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最終更新日:2021年8月24日

疥癬の症状を解説|疥癬の原因と発症の流れは?疥癬の検査と治療の流れや診断された際の注意点もご紹介 

こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓

「疥癬」は人から人へ感染する皮膚の病気で、肌に激しいかゆみが生じる感染症です。

今回は疥癬の原因や症状、そして治療の流れについて紹介します。

疥癬の様々な症状

疥癬はヒゼンダニが人の皮膚に寄生することによって発疹などのアレルギー反応が起きる感染症です。

疥癬の症状には2つのパターンが存在します。

通常型疥癬なのか、角化型疥癬なのかによって症状や原因が異なってきますので、以下項目で詳しく確認してみましょう。

通常疥癬の症状

疥癬のなかでも、一般的に見られる疥癬のことを通常疥癬といいます。

通常疥癬は、寄生しているヒゼンダニが数10匹以下である疥癬です。

主な症状として、赤い丘疹や皮疹(疥癬トンネル)・肌のかゆみ・小豆の大きさほどのしこりがみられ、同時に強いかゆみが伴います。

症状は夜に強まりやすく、かゆみで眠ることができずに不眠を訴える人もいるほどです。

通常疥癬は、疥癬や疥癬トンネルが特徴的な症状です。

疥癬トンネルといっても、実際のトンネルのような形状ではありません。

線状に茶色く盛り上がりながら曲がりくねっている症状がみられます。

角化型疥癬の症状

角化型疥癬はノルウェー疥癬とも呼ばれています。

通常疥癬に比べて寄生しているヒゼンダニが圧倒的に多く、その数は100~200万匹に達するほどです。

そのため、角化型疥癬の方が重症の疥癬だといわれています。

角化型疥癬では全身に角質増殖がみられ、爪にまで症状が現れるという点が特徴です。

角化型疥癬の症状は、幹部が腫れて厚くなり、灰色や帯黄白色をした角質が増殖します。

また、痂皮と呼ばれるかさぶたが患部に現れ、さらに亀裂が入るほど悪化する場合もあるので注意が必要です。

なお、かゆみの度合いや強弱の変化は個人差が大きく、かゆみをまったく感じない人もいます。

疥癬の初期症状

疥癬の初期症状としては疥癬トンネルがみられます。

しかし初期症状の段階では、疥癬の症状であるのか、湿疹などの他の症状なのかを判断することが容易ではありません。

そのため、自己判断での治療はしないようにしましょう。

皮膚に湿疹と思われるような症状やしこりが現れたり、夜になるとかゆみが強くなったりするようであれば皮膚科を受診してください。

発症部位と症状の特徴

通常疥癬の場合は手首・手指・アキレス腱などに疥癬の丘疹が現れやすいのが特徴です。

なかには丘疹の他にもしこりや痂皮、小水疱がみられることもあります。

特に下腹部や背部には硬い丘疹が、陰嚢部にはしこりが多くみられるとされています。

そして角化型疥癬の場合は、全身に角質増殖が現れます。

通常型疥癬よりも症状の現れる部位が広く、症状が重くなる点が角化型疥癬の特徴です。

疥癬の感染力

疥癬の感染力は通常型疥癬か角化型疥癬かで異なります。

また、角化型疥癬の場合は症状も重く感染力も高まるため、感染予防に気を付けなければなりません。

以下の項目では、疥癬の感染力について詳しく紹介します。

病型で感染力と感染の仕方が異なる

一般的に通常疥癬は感染力が弱いとされています。

一方で角化型疥癬は通常疥癬よりもヒゼンダニの数が多いため、感染力が強いといえるでしょう。

通常疥癬は長時間に渡って肌と肌が触れ合うようなことがなければ感染はしません。

しかし角化型疥癬は少しの時間であっても感染する可能性があります。

また肌に直接接触しなくても感染するのが大きな相違点です。

角化型疥癬の症状が出ている人が着ていた衣服や寝具などに触るときは、感染のリスクがあります。

ソファーなどの共有物に関しても同様です。消毒を念入りに行ってから使用するくらいの対策が必要です。

疥癬の病原体であるヒゼンダニは生命力が非常に強く、湿度90%で25℃の過酷な状況でも3日間も生き残るという研究結果が出ています。

そのため感染を防ぐためには、簡単な洗濯だけでは不十分です。

例えば、角化疥癬の症状が現れている人が寝ていた寝具を例に挙げてみましょう。

寝具は長時間使用するものなので、ヒゼンダニが体から移動している可能性が高いです。この場合、ヒゼンダニを死滅させるには10分以上、50℃以上のお湯に寝具を浸しておかなくてはいけません。

