最終更新日:2022年7月4日
横になると息苦しいのはなぜ?病気やストレスなどの原因を解説

こちらの記事の監修医師
TMG宗岡中央病院
小室哲也

横になると息苦しくなる場合、何か病気ではないかと心配になる方も多いのではないでしょうか。息苦しい状態が続く場合は、なにかしらの体の不調が考えられるため、病院を受診した方がよいでしょう。また病気以外の要因として、ストレスも考えられます。この記事では、横になると息苦しい原因を解説。息苦しいときの対処法も紹介します。
横になると息苦しい場合に考えられる病気
横になると息苦しい場合、次の病気の可能性が考えられます。
- 気管支喘息
- 慢性閉そく性肺疾患
- 心不全
- 副鼻腔炎
- 睡眠時無呼吸症候群
各疾患の特徴や症状について詳しく解説します。
気管支喘息
気管支喘息になると、自律神経の影響により、就寝中に息苦しくなることがあります。とくに、明け方に症状の出やすい点が特徴です。
気管支喘息で息苦しくなる理由は、気管支に慢性的な炎症が起き、腫れて気道が狭くなるからです。気道が狭くなり「ヒューヒュー」や「ゼーゼー」などの呼吸で息苦しくなります。息苦しくなるタイミングは次のとおりです。
【息苦しくなるタイミング】
- 夜間から早朝
- 季節の変わり目
- 疲れがたまったとき
- 天気が悪い日
- 風邪をひいたとき
- タバコや線香の煙、強いにおいなどの発作の原因に触れたとき
慢性閉そく性肺疾患
慢性閉そく性肺疾患は、長年の喫煙習慣による肺の炎症性疾患です。体を動かしたときなどに呼吸困難に陥り、時間の経過とともに徐々に進行します。
横になった場合は、痰が絡むなどして息苦しくなることもあります。咳が頻繁にでるのも特徴です。その他にも、次のような症状が現れます。
【症状】
- 咳が1日に何回も出る
- ゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸音がする
- 胸がビール樽のように膨らむ
- 皮膚が紫~黒っぽい色になりチアノーゼになる
- 指先が太鼓バチのよう膨らむ
- 体重が減少する
心不全
心不全は心臓の働きが低下し、全身に血液が送られなくなった状態です。横になると息苦しい場合は、心不全が進行している状態であるため、注意してください。
心不全が進行すると、腎臓への血流が低下して水分が排出されづらくなります。その結果、むくみがひどくなったり、肺の周りに水がたまったりします。肺に水がたまると、呼吸をしても酸素がうまく取り込めずに息苦しくなるのです。
【症状】
- 動悸
- 息切れ
- 呼吸困難
- むくみ
ときには、眠れないほどの息苦しさに見舞われることもあります。
副鼻腔炎
副鼻腔炎は風邪や細菌、アレルギーなどで副鼻腔の粘膜に炎症が起きた状態です。ドロドロとした鼻水が出る点が特徴。ドロドロとした鼻水が喉を刺激して、せき込むことで息苦しくなります。他にも次のような症状に悩まされます。
【症状】
- 鼻づまり
- 鼻水
- 頭痛
- 嗅覚障害
- せき
- のどに鼻水が落ちる
- 顔面痛
- 倦怠感
- 発熱
- 口臭
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中にいびきや無呼吸が繰り返されて、睡眠の質が低下する状態です。
睡眠中に舌が喉に落ち込み、気道が狭くなります。その結果、酸素を取り込みづらくなったり、呼吸が止まったりして、息苦しくなるのです。睡眠時に酸素が低下した状態になり、睡眠の質が低下して昼間に眠気を感じやすくなります。
【症状】
- 不眠
- いびき
- 睡眠の途中で目が覚める
- 日中の眠気
- 不整脈
- 呼吸障害
ストレスによる息苦しさ
ストレスを抱えると、自律神経失調症やパニック障害に陥って息苦しくなる場合があります。ここでは、自律神経失調症とパニック障害について、特徴と症状を詳しく解説します。
自律神経失調症
自律神経失調症になると呼吸が浅くなったり、早くなったりして息苦しくなることがあります。呼吸に異常を感じたら、意識的に呼吸を深くするとよいでしょう。自律神経失調症になると、体の働きを調整する機能に不具合が起きます。その結果、以下の症状をはじめとして、他にもさまざまな不調に見舞われます。
【症状】
- 耳鳴り
- めまい
- 食欲不振
- 便秘や下痢
- 腹痛
- 吐き気
- 動悸 など
パニック障害
パニック障害は体に不調がないにも関わらず、突発的に動悸や呼吸困難、めまいなどの発作を繰り返す状態です。
発作が起きたときに強い不安や恐怖を感じます。日ごろからストレスを抱えている人が、発症しやすい精神疾患です。
【症状】
- めまい
- 頭がくらくらする
- 物事に現実味を感じない
- 発作を繰り返す
- 発作が起こることに不安を感じる予期不安に陥る
- うつ病や不安障害になることもある
息苦しくて横になっても眠れないときの対処法
息苦しくて横になっても眠れないときは、体勢を工夫すると眠れることがあります。仰向けで寝る場合と、横向きで寝る場合について解説しますので、参考にしてください。
仰向けで寝る場合
仰向けで寝る場合は、上半身を高くして寝るとよいでしょう。さらにクッションなどを膝下に敷いて、膝を曲げると楽な体勢で眠れます。電動ベッドなどを利用して、上半身を高くするのも一つの手段です。
横向きで寝る場合
横向きで寝ると、いびきを改善できます。仰向けで眠った時よりも舌の落ち込みを防げるため、睡眠時無呼吸症候群の場合は、横向きで寝るとよいでしょう。枕やクッションを抱えるようにして、楽な体勢をとってみてください。
横になると息苦しいときはまずは病院へ!
横になると息苦しいときは、病気の可能性もあるため、病院で検査を受けたほうがよいでしょう。また精神的ストレスで、息苦しくなることもあります。自分でできる対処法には、就寝時の眠り方を工夫したり、深く呼吸をするように意識したりすることなどが考えられます。対処法を講じても息苦しい場合は、早めに病院を受診することをおすすめします。

こちらの記事の監修医師
TMG宗岡中央病院
小室哲也
〇総合内科部長
〇経歴
2004年埼玉医科大学卒業。総合内科専門医、循環器専門医、集中治療専門医の3つの専門医資格もっており、現在は内科を中心とした総合診療をおこなっている。
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- 東武東上線 志木駅
- 048-472-9211
- 内科 外科 小児科 整形外科 泌尿器科 リハビリテーション科
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