最終更新日:2022年7月5日
心臓がたまに痛くなる原因とは?何科にいけばいいかも徹底紹介
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こちらの記事の監修医師
おおつか医院
大塚 亮
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心臓がたまに痛くなることがあり、原因がわからないという場合もあるかもしれません。少し休めば治るからと特に気にしないと思っていても、重大な疾患が潜んでいる可能性もあります。そこで今回は心臓が痛くなる原因や痛い場合はどの科に行けばいいかをご紹介します。
心臓がたまに締め付けられるような痛みは「虚血性心疾患」の恐れ
たまに心臓が締め付けられるように痛む場合には、虚血性心疾患の恐れがあります。とくに胸や背中が痛むだけでなく、息苦しさや冷や汗、意識障害の症状が出ている場合は虚血性心疾患の可能性が高いでしょう
階段や坂道を走った場合など、普段より酸素を必要とする際に心臓が痛む場合は、狭心症の初期症状かもしれません。一方、心筋梗塞の場合は運動の有無に関係なく突然15分以上の胸が痛み、動悸やめまいなどの症状があると疑われます。
虚血性心疾患とは
虚血性心疾患とは、十分に心臓に血が行き渡っていない状態を言い、主な原因は動脈硬化とされています。動脈硬化は、年齢を重ねると血管の内膜にコレステロールが溜まって血管を狭くし、血栓ができて血管を詰まらせることで発症します。
老化以外にも喫煙や肥満、糖尿病、高血圧なども原因と考えられており、生活習慣が原因となって引き起こす疾患ともいえるでしょう。
虚血性心疾患が進行すると心筋の動きも悪くさせてしまうため、血液を身体に循環させるポンプ機能の心臓の動きが悪くなり、心不全の症状が現れます。なお、狭心症と心筋梗塞をまとめて虚血性心疾患といいますが、大きな違いは心筋が回復するかどうかです。
狭心症の場合は回復しますが、心筋梗塞は冠動脈が完全に詰まって心筋が壊死してしまうため回復しません。心筋梗塞は突然死のリスクもあるため、心臓がたまに締め付けられる痛みを感じる人は精密検査を受けた方がいいでしょう。
心臓病は大きく3つ
心臓病には大きく分けて、虚血性心疾患と不整脈、心不全の3つがあります。
不整脈は心臓の拍動を促す電気信号が正常でなくなり、脈が一定でなくなる状態をいいます。脈が遅くなる徐脈、速くなる頻脈、飛ぶ場合の期外収縮などがあり、若い人でも症状が出ることはあり、息切れや動悸などの症状がなければ治療の必要はありません。
ただし、過労やストレス、喫煙、過度のアルコール摂取などが原因となっている場合もあるので、念の為検査を受けることをおすすめします。不整脈と診断されたら、発作が起こる要因を明らかにし、生活改善を心掛けてください。
心不全は、心臓のポンプ機能が低下して血液の循環が悪くなる状態をいいます。心不全には急性と慢性がありますが、虚血性心疾患や不整脈が原因となっているケースも多く、長期に渡り心臓に負担を掛けているとなりやすいといわれています。
生活習慣によって心臓にかかる負担が変わってくるため、心臓病を防止するためには規則正しい生活を心掛けるといいでしょう。
息を吸うと左胸がたまに痛い場合
息を吸うと左胸がたまに痛い場合は、以下が考えられます。
● 肋間神経痛
● 自然気胸
● 胸膜炎
左胸は心臓と同じ位置ですが、心臓病ではない可能性もあるのでそれぞれの特徴を詳しく見てみましょう。
肋間神経痛
肋間神経痛は、肋骨に沿ってある肋間神経が痛む症状をいいます。急に電気が走るような比較的鋭い痛みが肋骨に沿って起きるのが大きな特徴で、特別な場合を除いて左右両側の胸が痛むことはありません。
脊椎に腫瘍やヘルニアなどの問題を抱えている場合や、肋骨の骨折、帯状疱疹などを原因に見られることが多いですが、特に何もないのに肋間神経痛が起きる可能性もあります。原因によって治療法も変わってくるため、必ず医師の診断を受けてください。
自然気胸
自然気胸は肺に穴が空き、空気が漏れて肺が縮んでしまった状態をいいます。軽度の場合は自然治癒も望めますが、放っておくと呼吸障害を引き起こすため非常に危険です。
特定の原因がなくても起きることがあり、長身で痩せ型の若い男性にも見られる症状ですが、ストレスが大きな要因ではないかと疑われています。
また、肺気腫を原因として発症するケースも多く、喫煙との関係も認められているので喫煙者は注意が必要です。その他、女性の場合は子宮内膜症を原因に発症することもあり、女性の月経前後に起きることから月経随伴性気胸と呼ばれています。
軽度でも重症化する恐れがあるので、速やかに治療しましょう。
胸膜炎
胸膜炎は、胸膜と呼ばれる肺の表面を覆う薄い膜が炎症を起こす状態です。単独で罹るものではなく、肺がんや肺結核、肺炎などの肺疾患だけでなく、肝硬変や心不全などを原因とする場合もあります。原因が特定されているため、もし該当する疾患に罹患している場合は注意してください。
病状が進行していくと肺膜腔に水が溜まり、心臓と肺を圧迫し発熱や咳、激しい動悸などの症状が現れます。疾患の原因を治すことが先決となるため、医師の診断を受けて適切な治療を行ってください。
ストレスで心臓がたまに痛くなることもある
明確な疾患がなくてもストレスが原因となり心臓が痛くなることもありますが、これは自律神経の乱れが悪影響を及ぼし、動悸や不整脈を引き起こしていると考えられています。
これは心臓神経症と呼ばれ、心臓疾患を疑い病院で検査をしても何も異常がないと言われた場合、疑ってみるといいでしょう。日常生活や仕事などで過度なストレスを感じている、転職や引越しなどで急激に環境を変えた、もともと不安症の人などは発症する可能性があります。
心臓神経症の痛みはズキズキ・チクチクなどの刺すような痛みと表現され、鋭い痛みや締め付けられる痛みとは違うのも特徴です。
また、症状が長く続くケースも多いため、痛みに悩まされる人もいるかもしれません。まずはストレスを無くすことを考え、心療内科や精神科などでカウンセリングを受けてもいいでしょう。
心臓がたまに痛くなりやすい人とは?
