最終更新日:2022年1月30日
眼瞼下垂の「症状」「原因」「治療法」をチェック…美容面も考慮すべき?【医師が解説】
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こちらの記事の監修医師
大阪梅田形成外科粉瘤クリニック
古林 玄
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年齢を重ねるごとに、まぶたが開けづらくなってきていませんか? 「開けるとオデコにシワが寄る…」という方もいるのではないでしょうか。まぶたが開けづらいことは、頭痛やストレスの原因にもなります。手術による改善は可能ですが、まぶたは顔の印象を決める一番の部位と言えるため、形成外科の知識に美容医療の知識を合わせ、丁寧に治療をおこなわなければなりません。ここでは眼瞼下垂について、原因や治療法を詳しく解説していきます。
「もしかしてこの症状、眼瞼下垂…?」さまざまな症状
眼瞼下垂(がんけんかすい)とは、簡単に説明すると、まぶたが重く、目が開きにくくなる状態です。
まぶたを上げる筋肉の付着部が年齢とともに緩んだり、あるいは皮膚がたるみすぎたりすると、開きにくくなります。そしてその両方が合わさることで眼瞼下垂となります。
眼瞼下垂になると通常よりもまぶたを開こうとするのに力が必要になり、おでこに力が入り、シワができてしまいます。
眼瞼下垂の主な症状としては『いつも眠たそうに見える』、『二重の幅が昔に比べて広くなった』、『目の周りの痙攣』、『肩こり』、『眠れない』、『頭痛』、『モノを見る際に顎を上げてしまう』、『おでこにシワができる』、『眉毛を上げる』、『まぶたの上がくぼむ』などが挙げられます。
また、眼瞼下垂とは関係ないと思われるような、頭痛や肩こり、不眠といった症状も見られます。
筋肉が緩み眼の開きが悪くなることで、ミュラー筋というまぶたの開き具合を調節する筋肉が自律神経を刺激してしまい、脳の働きに影響を及ぼすためです。
これを簡単に説明してみましょう。
眼瞼下垂で「頭痛や肩こり、不眠」の症状が起こるワケ
皆さんは眼を、意識をして開け続けたことがあるでしょうか。眼を開ける際には、「眼を開けよう」という意思が脳から筋肉へ伝わります。そしてそれを維持する際には、自律神経が働き、自動的に眼が開いた状態を続けることができます。
心臓が勝手に動いているのと同じ原理です。
しかし眼瞼下垂になると、どんなに脳が指令を出しても眼を開けることが出来ないため、オデコの筋肉を使い、眼を開け続けようとします。オデコの筋肉である前頭筋は自律神経からの指令を受けられないため、自分で意識し続けないと眼を開け続けることはできません。
そのために緊張した状態が続いてしまい、頭痛や肩こり、不眠へと繋がるのです。
眼瞼下垂の原因
眼瞼下垂の原因は加齢だけではなく、先天性のもの、ハードコンタクトの使用によるもの、白内障の手術後に起こるもの、脳腫瘍によって引き起こされるものも存在します。
ここから、順に説明していきます。
先天性
先天性の眼瞼下垂は上眼瞼挙筋という上まぶたを上げる筋肉の発達異常などで起こります。その8割が片側の眼に起こると言われています。
また、まれにホルネル症候群という先天性の交感神経系疾患が原因の場合もあります。これは、眼と脳を結ぶ神経線維が分断されることで起こる疾患で、顔の片方のまぶたが垂れ下がり、同時に瞳孔収縮や虹彩の色素異常、異常が生じた側の顔面の発汗低下をともないます。
ハードコンタクトレンズ
コンタクトレンズを使用すると、レンズがまぶたの裏側を擦って刺激するため、瞼板と挙筋腱膜の結合部分がはずれ、まぶたの開きが悪くなります。
コンタクトレンズの取り外しの際に、まぶたを過度に引っ張るのも、眼瞼下垂を引き起こす原因のひとつだと言われています。
コンタクトレンズによる眼瞼下垂は、ソフトレンズよりもハードレンズに多く、ハードレンズを10年以上使用している人は、かなりの確率で眼瞼下垂症状を起こします。
コンタクトレンズによる眼瞼下垂は、左右の目が同じように下垂が進行していくこともありますが、多くの人は片方の目の下垂が強く進行していくので、訴えが目の左右差になることが多いです。
ハードコンタクトレンズによる眼瞼下垂は、広い一本の二重幅が特徴的です。加齢の場合にも二重幅は広くなりますが、皮膚の弛緩が強く、眼のラインが三重や四重になります。
白内障手術
手術の際、開瞼器(眼を開けたままにする機械)による過度の開瞼により、まぶたを上げる筋肉の付着部が緩んで眼瞼下垂となります。
内科的・脳外科的な疾患
神経性眼瞼下垂と筋性眼瞼下垂に関しては、内科的・脳外科的な疾患が原因となっている場合があり、その場合はそちらの治療が優先されます。
治療法
挙筋腱膜前転法(または挙筋短縮法)
二重のラインに沿って、切開を行い、緩んだ筋肉の付着部を瞼板に縫合します。また余剰皮膚も同時に切除します。
眼瞼下垂の主な治療法ですが、眼の印象が変わりやすいため難易度が高くなります。整容面を意識した丁寧なデザインが必要となります。
眉下切開
緩んだ皮膚のみを眉毛下で切除します。緩んだ皮膚がなくなるとともに、皮膚の重さがなくなるため、眼が開けやすくなります。
傷も時間経過とともに目立たなくなり、挙筋前転法のように眼の印象が大きく変わらないため、軽度の眼瞼下垂であれば、眉下切開を選択することも最近は多くなってきています。
挙筋腱膜前転法+眉下切開
眼の周囲は皮膚の薄さが場所により違うため、まぶたの近くだけ皮膚を取りすぎると非常に違和感のある眼になることがあります。そのため、挙筋前転法で眼を開けやすくし、緩んだ皮膚を眉毛下で切除する場合もあります。
実用面だけでなく…重視したい「整容面」
眼瞼下垂の治療により眼が開けやすくなると、頭痛や肩こり・眼の上の陥凹・オデコのシワの改善などが実現できますが、もう一つ大事なポイントは、やはり「整容面」です。
二重のラインはたったの1mmズレるだけで顔貌へ大きな影響を及ぼします。整容面を意識せずに手術をすると「眼は開けられるようにはなったものの、満足のいかない顔になってしまった…」ということがあります。
美容医療としての整容面を考えた治療が非常に重要です。患者様の眼は非常に多岐にわたるため、それぞれにあったオーダーメイドの治療を考える必要があります。
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こちらの記事の監修医師
大阪梅田形成外科粉瘤クリニック
古林 玄
大阪梅田形成外科粉瘤クリニック/東京皮膚のできものと粉瘤クリニック ふるばやし形成外科 新宿院/目黒げんクリニック
大阪医科大学を卒業後、大阪医科大学付属病院、市立奈良病院を経て東京へ行き、がん研有明病院、聖路加国際病院で形成外科の専門医としてさまざまな手術を経験。
豊富な経験を活かし、全身における腫瘍切除を形成外科的に適切な切除を目指し、見た目にもきれいな仕上がりで再発の少ない治療を提供している。
YouTube「ふるばやし形成外科粉瘤クリニック 東京新宿院_大阪梅田形成外科粉瘤クリニック」でも情報発信を行っている。
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