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最終更新日:2021年8月24日

飛蚊症の症状を解説!目の前に飛んで見える黒いものの正体は?飛蚊症の原因となる疾患についてもご紹介

こちらの記事の監修医師
医療法人仁愛会さとう眼科
佐藤昌昭

視界の中に黒っぽい粒や糸くずのようなものが見える「飛蚊症」は、痛みやかゆみといったつらい症状はありません。

しかし一度気になるとついつい目で追ってしまい、集中したいのに気が散ってしまうこともあります。

飛蚊症が起きるメカニズムには、眼球の中にある網膜や硝子体という部位が深く関わっていることが分かってきました。

飛蚊症の具体的な症状や原因、病院での治療方法など幅広くご紹介します。

飛蚊症の症状

どういった症状が出ると「飛蚊症」なのでしょうか。

症状の特徴や飛蚊症に似た症状についても確認しましょう。

視界に黒いものが見える

飛蚊症は、目の前に蚊が飛んでいるように見えることからこの名前が付きました。

症状の現れ方には個人差があり、黒い粒が動いているように見える人もいれば、煙や糸くずのように見える場合もあります。

ただし視野の一部に黒い穴が開いたような見え方はしません。あくまでも視界の中に細かいものが浮いているようなイメージです。

目を動かすと黒いものの位置が変わり、ゆらゆらと動いて見えるのも飛蚊症の一つの特徴といえます。

飛蚊症に関連する症状

網膜に引きつれるような力が加わることで光視症と呼ばれる症状が出ることがあります。

飛蚊症では影のように黒っぽいものが見えるのに対して、光視症は視界にチカッと小さな光が見えるのが特徴です。

目の前を飛んでいる黒いものの正体

飛蚊症で目の前に浮かんで見えるものの正体は一体何なのでしょうか。

眼球の内側の壁には、目で見た像を投影する網膜があります。また眼球の中を満たしているのがゼリー状の硝子体です。

瞳孔から入った光は硝子体を通って網膜で像を結んでいます。

そのため硝子体に何らかの物体が浮いていると、黒いものが飛んでいるように見えてしまうのです。

もちろんこの物体は非常に小さなものなので、異物やゴミというよりも硝子体の濁りに近いといえるでしょう。

飛蚊症の原因

飛蚊症の症状が出る原因として、どのようなものが挙げられるのでしょうか。

同じような症状が現れても原因が同じとは限らず、何らかの疾患によって飛蚊症の症状が出ている可能性もあります。

生理的な原因の場合

硝子体に浮遊しているゴミのようなものは身体の外から入ってくるわけではありません。

多くの場合、これらの物体の正体はもともと眼球内にある細胞や組織です。

眼球の一部が浮いていると考えると不安になりますが、病的な異常で組織が壊れているのではありません。

こうした飛蚊症は生理的飛蚊症と呼ばれ、特に治療を必要としない場合が多いのです。

生理的飛蚊症は加齢により発症リスクが上がるのが特徴です。その理由は、硝子体が加齢に伴って萎んでいくことにあります。

萎んだ硝子体と網膜の間に隙間が空くと、萎んだ硝子体そのものが網膜に写り込んでしまうのです。

この状態を後部硝子体剥離といいます。

また若年者でも硝子体は完全に透明ではありません。そのため眼球に異常がなくても外部からの光の状態によっては一過性の飛蚊症を経験することがあります。

病気が原因の場合

飛蚊症は「ほとんどのケースが経過観察で問題ない」とされていますが、中には病気が原因で飛蚊症の症状が現れていることもあります。

特に眼球の周りを覆っている網膜やぶどう膜に病変があると飛蚊症が現れやすくなります。

具体的な原因疾患はぶどう膜炎や網膜剥離です。また飛蚊症をきっかけに自己免疫性疾患や炎症性疾患など身体全体にかかわる病気が見つかることも珍しくありません。

飛蚊症の原因となる疾患

飛蚊症の原因疾患にはどういったものがあるのでしょうか。

疾患の特徴や飛蚊症の現れ方を確認しましょう。

網膜裂孔・網膜剥離

網膜裂孔とは網膜の一部に穴が開いている状態です。

さらにその穴から硝子体が漏れて網膜下に入り込むと、網膜がはがれてしまうことがあります。これが網膜剥離です。

網膜裂孔が原因で起きる網膜剥離を裂孔原性網膜剥離と呼び、網膜剥離の中でも飛蚊症の症状が出やすいとされています。

網膜に穴が開く原因として考えられるのは外傷などの物理的な強い衝撃です。

また極度の近視がある方も網膜裂孔のリスクが高くなります。近視の方の眼球は前後に長い傾向にあるためです。

眼球が前後に引き伸ばされると網膜は引っ張られて薄くなり、穴が開きやすい状態になります。

一方、加齢による網膜剥離は生理的飛蚊症の一つである「後部硝子体剥離」と関連しています。

萎んだ硝子体と網膜はきれいに剥がれることがほとんどです。しかし網膜と硝子体の癒着が強いときや硝子体の膜が薄いときは硝子体とともに網膜まで剥がれてしまうことがあります。