心臓がたまに痛くなりやすい人の特徴は、
- 年齢が高い人
- 血圧が高い人
- コレステロール値が高い人
となります。
どうして上記の特徴を持っている人は心臓が痛くなりやすいかを見てみましょう。
年齢が高い人
高齢者になると血液を循環させる力の衰えや、血管そのものが硬化してしまい動脈硬化が起こりやすくなります。老化によるものなので仕方がない部分はありますが、これが狭心症や心筋梗塞の原因となり、結果として心臓に痛みが出てしまうこともあるので気をつけておくといいでしょう。
また、心臓の収縮機能に問題がなくても、高齢化による拡張機能不全を原因とした心不全もよく見られるので自身で判断せずに医師の診断を受けてください。とくに高齢者になると、年齢を理由に自覚症状があっても見逃されてしまう場合もあるので、病院でしっかり検査をしてもらって原因を特定しましょう。
血圧が高い人
高血圧の人も心臓に負担を掛けてしまい、胸が痛くなる可能性があるため注意が必要です。血圧が高いと血管に負荷がかかっている状態が続くため、血管を痛めてしまいます。そのため、血管が硬くなり狭くなってしまうため、冠動脈の血流を悪くして虚血性心疾患になってしまうかもしれません。
また、高い圧力で血を送り続けている心臓への負担も多くなり、これに対応しようと心臓全体に筋肉がついて心肥大となることもあります。心肥大になると心不全や狭心症などの合併症も引き起こすこともあるので注意が必要です。
高血圧は食事をはじめとした生活習慣が原因となることも多いので、普段から気をつけておくといいでしょう。
コレステロール値が高い人
コレステロール値が高い人も動脈硬化を起こしやすいです。動脈硬化を起こした血管にはさらにコレステロールが溜まり、血管壁の内側にプラークと呼ばれる膨らみができてしまいます。
治療を行わずにそのまま放置しているとプラークが破れ、血栓ができてしまい血管が完全に詰まると心筋梗塞や脳梗塞に陥る恐れもあるので、注意しなければなりません。
コレステロールも運動や食事改善で増加を防止できます。3食バランスよく食べて、深夜帯などの遅い時間の食事を控えましょう。そして間食をやめれば食品から摂取されるコレステロールを抑えられます。
心臓がたまに痛い場合は何科にいけばいい?
心臓が痛い場合は循環器内科を受診しましょう。近隣の病院には心臓に特化した科がない場合も多いかもしれません。そんな時は一般内科がある病院やクリニックで受診した際に心臓のスペシャリストを紹介してもらうといいでしょう。(心臓血管外科は手術適応のある患者さんの紹介がメインです。胸痛の患者さんはまず内科へ受診です。)
なお、循環器内科での検査で何も問題がないと診断されることがあるかもしれません。その際は、ストレスが原因となった痛みである可能性があるため、心療内科に行ってみてもいいでしょう。
まとめ
心臓がたまに痛くなる原因について解説しました。
本記事をまとめると、
- 心臓がたまに締め付けられる痛みは狭心症や心筋梗塞の恐れがあるため、すぐに治っても油断してはいけない
- 心臓病以外にも肋間神経痛や自然胸、胸膜炎でも左胸が痛くなることがある
- 生活習慣の乱れによる高血圧や高コレステロール値が原因で心臓疾患になる恐れがある
- 心臓が痛い時は循環器内科を受診する
心臓が痛いと焦ってしまうかもしれませんが、原因があることに間違いはありません。少し休めば痛みが無くなることを理由に病院での検査を怠ることはやめて、必ず受診するようにしましょう。
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こちらの記事の監修医師
おおつか医院
大塚 亮
〇病院名 :おおつか医院
〇医師 :大塚 亮
〇アクセス:奈良県生駒市あすか野北1-2-12
〇診療科 :循環器内科 , 内科 , 小児科
《略歴》
1996年大阪市立大学医学部卒業、淀川キリスト教病院等で研修。
2002年大阪市立大学大学院医学研究科循環器病態内科学修了
2002年Columbia Presbyterian Medical Center, Adult cardiology
2005年大阪市立大学医学部附属病院循環器内科 博士研究員
2008年大阪市立大学医学部附属病院循環器内科 病院講師
2010年西宮渡辺心臓脳・血管センター 画像診断部部長
2014年当院の非常勤勤務から院長となる。
《資格》
日本循環器学会認定 循環器専門医
《所属学会》
日本内科学会
日本循環器学会
日本心臓病学会
日本抗加齢医学会
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