最終更新日:2021年8月24日
中性脂肪が高いことで引き起こされる病気や身体への影響を解説!中性脂肪を減らすためにすべきことをご紹介

こちらの記事の監修医師
医療法人いそわクリニック
磯和剛平

健康診断の結果を見て、中性脂肪の数値の高さにショックを受ける方は少なくありません。
検診後の職場で必ず話題になるのが「中性脂肪」ではないでしょうか。
そんなにたくさん食べていないのにどうして中性脂肪が上がったのだろう。
ふと疑問に思う方もいるかもしれません。
ここでは、中性脂肪が高くなる原因とそれによって引き起こされる身体への影響、そして中性脂肪を減らすためにできることをお伝えします。
中性脂肪が高くなる原因

中性脂肪の数値が高い場合、数値を下げる努力が必要になってきます。
では、そもそも中性脂肪が高くなる原因は何なのでしょうか。
その原因は主に以下の4つが考えられます。
脂質の多い食事
つい手が伸びてしまう揚げものやスナック菓子やチョコレートには脂質がたくさん含まれています。
脂質に含まれるコレステロールの多い食べものを過剰に摂取すると、その分体に脂肪がつきやすくなってしまいます。
卵類や内臓類などコレステロールを多く含む食品、バターやポテトチップスなどコレステロールを上昇させる食品は注意が必要です。
仕事で一息つきたい時さっと食べられる手軽なお菓子ですが、小さな積み重ねで大きな病気を招いてしまう危険性があります。
アルコールの過剰摂取
仕事終わりに立ち寄った居酒屋で会社の同僚とお酒を飲んだり、時々家で静かに晩酌したり、という程度であれば問題ありません。
しかしアルコールの「過剰摂取」には注意しましょう。
アルコールの過剰摂取は中性脂肪を高めることにつながります。
アルコールによって代謝に影響される脂質はHDLコレステロール(善玉コレステロール)です。
HDLコレステロールはアルコールの摂取量の増加に伴って増えます。
過度な飲酒は血圧の上昇をもたらし、あらゆる病気につながる原因にもなります。
ストレス

人間関係や睡眠不足や疲労などによって引き起こされるストレスにも注意が必要です。
自分では「たいしたことない」と感じていても、身体には大きな負担がかかっていることもあります。
ストレスを感じると体の血管が収縮し血圧が上昇します。
また、ストレスにより食生活が乱れ、発散のために過度な飲酒をし続けるとやがてコレステロールの増加につながってしまうのです。
気づかないうちに蓄積したストレスにより、身体に中性脂肪が蓄えられていくことを覚えておきましょう。
体質
日常生活で受ける影響のほか、そもそも体質的に中性脂肪が高くなりやすい人もいます。
食事や飲酒にも気を付け、ストレスも感じてないのに中性脂肪が溜まりやすいと思っている人がいるのではないでしょうか。
そうした人は体質的に中性脂肪の数値が高くなりやすい可能性があります。
中性脂肪が高いことで引き起こされる病気

中性脂肪が高まると、血液に脂肪が留まってドロドロになり、多くの病気を引き起こす可能性があります。
よく耳にする肥満やメタボリックシンドロームから、脂質異常症・糖尿病・高血圧症・高尿酸血症などの病気を引き起こす恐れがあるのです。
また動脈硬化が進行して脳梗塞や心疾患につながる可能性もあります。
日頃の行動によって高まった中性脂肪が、最悪の場合死に至る疾患を引き起こすこともあるのです。
中性脂肪の高さが身体に及ぼす影響

