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最終更新日:2021年8月24日

坐骨神経痛の原因と症状を解説|他の病気がきっかけで発症する?治療法や日常でできる予防法をご紹介します

こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓

坐骨神経痛とは、腰から足にかけて伸びる坐骨神経という1番太い神経に炎症が起こることで生じる症状のことです。

痛みやしびれ、張り、冷感や灼熱感、締めつけ感など症状が出る場所も人によって様々で、起こる原因もまた様々です。

実は別の病気が原因になっている場合もあり、悪化すると日常生活にも影響が出るので早めに対処することが大切です。

坐骨神経痛の原因と症状、治療法や日常でできる予防法をご紹介します。

坐骨神経痛の原因

坐骨神経痛は坐骨神経が刺激されたり、圧迫されたりすることによって起こります。

激しい運動が原因のこともあれば、長時間のデスクワークなど運動不足によって引き起こされることもあります。

その中で原因になることが多いのが腰部脊柱管狭窄症腰椎椎間板ヘルニアです。

腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症とは中高年に多い病気のひとつです。

加齢などによる影響をうけ、神経が通る脊柱管がだんだん狭くなっていき、神経が圧迫され、血液の流れが悪くなります。

脊柱管の狭窄で坐骨神経が圧迫されることが、坐骨神経痛の原因になります。

腰部脊柱管狭窄症が坐骨神経痛の原因になっている場合、腰をひねったとき、背筋を伸ばしたときなど、体を後ろに反らせることで痛みが強くなるのが特徴です。

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアは20~30代の若い世代に多く見られます。

椎間板は背骨と背骨をつなぐ役割をしています。その椎間板が何らかの原因で飛び出してしまい、神経を圧迫する病気です。

椎間板が坐骨神経を圧迫することが、坐骨神経痛の原因になります。

腰椎椎間板ヘルニアが坐骨神経痛の原因になっている場合、腰への負担が大きくなると痛みが出ます。

例えばあぐらや横座り、中腰で行う動きや猫背の姿勢など前かがみの姿勢があげられます。

坐骨神経痛の症状

坐骨神経痛の症状は痛みしびれのほか、張りや冷感、灼熱感、締めつけ感など多岐にわたります。

坐骨神経痛は自覚症状であるため、本人にしかわかりません。ズキズキ、ジンジン、チクチク、ピリピリなど、様々な表現がされます。

坐骨神経が腰から足と長く伸びているため、症状が出る場所も腰からおしり、太もも、すね、ふくらはぎ、足先までと広い範囲です。

症状がひどくなると、尿失禁や頻尿など排尿障害や陰部のしびれ、ほてりといった異常感覚が出てくることもあります。

症状がある場合は放置せず、早めに診察・検査を受けることが必要です。

腰部脊柱管狭窄症の原因

腰部脊柱管狭窄症の原因として主に3つの原因があげられます。

加齢、骨粗しょう症、脊椎周辺にできた腫瘍です。順にみていきましょう。

加齢

原因で1番多くあげられるのが加齢による組織の変形です。長年負担がかかる姿勢や動作を繰り返していることで起こると考えられています。

背骨や椎間板が膨らんで変形したり、じん帯が厚くなったり緩んだりすることで、脊柱管が狭くなってしまうため発症します。

また、腰椎変性すべり症や変形性脊椎症などの加齢による病気が原因のこともあります。

骨粗しょう症

骨粗しょう症は50歳以上の女性に特に多くみられる、骨が弱くもろくなる病気です。

背骨が折れても痛みがなく、いつの間にか骨折しているということがあります。

これが骨粗しょう症による脊椎圧迫骨折です。

圧迫骨折で骨が潰れることにより、二次的に腰椎脊柱管狭窄症になるのです。

脊椎周辺にできた腫瘍

脊椎骨に発生した腫瘍により脊柱管が狭くなり、脊柱管狭窄症が起こることがあります。良性と悪性があり、腫瘍の摘出が必要な場合もあります。

腰椎椎間板ヘルニアの原因

腰椎椎間板ヘルニアの原因として主に3つの原因があげられます。

加齢、日常の無理な動作、誤った姿勢で長時間過ごすことです。こちらも順にみていきましょう。

加齢

物が経年劣化していくように、椎間板も劣化していきます。

椎間板の中心には髄核と呼ばれる組織があり、その周りを線維輪といわれる線維が囲んでいます。

