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最終更新日:2021年8月24日

胃潰瘍の症状を解説|入院や手術が必要な場合は?胃潰瘍の様々な原因や検査・治療の流れもご紹介します

こちらの記事の監修医師
医療法人いそわクリニック
磯和剛平

食後にみぞおちの辺りが痛んだり胸焼けのような症状がずっと続いていたりする場合、放置しておくべきではありません。

こうした不快感が1週間ほど続いている時は胃潰瘍の可能性があります。できるだけ早く消化器科を受診しましょう。

今回は胃潰瘍の症状や入院・手術が必要なケース、検査や治療の流れまで幅広く解説します。

胃潰瘍の症状

胃潰瘍が疑われるときの主な自覚症状にはどのようなものがあるかを解説します。

自分の症状に当てはまるものがないか、チェックリストと照らし合わせて確認してみましょう。

主な症状

胃潰瘍には主に3つの症状があります。痛み・胸焼け・出血です。

胃潰瘍による痛みは食事の後しばらくしてから胃痛が起こり、それに合せて背中の痛みが出ます。

軽い食事を取ると痛みが軽くなるのが大きな特徴といえるでしょう。

また潰瘍の状態が悪い場合は食事や空腹などとは関係なく常に胃が痛い状態が続きます。

胃潰瘍による胸焼けは酸っぱいゲップや胃のむかつき・不快感を伴い、時に吐き気をもよおすこともあります。

胃潰瘍による出血は黒っぽいことが特徴で、嘔吐物の中に黒っぽい血が混じっていることも少なくありません。

また黒くてドロドロした便が出る場合は胃が出血を起こしている可能性が高くなります。

自覚症状で最も多いのはみぞおちの痛み

自覚症状で最も訴えが多いのは、食後にみぞおちから左側の方にかけて出る鈍い痛みです。

中には食事中にこうした症状が現れる方もいます。

食事を食べすぎてしまった時などは痛みが長時間にわたって続くこともあるので気を付けましょう。

現れる痛みの症状には個人差があり、シクシクと鈍い痛みが続くこともあれば胃が焼けるような激痛に襲われることもあります。

胃潰瘍の症状チェックリスト

下記の症状で当てはまるものがあれば要注意です。

・胃の痛みがある。

・胃の周辺が重たい感じがする。

・胸やけをする。

・ゲップが多い。

・立ち眩みなど貧血の症状がある。

・黒っぽい血を吐くまたは、黒いドロドロした便が出ている。

・体重が減少してきている。

特に貧血の症状や吐血・血便・体重減少といった症状が見られる場合はすぐに消化器内科を受診してください。

入院や手術が必要な場合

潰瘍が進行して出血性胃潰瘍になってしまい、出血がひどく見られる場合は要注意です。

内視鏡を用いた止血の処置を行い、経過観察のために入院しなければなりません。

また胃穿孔になった場合は開腹手術が必要となります。

潰瘍が大きいときや腹痛が激しい場合、貧血の症状がひどいときも入院が必要となる可能性があります。

胃潰瘍の様々な原因

胃潰瘍の原因は胃の粘膜を傷付けてしまうことです。

胃には粘膜があり、普段はその粘膜が胃の壁を保護しており胃酸が胃の壁を攻撃することはありません。

しかし胃の中の環境に問題が生じたり食べ物が直接的な原因になったりして、胃の粘膜が傷付くことがあります。

すると胃酸が胃の壁を攻撃して潰瘍ができてしまうのです。

自分自身の生活の中で、胃粘膜を傷付ける原因がないか確認してみましょう。

ピロリ菌の感染

ピロリ菌は幼少期に不衛生な水や食べ物を摂取して感染することが広く知られています。

幼少期は免疫力が弱い上に胃酸の濃度が薄く、分泌量も少ないことから胃の中がピロリ菌にとって快適な環境になっているのです。

ピロリ菌は常に胃を攻撃していますが、健康な胃には修復機能が備わっているので多少の攻撃では粘膜が損なわれることはありません。

衛生環境の整った現代でピロリ菌の有力な感染経路になるのが親子感染です。

大人が使ったスプーンで乳幼児に離乳食を与えるなどの経口感染が主な原因となっています。

