へ移行していきます。

予防/治療後の注意

物にぶつけてできるあざの場合、すぐに患部を冷やしましょう。あざを予防するだけでなく、腫れや炎症を抑える効果が期待できます。また、肌の乾燥を避けることが予防になります。乾燥した肌は、外からの刺激や衝撃に弱く、あざになりやすいです。レーザー治療は、あざの色に反応して薄くするなどの効果はありますが、レーザー照射の回数を重ねることで、癌を作ってしまう、照射部位の皮膚が白くなってしまうことがあるので注意が必要です。万が一、照射部位に癌痕があった場合は、癌痕までは取り除けません。レーザー照射した治療後には、照射部位に直射日光をあてる、強くこするなどは避けてください。軽いやけど状態に近いため、炎症の原因となってしまいます。

こちらの記事の監修医師

クリスタル医科歯科クリニック

中島 由美

《経歴》
・ニューヨーク州バッファロー市生まれ
・金沢医科大学 医学部 卒
・金沢医科大学病院にて小児科・内科研修
・大阪・神戸・東京・福岡の病院で内科と皮膚科を担当
・2018年8月クリスタル医科歯科クリニック内に
内科、美容皮膚科、アレルギー科を開設

《資格》
資格
・日本内科学会 認定内科医
・日本医師会 認定産業医
・抗加齢医学会 専門医

治療に適した診療科目

皮膚科

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