オンライン診療対応クリニック病院検索・クリニック動画紹介のイシャチョク

  • 一般会員
  • 医師会員
  • 法人会員

イシャチョク

一般
会員
医師
会員
法人
会員

最終更新日:2022年3月25日

ぶどうまくえんぶどう膜炎

こちらの記事の監修医師
菅原眼科クリニック
菅原 道孝 

概要

ぶどう膜炎は、眼内に存在する「ぶどう膜」と呼ばれる組織に炎症が起こる疾患です。ぶどう膜は、網膜や強膜とともに眼球を構成する膜のような組織であり、虹彩、毛様体、脈絡膜の3つの部分から構成されています。虹彩は、瞳孔の周囲にある環状の組織で、カメラのしぼりのような働きをしており、眼の中に入れる光の量を調節しています。毛様体は筋肉から構成されており、遠くのものや近くのものにピントを合わせる働きをしています。脈絡膜は、眼球の後ろ側を覆っている大きな膜のような組織であり、脈絡膜に存在する豊富な血管が、目の内側に栄養を与える働きをしています。ぶどう膜炎は、これら眼の重要な組織の一部もしくは全体に炎症が起こる疾患であり、炎症の起こった部位が虹彩の場合には虹彩炎、脈絡膜の炎症は脈絡膜炎、脈絡膜の炎症が網膜にも及んだ場合は脈絡網膜炎と呼ばれることもあります。ぶどう膜炎は時に重症化し、場合によっては失明するリスクもあるため、早期から適切な治療を行うことが重要となります。

原因

明確な原因が不明なことも多いぶどう膜炎ですが、原因は大きく分けて感染性のものと非感染性のものに分けることが可能です。感染性のぶどう膜炎の場合、単純ヘルペスウイルス、帯状疱疹、結核、トキソプラズマ症などが原因となることが多いです。その他細菌や寄生虫などもぶどう膜炎の原因となる場合があります。非感染性のぶどう膜炎の場合サルコイドーシス、フォークト・小柳・原田病、ベーチェット病、強直性脊椎炎、若年性特発性関節炎、炎症性腸疾患などの自己免疫疾患に合併して発生することが知られています。

症状

ぶどう膜炎の症状は炎症の程度や発症部位によってさまざまです。眼がかすむ、まぶしくて目が開けにくい、眼の充血、目の痛み、ものがゆがんで(二重に)見える、虫が飛んでいるように見える(飛蚊症)などの症状が出現します。ぶどう膜炎の発症は片眼の場合もあるし、両眼に起こる場合もあります。ぶどう膜炎は急速に眼を損傷する可能性もあり、急激に症状が進行し、視力の低下や網

検査・診断

病状や病歴を問診することでぶどう膜炎の発症を疑います。一般的な視力検査や眼圧検査の他、目の奥を検査する眼底検査などが行われます。また、ぶどう膜炎の診断によって全身性の自己免疫疾患が発見されることもあり、必要に応じて血液検査やレントゲン、CTや内視鏡検査などが行われる場合があります。

治療

ぶどう膜炎の治療の基本はステロイド薬の投与です。症状の程度にもよりますが、ステロイドの点眼薬を使用しながら炎症を抑制する治療を行います。場合によっては内服(飲み薬)や注射(点滴)のステロイドを使用することもあります。ウイルスなどの感染症が原因でぶどう膜炎を発症している場合には、抗ウイルス薬や抗菌薬の投与を先行して行います。ぶどう膜炎に全身性の疾患が合併している場合には、合併症の治療を並行して行う事が重要であり、眼科だけではなく多数の診療科に渡って治療が実施されます。

予防/治療後の注意

ぶどう膜炎を未然に予防するということは難しいですが、自己免疫疾患を患っている、免疫抑制剤や抗がん剤の治療を受けているなど、何らかのリスクがある人は、定期的に眼科の検診を受けておくことで、ぶどう膜炎を早期に発見できる可能性があります。ぶどう膜炎は、炎症の出現部位によって症状の程度や重症度が大きくことなる疾患ですが、場合によっては失明するほど重篤な症状が出現する可能性もあるため、ハイリスクの人が目に異常を感じた際には早めの検診や検査を受けることが重要です。

こちらの記事の監修医師

菅原眼科クリニック

菅原 道孝 

〇診療科 : 眼科

【経歴】  
平成11年3月順天堂大学医学部 卒業
平成11年5月東邦大学医学部付属佐倉病院眼科入局
平成16年4月杏林大学眼科非常勤臨床助手(国内留学)
平成18年4月東邦大学医療センター佐倉病院眼科病院助手
平成19年4月医療法人社団済安堂井上眼科病院入職
平成22年10月医療法人社団済安堂井上眼科病院医局長
平成24年10月医療法人社団済安堂井上眼科病院副院長
平成27年4月医療法人社団八光会菅原眼科クリニック理事長

治療に適した診療科目

眼科

関連記事

眼科のおすすめクリニック