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最終更新日:2022年4月27日

「乳頭の陥没」放置して引き起こされる“炎症”から、“片側15分程度”の手術方法まで解説

こちらの記事の監修医師
ブレストサージャリークリニック
岩平 佳子

※画像はイメージです/PIXTA

乳頭が引っ込んでいて出てこないこと(=陥没乳頭)に長年悩んでいる方が多くいらっしゃいます。その理由と治療法、「放置してはいけない理由」について専門医がわかりやすく解説していきます。

陥没乳頭とは?

生まれつき乳首(乳頭)が引っ込んでいて出てこないことがあります。これを陥没乳頭と言います。

乳頭には乳腺からお乳を出す乳管という管が通っています。この管が何故か乳腺側にくっついていたり、もともと極端に短かったりするのが陥没乳頭の原因です。思春期に乳房が大きくなってきて、押し出されるように乳頭が出てくることもありますが、出てこない場合は陥没乳頭と診断されます。

そのままにしておくと、乳腺炎や乳輪下膿瘍を引き起こす可能性

「見かけが人と違うのが気になって、温泉や修学旅行にも行けなかった」「彼に指摘されて悲しかった」という見た目の問題もさることながら、生理で胸が張ってきた時に痛みが生じる、乳腺からの分泌物がうまく出せず中に膿が溜まってしまう、ということもあります。

そのたびに針を刺したり抗生物質を飲んだりすれば症状は一時的には治まるのですが、そのような治療を繰り返しているうちに、乳輪の下に膿を溜める袋ができてしまう場合があります。これを乳輪下膿瘍と言います。

これは、袋ごと切除しないと治らないので、傷も乳頭を超えて乳輪まで大きく切る必要が出てきます。陥没乳頭はこの乳輪下膿瘍の原因にもなるのです。

授乳できない場合は保険適用になるが… 

授乳しようとしても、乳頭が出てこないために赤ちゃんがうまく吸えずお乳が中に溜まって胸が異常に張ったり、乳腺炎になったりもします。

炎症が起きると抗生物質を服用すれば早く治るのですが、母乳をあげている間はなかなか抗生物質が飲めないので、ただただ患部を冷やすだけになってしまい、結果として治りにくく痛い思いをします。

そういうことが起きて初めて保険適用になるのですが、炎症が起きている場合は炎症を撒き散らしてしまうため手術ができません。

「見かけを治したいから自費」のようですが、将来的に機能的な問題が発生する可能性も高いです。下記の診断基準に当てはまるなら、自費であっても妊娠、出産や症状が出る前に治したほうがいいかもしれません。

陥没乳頭の診断基準

陥没乳頭には、4段階のレベルがあります。

レベル1:さわれば出るケース

レベル2:引っ張ったり、吸引したりすれば出てくるが、すぐに戻ってしまうケース 

レベル3:吸引しても全く出てこないケース

レベル4:乳管が異常に短い、もしくは存在しないケース(極めて少ないですが、このケースでは、形態を治すために腱を移植することもあります)

レベル1の場合は吸引器を使って吸引を繰り返すことで手術せずに治ることもあります。

レベル2と3は手術できれいに治ることがほとんどです。

手術は片側15分程度」傷はほとんどわからず、術後の授乳も可能

手術は局所麻酔で片側15分程度です。乳頭を真っ二つに割って、20本ほどある乳管を周囲からしっかり剥がし、くっついてしまっているもの、極端に短いものを見極めて数本切り、あとは4方向から糸で引っ張ります。

再陥没を防ぐために、乳頭の基部に細工をすることもあります。

その後牽引した糸を専用のギプスで固定。1週間ほど経過すればギプスを取ってシャワーを浴びることもできます。洋服を着てしまえば外からは手術をしたことは全くわかりません。

痛みを感じるのは、麻酔の注射をする10秒程度だけです。抜糸したあとは吸引を続けてくせをつけていきます。もちろん手術後は、授乳も可能です。

「ずっとコンプレックスだった」…手術を希望する中高齢者も増えている

最近は若い方もさることながら、温泉やお孫さんとのお風呂を楽しみたいと中高年齢層で手術を希望する方が増えています。

授乳はちゃんとできなかったけれど、それはもう昔のこと。今は「友達と温泉に行くから」「ゴルフ場で入浴する時にかっこ悪いから」と、経済的にも時間的にも余裕ができた方が手術を希望され、長年の悩みが解決されたと喜んでいらっしゃいます。

しかし、専門ではないところで一度手術してしまうと、目立つ傷が残ったあげく結局また陥没してしまった、なんてことも少なくありません。

そうなるとより乳管が癒着して直しにくくなってしまいますので、病院選びは慎重に行ってください。まずは専門医に相談してみることをおすすめします。

 

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こちらの記事の監修医師

ブレストサージャリークリニック

岩平 佳子

略歴:
1984年 東邦大学医学部卒業
1984年 東邦大学医学部付属大森病院第2外科にて研修
1986年 慶應義塾大学医学部形成外科学教室研究生
1987年 東邦大学医学部形成外科学講座助手
1989年 東邦大学医学部形成外科学講座講師
1993年 マイアミ大学形成外科、エモリー大学形成外科留学
1996年 東邦大学医学部形成外科学講座助教授
2003年 ブレスト サージャリー クリニック開設
現在に至る

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