椎間板にかかった長年の負担が椎間板を変性させます。

また水分を失って弾力がなくなった線維輪に亀裂が生じ、髄核の一部が押し出され、髄核が神経を圧迫することで痛みが出るのです。

日常の無理な動作

椎間板ヘルニアの多くは重いものを急に持ったり、勢いよく動いたりするなど、脊椎に負担のかかる姿勢や運動、外傷によって発症します。

普段から腰に負担のかかる生活を送っている人ほど発症しやすく、椎間板へ負荷がかかる生活習慣により発症率があがります。

誤った姿勢で長時間過ごすこと

前かがみの姿勢長時間の車の運転中腰での作業といった無理な姿勢での長時間作業は、椎間板ヘルニアの原因になります。

反り腰やお腹に力が入っていない猫背は体重が腰にかかり、椎間板への負荷が大きい姿勢です。

普段からの姿勢の悪さが椎間板ヘルニアの原因になるのです。

坐骨神経痛の治療法

坐骨神経痛はあくまでも疾患ではなく症状ですので、治療は対処療法を中心に行われます。

原因となっている疾患が判明して、必要となるのであれば原因療法も用いて治療していきます。治療の基本は手術などを行わない保存療法です。

どんな治療法でも、まずは痛みの原因を突き止める必要があります。

診断を受けたうえで、それに合った治療を行っていきましょう。

対処療法

対処療法とは、症状を抑える目的で行なう治療のことです。苦痛を和らげて症状を楽にすることは、QOLをあげていくことに繋がります。

ここからは様々な対処療法を紹介します。

まず一般の病院で行う主な療法は、薬物療法です。

痛みを抑える鎮痛剤やしびれを抑える神経障害性疼痛治療薬、筋肉の緊張をやわらげる筋緊張弛緩剤、血流を良くする血管拡張薬などがこれにあたります。

対処療法で疾患が治ることはありませんが、症状が和らぐことで心が安らぎ、活動的になるので、体力・筋力の低下を防ぐことができます。

2つ目に、局所麻酔薬や抗炎症剤を神経の近くや神経に直接注射することで痛みをブロックする神経ブロック療法です。

痛みが神経に伝わるのを一時的にブロックすることで、強い痛みが緩和され自律神経の緊張も和らぎます。

その結果、血行が良くなったり新陳代謝が良くなったりして、体内にたまった痛み物質の排出も促されるというわけです。

3つ目に物理療法ですが、これは温熱療法やマッサージ療法、低周波電気療法、赤外線治療などといった物理的な刺激を与えて、症状を緩和する方法です。

これらの治療法により患部を温め、血行を良くすることで痛みを和らげることができます。

他にも患部を引っ張ることで本来の位置に戻し、椎間板などにかかる負担を減らす骨盤牽引も物理療法のひとつです。

4つ目は運動療法です。体操やストレッチで体を動かし、痛みを改善していきます。

手術後のリハビリテーションをイメージするとわかりやすいでしょう。

体に無理のない運動をすることで血行改善を促し、筋肉の緊張を和らげることができます。

徐々に運動の負荷を増やしていき下半身に筋力をつけることができれば、腰椎への負担が軽くなり、代謝機能や身体機能の回復にも繋がります。

医師や理学療法士などの指導を受け、無理なく行っていくことが大切です。

5つ目は装具療法といって、コルセットなどの装具を使い腰椎を安定させることで痛みの軽減をはかる方法です。

コルセットは腹圧をあげて腰椎を固定させる装具であり、良い姿勢を保ち安定させることで患部の負担を減らします。

しかし長い期間使用し続けると筋力の低下につながるので、1か月程度を目安に利用することが多いです。

医師の指導のもと使用するようにしましょう。

最後は、刺激電極を脊髄近くに埋め込んで、電気刺激を与えることで痛みを脳に伝わりにくくする脊髄刺激療法です。

薬剤などの治療法で効果が見られない場合に行われる治療法で、慢性的な難治性の脊柱管狭窄症が原因の坐骨神経痛に使われます。

原因療法

原因療法は根本療法とも呼ばれ、病気の原因を取り除いて治す治療法のことです。外科的療法、つまり手術による治療法が主になります。

坐骨神経痛の場合、手術が行われることはあまりありません。

他の治療法で効果が見られない場合や、他の病気などで必要な場合は手術も検討されます。

坐骨神経痛の予防法

予防のためには、まず適度な運動を心がけましょう。

痛みやしびれの症状があると体を動かすことが辛く、運動不足になりがちです。

軽い坐骨神経痛は筋肉の衰えが原因ということがよくあります。