ストレス

現代社会は様々な理由からストレスを受けやすい環境です。

日常生活の不安・仕事上の心配事・人間関係のトラブルなど、誰もが多かれ少なかれ何らかのストレスを感じながら生きています。

それらのストレスがあまりにも強いと自律神経のバランスが崩れ、胃の活動が鈍くなってしまいかねません。

ストレスによって自律神経が乱れると胃に送られる血流量が減ってしまいます。

その結果、胃酸の分泌量が増えたり逆に胃粘液が減ったりして、胃の粘膜がダメージを受けることになります。

薬の副作用

胃潰瘍の原因となる薬の代表的なものに痛み止めがあります。

「アセトアミノフェン」を使用している痛み止めは問題ありません。

問題になるのは「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)」という成分です。

例えばロキソニン・イブ・ボルタレン・アスピリンなどの薬にはこの成分が含まれているので注意してください。

病院で処方される薬も胃潰瘍の原因となる場合があります。

セレコックス・ハイペン・バイアスピリンといった薬の副作用により胃潰瘍が引き起こされる場合があるのです。

医師の説明をしっかりと聞き、副作用についても十分に把握しておくことが重要だといえるでしょう。

喫煙・胃に負担のある飲食物

喫煙は胃の粘膜の血行を低下させ、代わりに胃酸の分泌を促進します。

胃の防御力が落ちた所に胃酸による攻撃が過剰に加わることになるため、潰瘍ができやすくなります。

潰瘍の治療後も喫煙を続けていると潰瘍の再発率が上がることはいうまでもありません。

以下は胃に負担をかけがちな飲食物のリストです。

・コーヒー

・ビール

・炭酸飲料

・唐辛子

・消化に悪いもの(繊維質が多いもの・脂っこいもの)

いずれの飲食物も胃を刺激しすぎる消化しにくいなどの特徴を持っています。

胃に負担をかけすぎると防御機能が低下し、胃酸の攻撃から胃の壁を守ることができなくなるので注意しましょう。

不規則な食生活

不規則な食生活は胃に負担をかけます。

例えば暴飲暴食は胃酸を過剰に分泌させますし、よく噛まずに早食いをしていると消化不良を起こします。

朝食を抜く・寝る前に食事をするなど乱れた食生活を送っていると胃に負担がかかり、胃潰瘍ができやすいので気を付けましょう。

検査と診断の流れ

胃潰瘍が疑われる場合に行われる検査は3つあります。レントゲン検査・内視鏡検査・ピロリ菌検査です。

レントゲン検査ではバリウムや発泡剤を飲みます。職場の健康診断などで経験したことのある方も多いのではないでしょうか。

レントゲンを撮ることによって潰瘍の存在や位置を確認することができます。

内視鏡検査は口もしくは鼻から専用の器具を入れて胃の状態を確認する検査です。

映像を目視で確認するため胃の中の状態を詳しく診ることができ、判断に迷うことがありません。

ピロリ菌検査では採取した胃の粘膜・血液・尿・呼気を調べてピロリ菌が体内にいるかどうかを検査します。

診断にあたっては、まず問診をしっかり行います。患者さんの今まで罹った病気やお薬の服用の記録・症状について聞いていきます。

問診を通じてピロリ菌による胃潰瘍なのかそれ以外の原因によるものなのかを正しく見極めなければなりません。

胃潰瘍と似たような症状が出る病気と区別するために血液検査・レントゲン検査(腹部)・エコー検査を行います。

胃潰瘍が疑われる場合は内視鏡検査やバリウム検査へと進みます。こうした問診と検査の結果を踏まえて診断が行われます。

胃潰瘍の治療法

胃潰瘍の症状が軽い場合は薬の服用と食事療法によって回復を目指します。

出血が激しい時や胃穿孔になってしまった場合はただちに手術が必要です。

以下、それぞれの治療法について詳しく解説します。

食事療法・生活指導

出血や嘔吐があるなど胃潰瘍の症状がひどい場合は一時的に絶食し、点滴で栄養を補います。出血を止めた後しばらくは胃に負担の少ない流動食などを口にしなければなりません。