中性脂肪の高さが及ぼす身体への影響には、以下の2点が考えられます。
生活習慣病の原因になる
中性脂肪が高まると脂質異常症や高血圧症、糖尿病に代表される生活習慣病の原因になります。
現代人の多くが悩まされているこれらの病気の原因は、この中性脂肪の高まりにあると考えられているのです。
生活習慣病は死亡者数の約6割を占めているといわれています。
中性脂肪を低下させ、生活習慣病を防ぐことが健康に生きるために必要といえるでしょう。
動脈硬化のリスクを高める
中性脂肪に含まれるLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が増加しすぎると血管の壁に溜まり、動脈硬化を引き起こします。
動脈硬化が進行して血管が狭まると、狭心症や心筋梗塞といった心疾患を引き起こすリスクがあるのです。
血栓ができることで血管が詰まり、脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患に移行する可能性もあります。
これらの病気を防ぐためには血液をサラサラの状態に保つ必要があり、中性脂肪を下げることが必須となってくるのです。
中性脂肪の基準値

中性脂肪の数値が高くなった場合、身体に及ぼす悪影響は多く、深刻な疾患をわずらう可能性もあります。
とはいえ、中性脂肪は身体にとって不可欠であることは忘れてはいけません。
ただし異常に中性脂肪が多すぎると、血管の壁が狭まるなど様々な原因で身体に異変をもたらします。
日本人間ドック学会の資料によると、中性脂肪の基準範囲は「30~149㎎/dl」とされています。
数値が高いと動脈硬化を進行させ、低いと低βリポたんぱく血症、低栄養などが疑われます。
数値の高さを気にしすぎても抑えすぎても健康な状態ではありません。
ほどよくコントロールすることが必要なのです。
中性脂肪を減らすためにすべきこと

このように中性脂肪は高すぎると健康を害し、身体に異変をもたらしたり様々な病気になったりするリスクがあります。
それでは、実際に中性脂肪を抑えるためには、日ごろどのようなことに注意すればよいのでしょうか。
食事内容の見直し

まず、真っ先に改善できるのは毎日の食生活です。
朝、昼、晩と1日3食の食事のほか、仕事の合間に気づけばついついお菓子に手が伸びていたりするものです。
スーパーの帰り道についパン屋さんでバターたっぷりの菓子パンを買って帰ることもあるでしょう。
たまにぜいたくをすることも日々の幸福のためには必要です。
しかし恒常化すれば健康を害し、かえって不幸をもたらすことになってしまいます。
いくつか簡単な改善方法をご紹介しましょう。
・テレビを見ながら惰性で口に運んでしまうスナックを控える
・スーパーで安売りされた揚げ物ばかりの晩御飯を変えてみる
・トーストにたっぷり塗っていたバターの量を見直す
・毎日飲んでいるお酒を週4日に減らしてみる
こうした日々の食生活の中で些細な心掛けをすることが中性脂肪の高まりを抑え、健康的な身体へと導いてくれます。
しかし、過度な禁欲はストレスの原因となって逆効果になりかねません。
まずは小さな意識改革から始めましょう。
適度な運動

中性脂肪の中でも内臓脂肪は運動によって減らすことができます。
運動というと、腕立て伏せや腹筋やウェイトリフティングで腕の筋肉を鍛えるなどを想像しがちです。
自分を追い込んで筋力を増量させる運動でなく、もっと軽い運動で構いません。
毎朝15分程度のウォーキングやランニングをしてみる。
週末は市民プールで泳いで、ジムで有酸素運動を行うくらいでいいのです。
日常の中に運動を取り入れて継続して取り組むことで、中性脂肪を下げることができます。
夏の暑い時期や極寒の冬に外で運動することに気が滅入る方は、家の中でできるような簡単な運動もおすすめです。
例えば健康器具を買って、動画サイトに投稿されているストレッチ動画を見ながら運動してみるのもいいかもしれません。
中性脂肪低減に効果的な食事や飲み物

