最終更新日:2021年8月24日
不妊症の原因を解説|女性と男性それぞれで考えられる原因は?不妊の検査や診断後の選択肢についてもご紹介
こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓

妊娠を希望している夫婦間でなかなか子どもを授かれないのは、不妊症が原因の場合もあります。
不妊症の原因は男性側の原因・女性側の原因・男女双方の原因、そして原因不明のものまで様々です。
不妊治療を受けたことのある夫婦は、夫婦全体の18.2%で、約5.5組に1組の割合といわれています。
今回は男性と女性のそれぞれの不妊症の原因、そして不妊症の検査や診断後の選択肢について確認していきましょう。
不妊症の様々な原因

妊娠するには、女性の子宮の中で精子と卵子が受精し、受精卵が卵管を通って着床する必要があります。
その過程の中で1つでも異常があれば妊娠は成立しないため、妊娠は簡単にできるものではありません。
不妊症の原因は様々で、必ずしも女性側に原因があるわけではないので、不妊治療には夫婦で協力して取り組むことが大切です。
以下項目では、不妊の様々な原因を分かりやすく解説します。
女性側の理由

女性側に考えられる不妊の原因だけでも、3つ以上のパターンが考えられます。
以下項目では、女性が抱える不妊の様々な原因について確認してみましょう。
女性側の理由は様々

「排卵因子」「卵管因子」「子宮因子」などが女性側の代表的な不妊の原因です。
女性の卵子数は生まれた時から決まっており、女性が年を重ねるにつれて卵子の質や卵巣機能は低下してきます。
つまり、妊娠を希望する年齢が高ければ高いほど、妊娠しにくい状態になるといえるでしょう。
不妊の原因は人によって様々ですので、原因を把握し正しい治療を行うことが大切です。
排卵因子
排卵の際に問題が生じると、不妊の原因となります。
排卵が正常に行われているかを確認する手段として効果的なのが基礎体温です。
毎月規則的に月経があり、基礎体温表が基準値であれば排卵には問題ないでしょう。
しかし、以下の要素がある人は排卵に問題がある可能性があります。
・月経が不規則
・月経周期が異常に短いまたは長い
・基礎体温が不安定
排卵因子が原因の場合は、排卵するまでの間に卵子がきちんと育たず、たとえ育ったとしても排卵できず妊娠に至りません。
卵管因子

女性側の不妊の原因で30~40%を占めるものが卵管因子です。
通常子宮内で受精した受精卵は、卵管を通って子宮内に着床します。
しかしこの卵管が詰まっていたり、細くなって通れなかったりすると妊娠に至ることができません。
その原因としては性器クラミジア感染症によるものが多く、卵管閉塞や癒着を引き起こします。
クラミジア感染は女性の場合、無症状であることが多いため注意が必要です。
不妊症には性感染症も深くかかわってきますので、その場合はパートナーと一緒に治療が必要となります。
子宮因子
子宮筋腫・子宮内膜症・子宮奇形など、子宮に異常がある場合も不妊の原因と考えられます。
例え受精できたとしても、子宮の異常が邪魔してうまく着床できず、妊娠に至ることができません。
その中でも子宮筋腫の1つである粘膜下筋腫は、着床を妨げる以前に、精子が卵子と出会うことを妨げ妊娠しづらくなります。
月経量が多く貧血気味の方は子宮筋腫の可能性もあるため、早めに医師の診断を受けるようにしてください。
その他
その他にも頸管因子・免疫因子・原因不明不妊など、様々な不妊の原因が考えられます。
頸管因子による不妊は、排卵時期に増えるはずの頸管粘液の量が減少し、精子の子宮内への侵入を妨げることが原因です。
免疫因子による不妊は、免疫異常により抗精子抗体を産生してしまうことが原因とされています。
検査をしても原因がみつからないという「原因不明不妊」などもありますので、不妊が疑われる場合は、医師の的確な診断が必要です。
男性側の理由

