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最終更新日:2021年10月8日

へんとうしゅういのうよう扁桃周囲膿瘍

扁桃周囲膿瘍

まとめ

口の奥の両脇にある口蓋扁桃が細菌感染などで炎症を起こし扁桃周囲炎となり、進行して炎症が周囲に広がり、膿を持った状態が扁桃周囲膿瘍である。激しい喉の痛みと高熱、飲み込むときの痛みがあり、扁桃腺の奥の咀嚼時に使う筋肉に炎症が広がると、口が開きにくくなる。症状が進行して首の深部に膿がたまり、縦隔(肺の間を中心とした心臓、気管、食道などが存在する領域)に膿瘍が拡大すると、死に至る危険がある。複数の細菌が発症原因であることが多い。20~30歳代に多く発症し、小児の発症はまれである。

この病気の原因

レンサ菌、ブドウ球菌、バクテロイデスなどの細菌に感染し、口の奥の両脇の口蓋扁桃が炎症を起こす扁桃炎を放置して悪化すると発症する。扁桃炎により生じた炎症が口蓋扁桃を覆う被膜と咽頭収縮筋(飲み込むときに使う筋肉)の隙間に生じると、扁桃周囲炎となり、さらに病状が進行すると、左右いずれかの扁桃に膿がたまる扁桃周囲膿瘍を引き起こす。小児は口蓋扁桃の被膜が細かく厚みがあるので、炎症が被膜を超えて広がることは少なく、扁桃周囲膿瘍を発症することはまれである。20~30際代に多く発症し、男性に多い。重症化して炎症が縦隔(肺の間を中心とした、心臓や気管、食道などが存在する領域)にまで膿瘍が拡大すると、死に至る危険がある。

主な症状

主に左右いずれかの扁桃にむくんだような暗赤色の腫れ、うまく発声できない、食物を飲み込む際に痛みが伴うなど、細菌感染により炎症を起こす急性扁桃炎の症状に加え、口蓋扁桃の裏に膿がたまる。38℃以上の高熱、全身倦怠感、吐き気を伴う。さらに進行して扁桃口蓋の奥の咀嚼時に使う筋肉に炎症が広がると、唾液を飲み込むこともつらくなるほど喉の痛みが強くなり、口を大きく開けられないことが多い。首を曲げる際に激しく痛むことがある。

検査/診断の方法

問診にて自覚症状である痛みの程度を確認し、喉の様子をみて診断する。通常、左右いずれかの扁桃がむくんだような暗赤色に腫れ、扁桃表面に白い膜の付着が確認できる。また、扁桃周囲膿瘍を疑う場合は、原因となる細菌の特定のため、針を刺し膿瘍の一部を採取して調べる生検、病状の程度を確認する血液検査を行うこともある。生検が難しい場合は、CT検査にて膿瘍ができているか調べることもある。

主な治療方法

抗菌薬内服による治療が基本となる。喉の痛みが強く、唾液を飲み込むのもつらい場合は点滴治療を行う。強い痛みにより口を開けることが難しく、食物を咀嚼できないときは、脱水症状になる可能性が高いため入院治療を検討する。必要な場合は、CT検査や超音波検査にて膿が生じた場所を特定し、針で膿を吸い取り膿の中の細菌を調べて細菌に効果のある抗菌薬治療を行うこともある。治療効果が得られない場合は、抗菌薬の点滴治療と並行して膿瘍を切除する。喉の奥の膿瘍が拡大し、空気の通り道となる気道が狭窄して呼吸を妨げている場合は、気管切開を行うことがある。

治療後に注意すべき点/予防対策

治療に適した診療科目

耳鼻咽喉科

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