上記以外にも大型乾燥機を20~30分使用することで、ヒゼンダニを死滅させることが可能だとされています。

いずれにしてもヒゼンダニがいない状態を作らなければ、どんどん感染者が増えてしまうため、細心の注意を払いましょう。

集団感染が起こりやすい

疥癬は、集団感染が起こりやすい病気です。国立感染症研究所においてもこの危険性が把握されています。

特に角化型疥癬は感染力が高いことから、施設での集団感染を起こしやすい病気の1つです。

老人ホームや介護施設などで誰か1人でも感染すると、芋ずる式に感染拡大する可能性があります。

疥癬は感染してから完治するまでに時間がかかることもあり、集団施設において感染が判明したら一定期間感染者の隔離が必要です。

感染期間は1か月~6カ月が主流ですが、人によっては2年以上経過しても完治しない場合があります。

疥癬の疑いが少しでもある場合は集団行動を避け、医師の診察を受けてください。

疥癬の原因と発症の流れ

疥癬を発症する原因や症状が現れるまでの流れを解説します。

疥癬には症状が現れやすい人とそうでない人がいるのが特徴です。

感染経路

疥癬の感染経路で一般的なのは肌と肌の接触です。

通常疥癬の場合、基本的には長時間一緒に寝るといったことがなければ感染しません。

角化型疥癬に感染した人がいる場合は短時間の接触でも感染する恐れがあります。

また感染者の肌に触れていた物からの感染もあるのです。

直接・間接の差はありますが、疥癬の感染経路は「接触感染」だといえます。

潜伏期間

疥癬は感染後の潜伏期間が長いのも特徴の1つです。

感染してすぐに疥癬の症状が出るわけではなく、潜伏期間は1~2ヵ月もあるといわれています。

1~2ヵ月もの間、感染者は自覚症状がないまま生活を送り、無意識に多くのヒゼンダニを周囲に拡散している可能性があるのです。

角化疥癬の場合はヒゼンダニの数がとても多いので、潜伏期間が4~5日という短期間での発症もみられます。

角化型疥癬に感染した人から感染すると、必ず角化型疥癬を患うというわけではありません。

角化型疥癬の症状が現れている人から感染をしても、まずは通常疥癬を発症するのが一般的です。

疥癬の症状が現れやすい人

疥癬の症状が現れやすい人としては、高齢者が挙げられます。

高齢者は免疫力が弱くなっているため、若い人に比べて疥癬の症状が現れやすいのが特徴です。

高齢者で且つ集団行動を日常としている人が最も感染リスクが高いといえるでしょう。

特に、介護老人ホームや特別養護老人ホームで暮らしている高齢者は周囲に免疫低下者が多く、常に集団生活をしているため注意が必要です。

ソファーや椅子、洗濯物や共有のタオルなどで感染する確率も高いと考えられます。

疥癬の検査・治療

疥癬かどうかを診断するために、人の皮膚の角質層という部分にヒゼンダニの虫体や虫卵がいるかどうかを調べます。

疥癬の症状が出ている部位の皮膚をピンセットで剥がし、顕微鏡によって念入りに確認をしたうえで診断する方法です。

治療法としては、内服薬の服用と塗り薬の塗布があります。

一般的な治療薬としては、イベルメクチンという内服薬やフェノトリンという塗り薬が処方されることが多いでしょう。

疥癬と診断された際の注意

病院で検査を受けた結果、疥癬であると診断されたとします。

この場合、まずはどのようなことに気を付ければよいのでしょうか。

通常疥癬と角化型疥癬ではポイントが異なるため、注意点の違いを理解しておきましょう。

通常疥癬の場合

通常疥癬と診断されても、家族まで感染しているとは限りません。

家族と同室で寝ている場合、ベッドが別々で寝具が異なっていれば、必ずしも家族が治療を受ける必要はないでしょう。

通常疥癬の症状が現れている人は、他の家族と同じタオルを使わず、洗濯物も分けて洗うといった対処は必ず行うようにしてください。

また症状が重い角化型疥癬ではなくとも、寝具を熱湯消毒したり乾燥機で熱を当てたりすると感染防止につながります。