不妊の原因はもちろん女性だけではありません。男性側に原因のある不妊の割合は4割と約半分を占めているのです。
男性側の不妊理由としては、造精機能障害・性機能障害・精路通過障害などがあげられます。
以下の項目を参考に、それぞれの原因を詳しく確認しましょう。
造精機能障害
男性の不妊理由の中で8割ほどを占めるのが、造精機能障害です。
精子は精巣で作られますが、その過程がうまくいかないと精子の数が少なくなったり、運動機能が落ちたり、奇形率が高くなったりします。
精子の質が悪いと受精能力が落ち、妊娠につなげることができません。
造精機機能障害を持つ男性に多く見られるのが精巣やその上にある精索部に静脈瘤ができてしまう精索静脈瘤です。
精索静脈瘤は手術により改善できるため、早期発見ができるよう定期的な検査を受けることをお勧めします。
その他にも無精子症や乏精子症など様々な病気がありますので、まずは検査をして原因を明確にしましょう。
性機能障害

性機能障害は勃起がうまくできなかったり、射精が十分に出なかったりする病気です。
性機能障害は、性行為に支障をきたすため不妊の原因となります。
不妊治療を意識するあまり、ストレスを感じて性機能障害になる男性も多いです。
また性機能障害となる背景には、糖尿病や神経障害など様々な病気が隠れている場合もあります。
勃起異常などに悩む男性は、なるべく早めに医師に相談するようにしましょう。
精路通過障害
精路通過障害とは、精子が通る管が細くなっていたり、詰まっていたりすることで、精子の排出が上手くできない病気です。
この場合射精しても精子が排出されないため、精液の中が無精子状態となります。
精子が正常に排出されないと、妊娠はできませんので男性側の治療が必要です。
その他
その他にも精液がつくられない「無精液症」や、精液が膀胱に逆流してしまう「逆行性射精」などが存在します。
炎症により精子の運動能力が低下してしまう「膿精液症」も不妊の原因の1つです。
不妊症の発症頻度

不妊症の頻度は年々増加しており、その背景には晩婚化・女性の社会進出・妊娠出産の高齢化などがあります。
女性の身体的な機能低下もあり、30代からは年齢が上がるにつれて無事に妊娠に至る確率も低下します。
妊娠したいと思っても、年齢が高くなれば高くなるほど妊娠の可能性は低下するのです。
不妊症発症率は30代前半で約15%、30代後半で約30%、40歳を過ぎると約64%が自然妊娠の希望が薄くなるといわれています。
そして45歳を過ぎると、卵子の質の低下から妊娠に至る確率はほぼないといわれています。
現在、夫婦全体のうち5.5組に1組の割合で不妊の検査や治療を受けているといわれています。
しかし、これは実際に病院に行く行動を起こしている夫婦の割合であるので、実際にはもっと多くの方が不妊について悩んでいるといえるでしょう。
不妊症の受診目安

妊娠を望んでから1年以上妊娠に至らない場合は、不妊症の受診をお勧めします。
不妊症の定義としては「ある一定期間」を1年以上と定めているため、1年を目安に受診する人が多いです。
女性の場合月経周期が不規則だったり、月経異常があったりする場合は、早めに婦人科で検診を受けましょう。
子宮筋腫、子宮内膜症などの器質性疾患がある場合は、早期治療をすることが大切です。
不妊症の検査

不妊症の検査も、女性側の検査と男性側の検査があります。
どちらにどのような原因があるかわかりませんので、不妊が疑われた場合は一通り検査をすることが大切です。
女性の場合は検査の前に基礎体温表を持参することで、余分な検査を省くことができます。
基礎体温表があると医師も不妊の原因を探りやすくなるので、来院する2~3か月前から基礎体温をチェックすることをお勧めします。
女性側の検査
妊娠には、エストロゲン・プロゲステロンなど様々なホルモンが関わってきます。
これらのホルモンの値を調べることで子宮や卵巣機能の状態を調べることができます。
ホルモン検査はそれぞれ適した時期がありますので、月経周期を見て医師と相談しながら検査日を決めましょう。
また、子宮卵管造影法という検査もあります。これは、卵管が正常に通過しているかどうかを調べる検査です。
さらに重要なのが超音波検査です。子宮内を超音波で検査することで現在の子宮の状態を把握できます。
超音波検査ではおおよその排卵日を算出することもできるため、不妊治療には必須の検査といえるでしょう。
男性側の検査

