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最終更新日:2022年2月22日

投薬治療で「うつ病」悪化の30代女性…症状を改善させた「意外なアプローチ」

こちらの記事の監修医師
天神ホリスティックビューティークリニック
橋本 知子

※画像はイメージです/PIXTA

長引く倦怠感や気分の落ち込みで病院を訪れた結果「うつ病」と診断され、多くの薬を処方された経験のある方は少なくありません。「いつかはよくなる」と信じて服用を続けても、悪化し続ける場合も……投薬治療によりうつの症状が悪化してしまった30代女性の具体例をもとに、天神ホリスティックビューティークリニック院長の橋本知子氏が症状改善のための「意外なアプローチ」を紹介します。

1日中続く倦怠感、気分の落ち込み…原因は「低栄養状態」

昨今、新型コロナウイルス感染が拡大しているなか、うつ病などの精神疾患が増加傾向にあるといわれています。コロナの影響で、我々の生活様式もガラリと変化しました。先のみえない不安、感染への不安、ストレスは増すばかりで、心身の不調を訴える方が増えてきているのが現状です。

繰り返される蔓延防止対策や緊急事態宣言により飲食店も休業や時短営業となり、昼も夜もコンビニ食や冷凍食品、インスタント食品等に頼る人も増えました。すっかり食生活が乱れてしまったという方も多いのではないでしょうか。

そんな食生活を続けていると、次第に頭痛や眠れないなどの不調が出現し、そのうち朝起きられない、寝ても疲れが取れない、1日中続く倦怠感、生理不順、下痢、便秘、気分の落ち込みなど様々な症状に悩まされることになります。

病院を受診し、諸検査を受けるも異常なし。その後も症状は悪化し続け、再度受診して「眠れない、やる気が出ない、疲れやすい」などとお話しすると、「うつ状態」との診断がおりることが多々あります。結果として、症状に対して抗うつ薬や抗不安薬、睡眠導入剤、等々が処方されます。

「元気になる」と信じ内服を続けても、薬が合っていない場合改善どころかどんどん動けない体になっていくこともあります。仕事はおろか、日常生活にも支障を来たすようになり、「このままだと廃人になってしまう」と心配した家族に連れられて当院を受診されるケースがあります。

これは、いわゆる「低栄養状態からのうつ症状」です。

投薬で「うつ症状」が悪化…1人暮らしの30代女性

栄養状態の改善が症状の回復につながった、ある1人暮らしの30代女性のケースをお話ししたいと思います。

彼女は器質的な疾患がないということで、いまある症状はうつの状態だと判断され、対症的に睡眠導入剤や鎮痛剤及び抗うつ剤、抗不安薬が処方されていました。

それでも諸症状の改善は難しく、受診するたびに内服薬が追加され、その後はとにかく1日中起きられないほどの倦怠感と頭痛が持続。

食事を作ることも買いに行くこともできず、体重は減るばかり…症状改善の兆しがみえず、栄養学的な治療を希望され当クリニックを受診されました。

この症例では、まずは1人暮らしをやめて実家に戻ってもらいました。

お母様に食事を作ってもらうようにし、まずは食べられるものから少しずつ食べるように指示しました。頻回に起こる頭痛も低血糖によるものと考え、低血糖対策として補食指導をし、腸内環境改善の為のサプリメントと食事指導を実施しました。

また、多剤処方されていた睡眠導入剤を、朝眠気やふらつきが残りにくいものへ変更をお願いしました。

すると、朝起きられるようになり、栄養療法を続けながら抗うつ薬、抗不安薬をだんだんと減らすことができたのです。

やがて日中も起きていられるようになり、食欲も出て体調も次第に改善、バイトにも行けるなど当たり前の日常が送れるまで回復しました。

“うつかも?”の背景にある「新型栄養失調」

不安、気分の落ち込み、眠れないなど、うつ状態と診断される症状の背景に、「新型栄養失調」が考えられます。

もちろん、「2週間以上続く心身の不調」がある場合は、必ず医療機関を受診していただきたいところです。器質的な疾患の有無、また精神疾患がないかどうか専門医に適切に判断してもらったうえで、栄養学的なアプローチを進めていくことが大切です。

栄養状態が悪ければストレス耐性も弱まってしまいます。

タンパク質やビタミンB群、ミネラルなどの必要な栄養素が不足していると、幸せホルモンのセロトニン、睡眠ホルモンのメラトニン、ときめきホルモンのドーパミン、やる気ホルモンのノルアドレナリン、リラックスホルモンのGABAなどの神経伝達物質がスムーズに作られず、うつ状態になることがあるのです。

抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬などの薬には、各々のホルモンがうまく働く補助の役割があります。しかし、必要な栄養素が足りなければ薬の効果が不十分になったり、副作用が出やすくなったりします。栄養をしっかり補うことで、はじめはゼロにならずとも減薬につながる可能性があります。

また、分子栄養学では、ウイリアム・ウォルシュ博士が提唱した「うつ病の生化学的タイプ分類」があります。メチレーションなどの状態により分類ができ、抗うつ剤のSSRIが効かないタイプを見分けることができます。内服が効かない場合は、血液検査からどのタイプかを判断し今後の治療方針を決めていくことも可能です。

分子栄養学的アプローチとして

  1. 腸内環境を整える(栄養をきちんと吸収できる状態にする)、食生活の見直し
  2. 慢性炎症の治療(上咽頭炎、口腔内の炎症、脂肪肝など)…炎症があると栄養の吸収が阻害されるため
  3. 血液検査から足りない栄養素を推測し補充していく

などの方法があります。このようにして栄養バランス不全が是正されれば、抗うつ薬や抗不安薬なども遥かに効きやすくなります。また、精神科治療との併用療法を行うことで症状の消失、副作用の軽減を期待でき、自立した生活へ戻ることができるのです。

うつ状態改善には「タンパク質」と「ビタミンB群」の摂取を

特にタンパク質とビタミンB群の不足でうつ状態になりやすくなります。リモートワークや外出自粛でおにぎりやカップ麺、パンなどの炭水化物に偏った食生活にはくれぐれも気をつけて欲しいです。タンパク質(肉・魚・卵・豆類)を意識して、毎食「片手いっぱい」くらいの量を摂るよう心がけましょう。

またビタミンB群は8種類あり、チームで働くためB群全体が必要です。不足している場合はB群のサプリメントで補充することをお勧めします。

「原因不明の体調不良」、「心の不調」を感じたら、まずは自分の食事を見直すことから始めていただきたいと思います。

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こちらの記事の監修医師

天神ホリスティックビューティークリニック

橋本 知子

平成3年3月金沢医科大学卒。久留米大学第四内科入局その後祖父、父の跡を継ぎ地域医療に尽力を注ぐ。自身の乳癌をきっかけに分子栄養学に出会い、平成30年分子栄養学を実践する天神ホリスティックビューティークリニック院長に就任

平成3年 金沢医科大学卒業
平成3年 久留米大学第4内科入局
平成4年 東京博慈会記念病院
平成6年 末永病院
平成30年 天神ホリスティックビューティークリニック院長就任

・臨床分子栄養医学認定指導医
・高濃度ビタミンC点滴療法認定医

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