特におしりの筋肉は坐骨神経を保護し、坐骨神経の血管を守り、血流を維持することで坐骨神経痛を防いでくれます。

血行がよくなっている入浴後など、身体の筋肉がほぐれているときにストレッチをすると効果的です。

ただし強い痛みが出ている時には無理をせず、痛みが和らいでから始めましょう。

また骨や筋肉を良い状態で維持するために栄養をしっかりとることが重要です。

特に動物性食品に多く含まれるビタミンB12は血液をつくり、神経の機能を保つのに重要な役割をはたしています。

欠乏すると神経痛や神経麻痺など神経に障害が起こるので、神経痛の治療薬としてビタミンB12の薬剤が処方されることがあります。

魚介類、藻類、肉類、卵類、乳類に多く含まれており、バランスの良い食事を心がけることで摂取できます。

そして普段からなるべく腰に負担をかけないよう、正しい姿勢を意識して保つように心がけましょう。

畳や床に座るときは、横座り・体育座りなどを避け、イスに腰掛けるときは足を組まず、できるだけ体重が左右均等にかかるように座りましょう。

日常生活で使うカバンや買い物袋も左右に分けたり持ち替えたりして、腰に負担がかからないように工夫してください。

腰に負荷をかけない楽な姿勢は、腰部脊柱管狭窄症が原因の場合と腰椎椎間板ヘルニアが原因の場合で異なります。

腰部脊柱管狭窄症の場合は、少し前かがみの姿勢を意識することで改善されます。

重いものは腰を落としてから持ち上げる、高い場所のものを取るときは気を付けるなど、なるべく低い位置で作業をする事を心がけましょう。

腰椎椎間板ヘルニアの場合は逆で、前かがみにならないような姿勢を意識することが腰への負担軽減になります。

軽くひざを曲げ、前かがみにならないようにすることを意識することが大切です。

最後に、腰・下肢の冷えも坐骨神経痛を発症する要因のひとつです。夏でも体が冷えないような生活を心がけることが大切です。

痛みやしびれが続く場合は、医療機関を受診が適切

坐骨神経痛はあくまでも症状のため、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症だけではなく椎間関節炎などの病気が潜んでいます。

原因を探るには、自己判断せず近隣のクリニックや病院で診察を受けましょう。

MRI・レントゲン検査を行い、適切な治療を行うことで症状の悪化を防ぐとともに、痛みの緩和ができます。

まとめ

坐骨神経痛が悪化すると痛みで歩くことが難しくなり、運動不足から足腰の筋力低下につながります。

足腰が衰えると下肢のバランスが悪くなり、さらに動かなくなるといった悪循環が起こります。

これがロコモティブシンドロームや肥満の原因にもなるのです。

それを防ぐためにも適度な運動バランスの良い食事規則正しい生活習慣を心がけ過ごしていくことが重要です。

改善されない場合は我慢せず、医療機関を受診してください。症状が悪化する前に治療することが大切です。

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こちらの記事の監修医師

すずきこどもクリニック

鈴木幹啓

〇病院名 :すずきこどもクリニック
〇医師  :鈴木幹啓
〇アクセス:和歌山県新宮市下田2丁目3−2
〇診療科 :小児科
〇経歴:株式会社オンラインドクター.com代表取締役CEO
1975年三重県伊勢市生まれ
1995年自治医科大学入学(県からの奨学金制度)
2001年自治医科大学卒業

日本小児科学会認定小児科専門医
国家資格ケアマネジャー

三重県立総合医療センター、国立病院機構三重中央医療センター、国立病院機構三重病院、伊勢赤十字病院、紀南病院
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
【製薬会社社外講師・CM出演等】
グラクソスミスクライン社、JCRファーマ社、杏林製薬、明治製菓ファーマ、鳥居薬品

【メディア出演・TV監修】
日本テレビ、読売テレビ、東京MX、テレビ朝日(医療監修)「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」

【著書】
日本一忙しい小児科医が教える病気にならない子育て術(双葉社)
開業医を救うオンライン診療(幻冬舎)

2020 年 10 月株式会社オンラインドクター.com を設立。

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