飛蚊症に関連した症状の一つである「光視症」も網膜剥離によって起きることが少なくありません。

そのため飛蚊症と光視症が同じタイミングで現れることもあります。

網膜剥離は痛みを伴わない疾患のため、飛蚊症や光視症といった小さなサインを見逃さないことが大切です。

ぶどう膜炎

ぶどう膜とは虹彩・毛様体・脈絡膜の総称です。

鏡で目を確認すると虹彩(瞳)しか見えませんが、毛様体や脈絡膜とつながっていて目の内壁を覆っています。

このぶどう膜は血管が非常に多い部位で血流量も豊富です。

血液は細胞に酸素や栄養を届ける重要な役割を担いますが、同時に炎症物質や菌を運んでしまうことがあります。

その結果ぶどう膜が炎症を起こしてしまうのが「ぶどう膜炎」です。

また自己免疫性疾患や糖尿病もぶどう膜炎の原因となります。

硝子体出血

硝子体出血とはゼリー状の硝子体の中に血液が漏れ出した状態です。

本来は透明な硝子体に血液が溜まると外からの光が遮られ、視力低下や飛蚊症を自覚します。

網膜裂孔や網膜剥離・ぶどう膜炎も、剥離や炎症に伴って硝子体出血を起こす疾患です。

また糖尿病や高血圧といった生活習慣病が原因で血管が脆くなると出血が起きやすくなります。

そのほか血管新生緑内障や加齢黄斑変性、増殖糖尿病網膜症などの病気も硝子体出血のリスクを高めます。

その他

目の手術をきっかけにして飛蚊症を自覚する方がいます。

白内障の手術後、飛蚊症の症状が悪化するケースもあります。

術後は経過観察で定期的に眼科を受診することになるため、飛蚊症の悪化や飛蚊症以外の症状が気になる場合は診察時に必ず相談してください。

検査・治療

健康な方でも飛蚊症の症状が出ることはあります。

しかし何らかの疾患のサインとして飛蚊症が出ることもあるため、まずは眼科で原因を調べてみましょう。

飛蚊症の検査

まず行われるのは一般的な視力・眼圧測定です。加えて眼底検査で眼球の奥にある血管・網膜・視神経の状態を確認することもあります。

また細隙灯(さいげきとう)と呼ばれる拡大鏡を使って虹彩や硝子体・網膜の状態を観察するのが細隙灯顕微鏡検査です。

これらの検査結果だけでなく患者さんの自覚症状も重要な診断材料になります。

症状が現れ始めた時期や見え方、飛蚊症以外の症状の有無などを予めメモなどにまとめておくとよいでしょう。

飛蚊症の治療

飛蚊症の原因が分かったら、原因疾患に対する治療を行います。

自然に治る可能性が高ければ止血剤の内服や経過観察だけで済みますが、場合によっては早めの手術を勧められることもあるでしょう。

特に網膜剥離は治療せずに放置すると失明の危険を伴うのです。

剥離の原因や状態を確認し、網膜復位術または硝子体手術などが実施されます。

またぶどう膜炎など炎症性疾患が原因の場合はステロイド剤で炎症を抑える治療が一般的です。

自己免疫性疾患が原因で炎症が起きているときは免疫抑制剤を使用することもあります。

ぶどう膜炎の原因は生活習慣病や悪性腫瘍など多岐にわたるため、原因が分かるまでに時間を要することも少なくありません。

飛蚊症で気をつけたいこと

飛蚊症を感じたとき「痛みや視力低下がないから少し様子を見よう」と考える方は多いものです。