家族と同じ寝具で寝ていた場合は、家族も治療を受ける必要があるかもしれません。

症状が見られたら速やかに医師の診察を受けるようにしましょう。

角化型疥癬の場合

角化型疥癬と診断された場合は、家族や周囲の人に感染している可能性が高いです。

角化型疥癬は非常に感染力が強いため、角化型疥癬の感染者は家族と部屋を別にして生活する必要があります。

感染期間中は使い捨てのガウンや手袋、キャップを着用して清潔な状態を保ちましょう。

角化型疥癬の症状が現れている人が歩いていた場所、座った場所、使っていた物にはヒゼンダニが生息している可能性があります。

ピレスロイド系の殺虫剤を使ってヒゼンダニを駆除した後、念入りに掃除機をかけて取り去るようにしましょう。

また家族に症状が現れていなくても、治療を受ける必要があります。

症状が現れていなくても、ヒゼンダニが体内に潜伏している可能性は十分にあるからです。

角化型疥癬の症状が現れている人とその家族は、医師の診断に沿って適切な処置をしてください。

疥癬の予防法

疥癬の予防も、基本的には診断を受けた後の行動と同じです。

疥癬に感染する前から、ヒゼンダニが生息しにくい状況を作っておくことが重要といえます。

日頃からできることとしては、手洗い・布団の消毒・シーツや寝具は別々に洗って殺虫剤を噴射するといった対策を実行することです。

もし殺虫剤の噴射に抵抗があるようなら、10分以上の煮沸消毒や大型乾燥機を20~30分使用するといった方法をとるといいでしょう。

疥癬はしっかり治療と対処を行えば終息する

疥癬の潜伏期間は1~2ヵ月と長期間におよび、感染経路が分からないこともあります。

そのため疥癬とは分からずに過ごしてしまい、身近な人に感染させてしまう可能性も高いです。

とはいえ疥癬は正しい治療を受け、さらなる感染予防などの適切な対処をすれば必ず終息する病気でもあります。

通常疥癬なのか角化型疥癬なのかによって治療法や対処法は異なりますが、医師の指示通りに対応しましょう。

まとめ

疥癬は感染病なので、同じ布団で寝ている家族が発症すると家族全員が感染しているケースもあります。

また免疫力が低下している高齢者が集団で暮らす介護老人ホーム、特別養護老人ホームでは、特に集団感染が発生する可能性が高いです。

とはいえ、疥癬はしっかりと予防をしていれば発症する病気ではありません。

必要以上に怖れず、生活の中でしっかりと予防していきましょう。

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こちらの記事の監修医師

すずきこどもクリニック

鈴木幹啓

〇病院名 :すずきこどもクリニック
〇医師  :鈴木幹啓
〇アクセス:和歌山県新宮市下田2丁目3−2
〇診療科 :小児科
〇経歴:株式会社オンラインドクター.com代表取締役CEO
1975年三重県伊勢市生まれ
1995年自治医科大学入学(県からの奨学金制度)
2001年自治医科大学卒業

日本小児科学会認定小児科専門医
国家資格ケアマネジャー

三重県立総合医療センター、国立病院機構三重中央医療センター、国立病院機構三重病院、伊勢赤十字病院、紀南病院
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
【製薬会社社外講師・CM出演等】
グラクソスミスクライン社、JCRファーマ社、杏林製薬、明治製菓ファーマ、鳥居薬品

【メディア出演・TV監修】
日本テレビ、読売テレビ、東京MX、テレビ朝日(医療監修)「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」

【著書】
日本一忙しい小児科医が教える病気にならない子育て術(双葉社)
開業医を救うオンライン診療(幻冬舎)

2020 年 10 月株式会社オンラインドクター.com を設立。

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