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最終更新日:2022年3月25日

とがん兎眼

こちらの記事の監修医師
菅原眼科クリニック
菅原 道孝 

概要

兎眼(とがん)とは、なんらかの原因によってまぶたを閉じることができなくなり、眼球表面が露出したままになってしまう病気です。神経の麻痺などの影響によることが多いです。うさぎは目を開けたまま眠ると信じられていたため、「まぶたを閉じることができない」病気が兎眼と呼ばれるようになったと言われています。目の表面が乾燥するため様々な合併症が出現します。

原因

顔面神経まひの影響によってまぶたの開け閉めを行う眼輪筋が障害されることが主な原因です。顔面神経麻痺のもっとも多くを占めるBell(ベル)麻痺は、人口10万人当たり年間20~30人が発病し、決してまれではありません。Bell麻痺の多くは、ヘルペスウィルスが原因で発症すると考えられており、Bell麻痺の約70%が自然治癒するとされていますが、治療を行っても顔面神経麻痺が残ってしまうケースもあります。そのほか、脳梗塞や脳腫瘍の影響、甲状腺眼症により眼球が突出することによって発症したり、外傷や他の病気によっても兎眼を生じることがあります。

症状

まぶたを閉じられないことで様々な症状がおきます。角膜が著しく乾燥するようになり、目の痛みやかすみ、光を眩しく感じるような症状などが出現します。目の中にゴミが入ったような「ゴロゴロする感じ」や目の充血が出現し、さらに乾燥が進行することで、角膜に傷がついて角膜炎や角膜潰瘍などを合併します。眠っている時にだけ症状が現れる、夜間性兎眼もあります。

検査・診断

目の検査としては、視力や眼圧などの一般的な眼科検査に加え、角膜や結膜の傷を調べるために表面を色素で染め、角膜や結膜に障害がないか確認します。また、兎眼の原因となっている神経麻痺(顔面神経麻痺)の検査として、脳のMRIやCTなどの画像検査を行うこともあります。眼球突出などの症状が確認される場合には、甲状腺機能検査などを追加して原因の精査を行います。

治療

兎眼の原因となっている病気があればその治療を行います。角膜の乾燥に関しては、点眼薬や軟膏の他睡眠時の眼帯装用を行い、眼球を保護します。重症化している場合はテープにより強制的にまぶたを閉じさせたり、上下のまぶたを縫い合わせたりすることもあります。

予防/治療後の注意

ドライアイなどの眼に対する対処療法を行いながら、まぶたが閉じられない原因を解決するための治療やリハビリを効果的に行っていくことが重要です。

こちらの記事の監修医師

菅原眼科クリニック

菅原 道孝 

〇診療科 : 眼科

【経歴】  
平成11年3月順天堂大学医学部 卒業
平成11年5月東邦大学医学部付属佐倉病院眼科入局
平成16年4月杏林大学眼科非常勤臨床助手(国内留学)
平成18年4月東邦大学医療センター佐倉病院眼科病院助手
平成19年4月医療法人社団済安堂井上眼科病院入職
平成22年10月医療法人社団済安堂井上眼科病院医局長
平成24年10月医療法人社団済安堂井上眼科病院副院長
平成27年4月医療法人社団八光会菅原眼科クリニック理事長

治療に適した診療科目

神経内科 耳鼻咽喉科

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