舌苔の原因とは？ストレス？タバコ？

鏡で自分の舌を見ると、意外と白く汚れていることがあります。これは「舌苔」と呼ばれる細菌や食べ物のカスが付着している状態です。この記事では舌苔ができる原因について詳しく解説しています。基本的には舌苔が付いていても問題はありませんが、病気の前兆の場合もあります。舌苔が起きる原因を理解しておくことをおすすめします。

舌に細菌が付着する「舌苔」

「舌苔」とは舌に細菌や食べ物のカスが付着して白っぽく見える現象です。舌の表面は凹凸があり、汚れが付着しやすくなっています。舌苔がついていることは病気ではありませんが、味覚に異常が出たり口臭の原因となったり他の病気に繋がったりする可能性があります。

舌苔の原因

「舌苔」がつく主な原因を4つ紹介します。

口腔ケア不足

歯を磨くときに舌も一緒に磨いていますか？細菌や食べ物のカスを落とすために、歯磨きの時に舌も軽くブラッシングすることをおすすめします。また、最近では舌用ブラシも多く販売されています。通常のハブラシだと硬くて舌が痛いと感じる場合は、舌用ブラシを購入してケアしてみてはいかがでしょうか。

口内の乾燥

口の中が乾燥すると細菌が増えやすく、舌苔が舌にこびりつきやすくなります。口の中の乾燥は口臭の原因となりますので、早めに対処した方が良いでしょう。口呼吸で生活していると、特に口の中が乾燥しやすくなります。また、鼻が詰まっている状態の場合は正常な鼻呼吸となるよう耳鼻科を受診して治療することをおすすめします。

唾液が少ない

唾液には舌苔を構成する細菌や食べ物のカスを洗い流す作用があります。そのため、唾液が少ないと舌苔が舌に残りやすくなります。唾液の量は加齢と共に減少したり、「シェーグレン症候群」という病気の症状で少なくなったりします。

舌の形によるもの

生まれつき深い溝がある「溝状舌（こうじょうぜつ）」という舌をもつ方がいます。溝があること自体は特に問題はありませんが、溝に細菌や食べ物のカスが貯まりやすいため舌苔が増えやすい場合があります。

ストレス・タバコや病気が舌苔の原因になることも

「舌苔」がつく原因は上記で紹介した4つの原因の他、生活習慣や病気の可能性もあります。

ストレスによる舌苔

ストレスがたまっていると、交感神経が活発になり唾液の分泌が減ります。上記でも紹介したように唾液の洗浄効果が少なくなると、舌苔が増えてしまいます。

タバコによる舌苔

タバコに含まれる成分の1つ「タール」は粘着性があるため、細菌や食べ物のカスがより舌に付きやすくなります。唾液の洗浄力だけでは舌苔が落ちにくくなり、新たな汚れもさらに付着しやすくなります。また、他の成分である「ニコチン」は唾液の分泌量を減らしてしまいます。最初は白かった舌苔がタールによって茶色く変色することもあり、強い口臭の原因になりますので早めに対処することをおすすめします。

病気による舌苔

舌苔をケアしていても舌の白さが改善されない場合、病気の可能性があります。

• 口腔カンジダ症：常在菌であるカンジダ菌が異常増殖する病気です。口の中が荒れたり味覚がおかしくなったりすることがあります。初期の段階であれば口腔ケアを行っていれば自然治癒することもありますが、症状が悪化した場合は抗真菌薬を処方してもらう必要があります。
• 白板症：口の中の粘膜の上皮が厚ぼったくなり、毛細血管が見えなくなって舌が白く見える病気です。痛みはありませんが、舌に変形が見られる場合は舌がんの前段階の可能性があるので検査をすることをおすすめします。
• 全身疾患やほかの部位の不調：胃腸が不調の場合は舌苔を厚くすることがあります。その他抗生物質やステロイド剤を長期的に服用していると、口の中の細菌のバランスが悪くなり舌苔が増えることもあります。

舌苔が気になる場合は、歯医者を受診しましょう。

まとめ：舌苔の対策・改善には原因を知ることが大切

舌苔自体は特に病気というわけではなく、健康な人でも多少は付いているものです。日ごろの歯磨きの際に舌のブラッシングを取り入れてみましょう。ただし、ストレスや全身状態の不調などから舌苔が厚くなることもありますので、気になる場合は歯医者を受診してみてくださいね。