中性脂肪を下げるための具体的な食生活の改善方法を見ていきましょう。
中性脂肪低減に効果的な食事や飲み物についても紹介します。
効果的な食事
中性脂肪を減らすには、魚類・食物繊維・植物性タンパク質を多く摂取することが効果的です。
魚類には、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)といった良質の油が多く含まれています。
これらの油によって血液をサラサラすることで動脈硬化が予防でき、また中性脂肪を下げるのにも効果的です。
特にこれらの良質な油が多く含まれているイワシやサバなどの青魚を積極的に摂取しましょう。
魚を食べるときは、焼くよりも生のまま食べたり煮たりする方が栄養素を効果的に摂取できます。
焼きさばよりもさばの味噌煮、しめ鯖などで食べる方がいいでしょう。
またキノコ・野菜などの食物繊維を多く含んだ食品を摂取することで、腸内のコレステロールの吸収を妨げることもできます。
豆類に多く含まれる植物性タンパク質をたくさん摂取すると、血液中のコレステロールを減少させることができます。
野菜類や豆類は積極的に摂取するといいでしょう。
効果的な飲み物
日本人が古くから慣れ親しんできた緑茶には、中性脂肪を下げる効果があります。
緑茶にはポリフェノールの一種であるカテキンが多く含まれています。
カテキンは食後の血糖値の上昇を抑制、糖の吸収を抑えることで中性脂肪として蓄えられることを防いでくれるのです。
また脂肪燃焼効果やコレステロールの異常を整えるなど、中性脂肪が気になる方には嬉しい効果が期待されます。
そのほか、ウーロン茶に含まれるポリフェノールやコーヒーに含まれるクロロゲン酸も中性脂肪を下げる働きがあります。
カフェインのとりすぎは避けるべきですが、生活の中で少しずつ取り入れていくのが望ましいでしょう。
中性脂肪を上げないための心がけ

中性脂肪を上げないためには生活習慣が重要です。
ここでは、中性脂肪を上げないための心がけについて紹介します。
過度な脂質の吸収が中性脂肪を高めることについてはすでに話しました。
数値を上げないために、脂質を摂りすぎない食事を心がける必要があります。
また、間食による過剰な脂質の摂取を抑えるために、1日3食しっかり食べましょう。
食事は油ものに偏りすぎず、青魚や野菜・豆類を積極的に取り入れてください。
さらに適度な運動を心がけることが、中性脂肪の上昇を防ぐことにつながります。
頑張りすぎず、毎日続けられる程度の運動を心掛けましょう。
そして中性脂肪の原因となるストレスを防ぐために、精神的な安定や心の健康維持が大切です。
職場やご近所関係など、日々の中でストレスを過剰に溜めすぎないように心がけるといいでしょう。
まとめ

中性脂肪を減らす努力をしなければ、と考えると気が重いでしょう。
しかし過度な抑制や行動が必要なのではなく、あくまでも小さな改善でいいのです。
中性脂肪を下げ、それによって健康が手に入ると考えれば前向きに取り組んでいけるのではないでしょうか。
無理せず少しずつ習慣を改善し健康な人生を手に入れましょう。
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こちらの記事の監修医師
医療法人いそわクリニック
磯和剛平
〇病院名 :医療法人 いそわクリニック
〇医師 :磯和 剛平 先生
〇アクセス:大阪府寝屋川市高柳栄町9-5
〇診療科 :内科・胃腸科・外科
〇経歴:
1981年 京都大学医学部卒業
1989年 京都大学 大学院卒業・博士号修得
テーマ:肝細胞癌における遺伝子修復酵素の研究
1981年 京都大学医学部附属病院外科研修医。
公立甲賀病院、都志見病院、医仁会武田総合病院で外科医として勤務
腹部一般外科、救急医療を中心に診療を行った。
都志見病院では、5年間にわたり、上部・下部消化管内視鏡(胃カメラ・大腸ファイバー)ERCP、
内視鏡的食道静脈瘤硬化術などの消化器内科診療や、糖尿病内分泌疾患、循環器疾患、呼吸器疾患
などの内科診療を広範囲に行った。
1996年12月 いそわクリニック開業
仮想待合室型オンライン診療対応の医療機関募集中
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