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最終更新日:2022年7月26日

VIO脱毛すると「性病リスク」は変わる?性感染症内科医・ぽいぽん先生に聞いてみました

こちらの記事の監修医師
銀座ヒカリクリニック
剣木 憲文

(写真=PIXTA)

一般に、体毛は「体を守るために生えてくるもの」と言われます。腕や脚の毛ならいざ知らず、体内にほど近いデリケートゾーンの毛を処理することに問題はないのでしょうか? 衛生面、特に性感染症リスクの観点から考えられる「VIO脱毛のメリット・デメリット」を見ていきましょう。TwitterやYouTubeチャンネル「ぽいぽんch」で積極的に情報発信を行う剣木憲文医師(銀座ヒカリクリニック院長。ニックネーム:ノリ先生、ぽいぽん)が解説します。

VIO脱毛する人が増加…若い人ほど「無毛」の傾向

性病患者を診る私は、仕事柄、人より多く男女の性器を見ています。陰毛には伸びっ放しの「放置型」、整えている「トリマー型」、ごっそりなくしている「無毛型(ハイジ二ーナ)」等がありますが、銀座の陰毛状況は年齢が若ければ若いほど放置型 → トリマー型 → 無毛型になってきている印象です。ちなみにファンクスウェア株式会社のデータ*によれば、2021-22年アンダーヘア人気ランキングはハイジニーナ(全体の54%)だったようです。

*ファンスクウェア株式会社『アンダーヘア人気ランキング2021年最新版』(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000052143.html)

 

医者の私から見て、一番診察しやすいのは無毛型です。放置型の方の診察には、時間も労力も3倍かかり、その上見逃している可能性を常に念頭に置いて次回の外来診察に臨まなければなりません。

VIO脱毛によって性感染症リスクはどう変わる?

■「リスクが低減する性感染症」はある?

実際のところはわかりませんが、リスクが低減する可能性のある性感染症としてケジラミ症が挙げられると思います。ヒトの毛を宿主とするケジラミは脱毛後の『毛のない皮膚』には卵を産み付けることができません。集団で脱毛をしている今日の日本ではケジラミの宿主そのものが減少していると考えられます。宿主以外の場所で、ケジラミは48時間、1日10cmしか動けないので、感染の広がりは極めて限定されます(引用:性感染症 診断・治療ガイドライン2020)。

 

■「リスクが高くなる性感染症」はある?

脱毛により、リスクが高くなる性感染症は、あまりないと思います。一般に体毛は外界や熱から皮膚を守るために生えていると考えられていますが、性器は毛がなくても下着や服に守られるため、外界や熱に暴露されません。淋菌、クラミジアなどの粘膜接触により感染する性感染症の頻度は、脱毛をしたからと言って高くなることはありません。

むしろ「意外なメリット」も…

■VIO脱毛で「早期発見につながる性感染症」がある!

脱毛で気づきやすくなるものとして梅毒、尖圭コンジローマなどのできもの疾患が挙げられます。特に脱毛をしていない方の恥毛部にできる結節や潰瘍は前述のごとく、非常にわかりにくく発見が遅れます。早く発見できれば、スムーズな治療が受けられ、相手にうつす可能性も減りますので、この点において脱毛は相当なメリットを与えると言えるでしょう。

 

■治療上のメリット

尖圭コンジローマの治療として、毛がない場合、-196℃の液体窒素を含ませた綿棒を病変に押し当てて凍結させる時間が、毛がある場合に比べ明らかに短く済みます。しっかりと凍結させてウイルスを死滅することで治療効果を期待する、私たちとしてはとても良いことと言えます。

感染リスクは意外なところに潜んでいる

■脱毛に伴うシェービングや火傷は、バリア機能が破綻する原因

脱毛前のカミソリ負けや脱毛による火傷は皮膚のバリア機能を損なう原因となります。ヒトパピローマウイルス(HPV)や伝染性軟属腫ウイルス、単純ヘルペスウイルス等は皮膚の小さな傷口を介して感染することが知られており、脱毛期間中の性行為はあまり勧められません。実際、脱毛中に、性感染症を発症してしまう患者様はしばしば見受けられます。

 

■脱毛サロンでの感染はありえる?

淋菌、クラミジアは粘膜を介して相手にうつすのでサロンではまずうつされません。しかし、トリコモナスやケジラミ、水虫などの原虫・寄生虫・真菌は検診台やタオルなどを介しても感染する可能性があるため注意が必要です。しかし、これは何も脱毛サロンに限った話ではなく、公衆浴場、サウナ、プール、性風俗店等でも同じことが言えます。特に子供の伝染性軟属腫はプールでの感染(この場合は性感染症ではありませんが)が有名です。

■脱毛後、“こんな症状”が出たら医療機関へ

新たに『できもの』に気づいたときには性感染症内科を受診しましょう。HPVや性器ヘルペスはありふれたウイルスでどこにでもいます。もともと持っていた上に、脱毛により皮膚のバリア機能が損なわれ、イボや潰瘍を発症してしまう場合もあるかもしれません。

無症状でも「感染していない」とは限らない。性病検査のススメ

■脱毛前に性病検査を受ける意義

本来、性感染症の多くは粘膜感染なので過度の心配はご無用です。しかし、脱毛期間中の皮膚トラブルや、脱毛の痛みから不安や心が落ち込んでしまうと、サロンの検診台や脱毛器が他人から自分に何らかの病原体を感染させたのでは?と疑惑を持ってしまうこともあります。安直にそのような考えに至ってしまわぬよう、脱毛前の性病検査を私は勧めます。

 

■性感染症は無症候性保菌者が多い

そもそも性感染症というのは無症状で菌を持っている場合が大変多いです。脱毛前に性病検査をされてみてはいかがでしょうか。陰性であれば安心ですし、陽性があれば、それをしっかり治療してから安心安全に脱毛施術が受けられるでしょう。

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こちらの記事の監修医師

銀座ヒカリクリニック

剣木 憲文

銀座ヒカリクリニック 院長/放射線科医学博士/診断専門医、IVRist/日本性感染症学会認定医
性感染症で悩める患者さんに一筋の『ヒカリ』となれれば、というサポーティブな願いを込めて、令和元年11月1日に銀座ヒカリクリニックを開院。診療の傍ら、Twitterで性感染症の質問を受け付けたり、YouTubeチャンネルでは性感染症の勉強動画を配信したりなど積極的に情報を発信している。
●Twitter:twitter.com/norifken
●YouTubeチャンネル:bit.ly/38VM6aW

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