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「胃カメラが怖い」「病院が苦手」…患者さんの不安に寄り添う消化器内科を山科駅前で開業した理由とは? 前編

最終更新日:2023年7月18日

岡田雄介の独自インタビュー取材記事

岡田 雄介(おかだ ゆうすけ)山科駅前おかだクリニック院長
京都出身。金沢大学医学部卒業後、京都第二赤十字病院で研修。消化器内科を専門とした理由は「機械が好き」で「手術などの技術を磨くことに魅力を感じた」ため。そのまま同病院に勤務し、消化管腫瘍に対する内視鏡治療を中心に、臨床経験を積んだ。2023年5月、治療に通いやすい消化器内科を作ろうと、3路線が乗り入れる山科駅前に開業した。

消化器内科といえば、胃カメラなどの内視鏡を駆使した治療や検査が連想されます。しかし、検査しても異常が見つからない「機能性消化管疾患」もあれば、元々の体質から症状が発生していることも。原因を探るには、患者さんの話をていねいに聞き取ることが大切だと語る、山科駅前おかだクリニックの岡田雄介先生は、自分自身もかつては病院が大の苦手だったそうです。患者さんの苦手意識に寄り添いながら診療にあたる日々について伺いました。

不調の原因を探るにはまず「話術」。特に初回の問診はていねいに

消化器内科では、どのようにして病気の原因を探っていくのですか?

検査もしますが、まずは問診です。自覚がないだけで、実際には体にストレス負荷がかかっていて、それが胃や腸の機能に悪影響になっていることはよくあります。

問診のコツなどはありますか?

患者さんが「ストレスなんてない」とおっしゃっていても、「環境の変化がありましたか?」と聞いてみると、実は転職したばかりだとか、家族が亡くなったとか、聞き方を変えると出てくることがあります。ですから、とくに最初のお話はていねいに、しっかりと聞くようにしています。

消化器の不調の原因は、ストレスが多いのですか?

それは様々ですね。元々の体質が原因のこともあります。慢性の下痢はストレスによる過敏性腸症候群だと言って片付けられることが多いのですが、他にもいろいろな原因があります。検査も大切ではありますが、しっかり問診でお話しを聞くことによって、検査なしでもある程度原因が分かってくることも多いです。

内視鏡検査をしても、異常が見つからないこともあるのですか?

機能性消化管疾患といって、内視鏡などの検査で全く異常がなくても、腸の動きや胃酸の関係で痛みが出るとか、下痢が出るとか、そういう疾患は消化器では多くあります。

検査で異常がない場合、どのような治療をするのですか?

症状や原因によって様々ですので一概に言えませんが、検査で異常がない場合は問診や身体所見が重要になりますので、そこから原因を推測して治療薬を探っていくという感じです。
薬を出すだけでなく、食事内容や、運動、マッサージなどの指導をすることもあります。

病院嫌いな少年が消化器内科医になるまで

[岡田先生撮影:長野県 八ヶ岳(赤岳)。休日は登山仲間と出かけるのが楽しみだという岡田先生。「開業してから忙しくて、なかなか行けないのが悩みです」と話してくださいました。]

好きなこと、趣味はなんですか?

ロードバイク、登山、カメラなどが趣味です。カメラは、京都らしくお寺なども撮りますが、山など自然を撮ることが多いです。病院で使う胃カメラや大腸カメラなどとは、もちろん全く違うものですが、「趣味でもカメラ、仕事でもカメラ」ですね。 先日は病院のプロモーション映像を自分で撮影しました。病院のHPも自分で作ったものです。子どもの頃からの「機械好き」、「ガジェット好き」は、仕事にも活かせていると思います。

多趣味なのですね。では、なぜ医師を目指したのですか?

高校生の頃、進路に悩んでいた時に、父からアドバイスを受けて目指し始めました。父は機械設計業を営んでいて、私もPCなど機械が好きだったので、工学部に進学する道もあったのですが、「人と接することも好きなら、医師がいいのではないか」と。

医師の仕事への憧れはありましたか?

実はそうではなくて、子どもの頃は病院が大の苦手でした。採血や苦痛を伴う処置で気を失ったこともあります。病院に苦手意識を持ってしまう方の気持ちは、今でもとてもよく分かります。

子どもの頃のことを思うと、医師になったのは意外かもしれません。もちろん今は克服しています。点滴も刺す方は得意なくらいですよ。

ただ、胃カメラや大腸カメラは苦手意識を持たれることも多い検査ですから、そういった患者さんの気持ちが分かることで、寄り添ってあげられることもあると思っています。

消化器内科を専門に選んだのはなぜですか?

内視鏡は通常の検査だけではなく、腫瘍を切除したり、胆管や膵管に処置をしたり、お腹を切らずに様々なことができ、その技術を磨いていけることに魅力を感じました。

消化器内科は、やや外科よりの内科だと思っていて、内視鏡を使った手術などもしますし、問診で患者さんの話を聞き取って、服薬で治るものは投薬するといったこともします。人と接するのも好きだったので、外科・内科両方の要素がある消化器内科を選びました。

毎日患者さんに接し、治療をして感謝されることは、やり甲斐も大きいですし、この道を選んで良かったなと思っています。

ある患者さんのために始めたオンライン診療

[低くおだやかな声の持ち主の岡田先生。話し方も優しく落ち着いていて、安心して話せる雰囲気の先生です。]

遠方の患者さんで、10年ほど私のもとに通ってくださっている方がいて、実はオンライン診療はその方のために始めたという経緯があります。コロナ禍以降はご家族が心配して遠出を控えるようになったので、ずっと電話診療をしていました。

開業してオンライン診療ができるようになったので、ようやくお顔を見てお話しできるようになりました。同じお薬を出すだけのようであっても、やはりお互いの顔が見えると、より様子が分かって安心しますね。

仮想待合室型オンライン診療の機能で、便利だと感じているものはありますか?

検索範囲を30km以内に絞ることができるところです。オンライン診療でお話しを聞いてみて、必要であれば「一度お越しください」と言えますから。患者さんにとって、受診のきっかけが広がると思います。

オンライン診療でも消化器内科の治療を受けられますか?

長年の患者さんでなくても、直近の検査で異常がないことなどが分かっていれば、問診である程度病気の可能性を絞り込むこともできます。対面診療との適切な併用は役に立つと思います。

理想は気軽に来てもらえるクリニック

[明るい雰囲気の待合室には、コンセントのあるカウンター席があり、作業しながら待つこともできます]

私自身も、かつては病院が苦手でした。

採血で具合が悪くなる、病院がなんとなく怖い、ストレスでお腹の調子が悪くなってしまう……どれも私にも経験があることです。山科駅前おかだクリニックは、そのような病院への苦手意識を持っている方にも、少しでも身近に感じていただいて、気軽に来ていただけるようにしていきたいと思っています。

慢性の便秘や下痢のような、機能性の疾患で何十年も悩んでいる方なども、諦めないでぜひ一度ご相談ください。ご自身では見つけられていない原因が、どこかにある可能性もあります。検査だけではなく、よくお話しを伺って原因を探し、治療します。どうぞお気軽にお越しください。

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後編は先生の「技術」について。負担の少ない内視鏡検査や、そのためにこだわった病院の立地、設備のことなどを伺っていきます。

後編はこちら