男性の場合は精液検査を行います。精液検査をするには数日間の禁欲が必要です。
検査では精液を容器にとって、精子の数や濃度、運動率や奇形の有無を調べます。
また検査では、夫婦間の相性を確認することも可能です。フーナーテストでは、女性の頸管粘液と精子の適合性をみることができます。
原因がわからない場合
上記のような検査を行っても原因がわからない場合は、原因不明不妊が疑われます。
原因不明不妊の場合は、年齢や状況によって治療法が変わります。
若くて不妊期間が短い場合はタイミング療法から始め、6か月から1年間様子を見るのが一般的です。
高齢で不妊期間が1年以上の場合はすぐに不妊治療を行います。それでも妊娠しない場合は人工授精、ARTなどのステップに進みます。
不妊症と診断された後の選択肢

不妊症と診断されたときの衝撃は、妊娠を望む夫婦にとって計り知れません。
診断後は、まず夫婦で「本当に子供が欲しいのか」ということをきちんと話しあう必要があります。
不妊治療は精神的にも身体的にも苦痛を伴いますので、夫婦で協力して治療に臨むことが理想的です。
不妊治療は「妊娠すること」が前提にありますが、「子どもを持たない選択」もあるということを頭に入れておきましょう。
治療を開始するという選択をした場合は、まずはタイミング療法を行い、自然妊娠を促すのが一般的です。
タイミング療法では超音波検査を行い、排卵日を特定しながらタイミングを計っていきますので、通院する時間も負担も増えます。
ホルモン検査で異常があればホルモン補充療法も並行して行わなければいけません。
タイミング療法を行っても妊娠に至らない場合は、人工授精・体外受精・顕微授精にステップアップしていきます。
体外受精や顕微授精はART(生殖補助医療)とよばれ、保険がきかず自費診療となるため金銭的な負担がかかります。
不妊治療をどこまで行うのかも、夫婦で必ず話し合いましょう。
まとめ

不妊に悩む夫婦にとって、不妊の原因や不妊治療を正しく把握することは非常に大切です。
妊娠は女性の子宮内で卵子と精子が受精し、卵管を通って着床するという過程の中で起こります。
その過程で少しでも異常が起これば妊娠にはいたりません。
全夫婦の5.5組に1組が不妊治療を行っている現状を考えると、不妊症自体で悩んでいる夫婦はさらに多いといえるでしょう。
不妊の原因は様々ですので、不妊治療ではまず原因を特定することが大切です。
不妊治療を開始する際は、「本当に子どもがほしいのか」ということを夫婦でしっかりと話し合い、夫婦で協力して取り組むようにしましょう。
不妊治療をしたからといって、必ず妊娠するわけではありません。
将来の選択肢を夫婦で十分に話し合い、お互いに無理のない範囲で治療に専念するのが理想です。
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こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓
〇病院名 :すずきこどもクリニック
〇医師 :鈴木幹啓
〇アクセス:和歌山県新宮市下田2丁目3−2
〇診療科 :小児科
〇経歴:株式会社オンラインドクター.com代表取締役CEO
1975年三重県伊勢市生まれ
1995年自治医科大学入学(県からの奨学金制度)
2001年自治医科大学卒業
日本小児科学会認定小児科専門医
国家資格ケアマネジャー
三重県立総合医療センター、国立病院機構三重中央医療センター、国立病院機構三重病院、伊勢赤十字病院、紀南病院
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
【製薬会社社外講師・CM出演等】
グラクソスミスクライン社、JCRファーマ社、杏林製薬、明治製菓ファーマ、鳥居薬品
【メディア出演・TV監修】
日本テレビ、読売テレビ、東京MX、テレビ朝日(医療監修)「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」
【著書】
日本一忙しい小児科医が教える病気にならない子育て術(双葉社)
開業医を救うオンライン診療(幻冬舎)
2020 年 10 月株式会社オンラインドクター.com を設立。
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