しかし、自宅で様子を見ている間も気を付けたほうがよいことがあります。

「目の前のゴミ=飛蚊症」ではない

飛蚊症の原因は網膜や硝子体の変化です。

しかしこうした原因を知らないまま飛蚊症を自覚すると「目にゴミが入った」と勘違いしてしまいます。

ゴミを除去するために目を強くこすると、場合によっては硝子体出血や網膜剥離を悪化させることになりかねません。

ゴミの混入を疑ったら眼薬や洗眼薬でゴミを浮かせて流してみましょう。

視野が欠けたりゆがんで見えたら直ちに眼科へ

網膜剥離や緑内障・加齢黄斑変性などが原因の飛蚊症は、病気の進行に伴って視力低下や視界の欠け・ゆがみが現れることがあります。

悪化すると失明や急激な視力低下につながるので、こうした症状があったら早急に眼科を受診しましょう。

視力や視界に変化があっても、それが片眼だけに出ていると自分では気付かないことがあります。

というのも片眼の視力や視野に異常が出るともう片眼で補ってしまうからです。

目の異常を早期に発見するために、時々片眼で周りを見てみましょう。

とくにタイルや方眼紙などマス目を見ると視界のゆがみがよく分かります。

経過観察後も新たな症状には要注意

飛蚊症で眼科を受診して経過観察となった後も、新たな症状が出た場合や飛蚊症の症状が強まったときには注意が必要です。

原因疾患の進行や新たに硝子体出血が起きている可能性もあります。

次の受診日が決まっていると先延ばしにしがちです。

しかし急激な視力低下や視野の変化・眼痛・飛蚊症の悪化などを感じたら、一度電話でその旨を伝えて医師の指示を仰ぎましょう。

自己判断せずにまずは眼科へ

飛蚊症の多くは生理的なものであり、特に治療を必要としない場合もあります。

しかし自覚症状だけで治療の要・不要は判断できません。原因や危険性を判断するのは更に困難です。

飛蚊症を「早めのサイン」と捉えて受診しておくとよいでしょう。

まとめ

飛蚊症は目の前でゆらゆらと黒いものが動くだけで、痛みやかゆみといったつらい症状が出てきません。

しかし網膜剥離や感染症などが原因でも飛蚊症が起こりえます。

こうした疾患を早く見つけて適切な治療をするために、まずは眼科を受診して原因を知ることが重要です。

医師と相談のうえ、点眼や内服・手術など必要に応じた対応をしていきましょう。

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こちらの記事の監修医師

医療法人仁愛会さとう眼科

佐藤昌昭

〇病院名 :医療法人仁愛会さとう眼科 
〇医師  :佐藤昌昭
〇アクセス:和歌山県新宮市井の沢12-6
〇診療科 :眼科
〇経歴:日本眼科学会認定 眼科専門医
1970年 和歌山県海南市生まれ
1996年 京都府立医科大学卒業
京都府立医科大学、京都第二赤十字病院、藤枝市立総合病院
2002年 さとう眼科 院長
【所属学会】
日本眼科学会会員
日本眼科手術学会会員
日本白内障学会会員
日本眼科医会会員
身体障害者認定医
難病指定医
ボトックス資格者
水晶体嚢拡張リング(CTR)資格者

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