症状が軽い場合は1回の食事量を控えめにして脂肪の少ない魚か肉、または卵や豆腐などのおかずを1品食べるようにします。

間食を含めて4から5回に分けて胃に負担をかけないようにすることが大切です。

牛乳は胃酸を中和するので間食として摂るよう気を付けなければなりません。

栄養不足にならないように、食欲がないときは間食の量を増やすなど工夫しましょう。

食事の時間を決めることも大切です。

生活指導で医師から多く言い渡されるのが禁酒と禁煙です。また寝不足は胃の働きを悪くするのでしっかりと睡眠を取りましょう。

薬物療法

検査でピロリ菌が発見された場合、1回目の治療ではプロトンポンプ阻害薬と2種類の抗生物質を7日間使用して除菌を行います。

1回目の治療で除菌しきれなかった時はプロトンポンプ阻害薬とアモキシシリン・メトロニダゾールを7日間服用します。

胃粘膜を増加させる薬や胃組織の修復を助ける薬を使って、胃の防御機能を改善するという手法を取ることも少なくありません。

非ステロイド性抗炎症薬によって潰瘍になった場合はプロスタグランジン製剤を用います。

決められた量を決められた時間にしっかりと服用して治療することが肝心です。

手術

内視鏡検査を行った時に出血が見られた場合は電気メスを用いて止血措置を行います。

内視鏡を使った止血ができない場合や潰瘍が進行して胃穿孔になっている場合は開腹手術が必要です。

早期発見のポイント

胃潰瘍の早期発見のポイントは定期的な内視鏡検査レントゲン検査を受けることです。

特に内視鏡検査は全体的な胃の状態を確認できるのでおすすめです。

また胃潰瘍は胃がんと区別しにくい場合が少なくありません。

組織検査法を行うことで胃潰瘍なのか胃がんなのかはっきりさせることができます。

胃潰瘍の予防と注意点

胃潰瘍を予防するためには心身共にストレスを貯めない生活を心がけてください。

暴飲暴食を慎み、胃に負担をかけるカフェインやアルコールの摂取を控えるようにすることも効果的です。

また以下のような方はプロトンポンプ阻害薬を服用し続けることで胃潰瘍を予防できます。

・胃潰瘍を発症した経験がある人

・70歳以上の高齢者

・ピロリ菌に感染している人

・副腎皮質ステロイド薬を服用している人

高齢者が胃潰瘍で出血を起こした場合は回復に時間がかかり、寿命にも関わってきますので特に注意が必要です。

まとめ

胃潰瘍は重症化すると手術をしなければならなくなり、放置すると生命に関わる病気です。

紹介した症状チェックリストをご活用いただいて、1つでも当てはまるものがあれば早めに消化器内科を受診してください。

胃潰瘍は早期発見することができれば怖い病気ではありません。日頃から胃にやさしい生活を心がけていきましょう。

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こちらの記事の監修医師

医療法人いそわクリニック

磯和剛平

〇病院名 :医療法人 いそわクリニック
〇医師  :磯和 剛平 先生
〇アクセス:大阪府寝屋川市高柳栄町9-5
〇診療科 :内科・胃腸科・外科
〇経歴:
1981年 京都大学医学部卒業
1989年 京都大学 大学院卒業・博士号修得
テーマ:肝細胞癌における遺伝子修復酵素の研究
1981年 京都大学医学部附属病院外科研修医。
公立甲賀病院、都志見病院、医仁会武田総合病院で外科医として勤務
腹部一般外科、救急医療を中心に診療を行った。
都志見病院では、5年間にわたり、上部・下部消化管内視鏡(胃カメラ・大腸ファイバー)ERCP、
内視鏡的食道静脈瘤硬化術などの消化器内科診療や、糖尿病内分泌疾患、循環器疾患、呼吸器疾患
などの内科診療を広範囲に行った。
1996年12月 いそわクリニック開業

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