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最終更新日:2021年11月26日

「女性の腹痛」は不妊になる恐れも…クラミジアがもたらす意外な症状

こちらの記事の監修医師
仙台厚生病院
齋藤 宏章(さいとう・ひろあき)

 

(画像=※写真はイメージです/PIXTA)

最近お腹の調子が悪い、下痢をしやすくなった…これからの寒い時期には、そうした胃や腸の症状が増えるのではないでしょうか。意外かもしれませんが、このような症状の原因が「性感染症」であることがあります。放置してはいけない症状を見ていきましょう。

目次

  1. 男女ともに、特に多い性感染症は「クラミジア」
  2. 「女性の腹痛」は放置禁物…不妊に繋がる可能性も
  3. ここ数年間、クラミジアの感染報告は「20代男女」が最多

男女ともに、特に多い性感染症は「クラミジア」

性交によって感染する病気を性感染症といいます。クラミジア、淋菌、性器ヘルペス、梅毒などです。そんな病気、自分には関係ないだろう…と思っている人もいるかもしれませんが、最も頻度が多いクラミジアは、2018年には全国で3万人弱の報告がありました。決められた施設から上がった報告の数なので、実際にはもっと多くの人に蔓延していると推定されています。特に10代後半から30代前半にかけて多く報告されています。

では、性感染症にかかるとどういう症状が出るのでしょうか? クラミジア感染症では、男性の場合、陰部の掻痒感やただれ、排尿時の痛みや排膿などの症状が出ます。

一方、女性の場合は症状がはっきりしないことが多く、不正出血や性交時疼痛などの症状が出ることがあるものの、感染に気づかず過ごしている方が多いことが知られています。

症状のない妊婦に対して検査をしたら、2.4%の人がクラミジアに感染していたという報告もあります(*1)。

性感染症と聞くと「自分とは縁遠い病気」と思われる人もいるかもしれませんが、意外にも一般に広がっている病気なのです。

「女性の腹痛」は放置禁物…不妊に繋がる可能性も

私は普段は消化器内科を受診する患者さんの診療にあたっていますが、性感染症の患者さんに出くわすことがあります。どういうことでしょうか?

たとえば、こういうケースです。

患者さんは20代の女性で、数週間前から時折発熱と下痢の症状があり、なかなか治らないので病院に受診されました。お話を伺うと、みぞおちあたりの腹痛も続いているということでした。

このような場合には、一般的な胃や腸の病気の他に、クラミジアや淋菌などの性感染症が骨盤内に広がっている可能性も考える必要があります。女性の卵管は、腹腔内に交通しているので、そうした細菌が知らない間にお腹の中に広がっていることがあるのです。

これらの細菌が肝臓の周りまで広がり、炎症を起こすと、お腹の痛みや熱などの症状を起こす“フィッツヒュー・カーティス症候群”という病気になります。症状もなんとなく続いたり、あまり特徴的でなかったりするので、診断がつかずに過ごしてしまうことがあります。採血や尿検査に加えて、CT検査などで診断をつけることができます。

肝臓の周りまで炎症が広がるような場合はあまり頻度は多くないものの、クラミジアの骨盤内への感染は不妊の原因となることがありますから、疑われる場合には検査を受けたほうが良いでしょう。

上記の例の患者さんはCTで肝臓の周りの炎症が判明したため、フィッツヒュー・カーティス症候群の診断で抗生剤の内服を開始してもらいました。

ここ数年間、クラミジアの感染報告は「20代男女」が最多

若者の間で性感染症が増えている、というニュースを耳にすることがあります。これは本当でしょうか。

クラミジア感染症では、実は2000年ごろに比べると、感染症の報告数自体は落ち着いて来ていました。国立感染症研究所の発表によると(*2)、施設からの報告は2002年をピークに男女とも減少傾向にあります。

一方で、直近の数年をみると増加傾向で、2020年は2015年と比べると男性は1.3倍、女性は1.1倍に増加しています。男女ともに20代の報告が最も多くなっています。こうした数値が、若者の間ではより感染症が広がっているのではないか、と推測されている根拠です。

クラミジア感染症自体は、診断がつけば、抗生物質の内服で治療が可能な病気です。一方で、症状がわかりにくく、パートナー同士で感染した場合にはお互いが治療をしないと再び感染してしまう(=ピンポン感染)、不妊の原因になる、などの問題を抱えています。

もしかして…という症状が、自分やパートナーに当てはまる場合には一度、医療機関への受診をおすすめします。

*1 日経メディカル『妊婦の2.4%にクラミジア感染症』
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201504/541614.html

*2 NIID 国立感染症研究所『性器クラミジア感染症の発生動向、2000年-2020年』
https://www.niid.go.jp/niid/ja/chlamydia-std-m/chlamydia-std-idwrs/10630-chlamydia-21sep.html

齋藤宏章先生
齋藤 宏章(さいとう・ひろあき)
仙台厚生病院消化器内科 医師

日本内科学会 認定内科医

福岡県福岡市出身。福岡県立修猷館高校、東京大学医学部医学科卒業。
現在は宮城県仙台厚生病院消化器内科に勤務し、内視鏡をはじめとする消化器内科疾患全般の診療に従事。2019年より福島県立医科大学医学部博士課程にも所属している。

AIをはじめとする、内視鏡診断・治療に関わる研究や、消化器系のがん検診の実態と課題の解明に関わる研究、製薬企業の医師に対する謝礼金の実態を分析する研究など、医学領域の研究に広く取り組む。

こちらの記事の監修医師

仙台厚生病院

齋藤 宏章(さいとう・ひろあき)

仙台厚生病院消化器内科 医師

日本内科学会 認定内科医




福岡県福岡市出身。福岡県立修猷館高校、東京大学医学部医学科卒業。
現在は宮城県仙台厚生病院消化器内科に勤務し、内視鏡をはじめとする消化器内科疾患全般の診療に従事。2019年より福島県立医科大学医学部博士課程にも所属している。

AIをはじめとする、内視鏡診断・治療に関わる研究や、消化器系のがん検診の実態と課題の解明に関わる研究、製薬企業の医師に対する謝礼金の実態を分析する研究など、医学領域の研究に広く取り組む。

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