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最終更新日:2022年7月6日

らんそうしゅよう卵巣腫瘍

こちらの記事の監修医師
板橋中央総合病院
都築 まどか

卵巣腫瘍

概要

卵巣は、子宮の左右にひとつずつ存在する女性特有の臓器であり、通常は2〜3cmぐらい(大人の親指くらい)の大きさをしています。初経から閉経までの間、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンを分泌し、成熟した卵子を排卵するという役割を担っています。これが、何らかの理由により大きく腫れてしまったものが卵巣腫瘍です。卵巣腫瘍とは、卵巣にできた新生物(=細胞・組織が増殖して目に見える状態となったものをいう)の総称です。腫瘍と聞くと悪性新生物である「がん」をイメージされる人も多いですが、卵巣腫瘍には大きく分けて1)良性腫瘍と、(2)悪性腫瘍 の2種類があります。卵巣腫瘍の約90%が良性といわれており、残り約10%が悪性腫瘍(がん)となります。卵巣腫瘍のサイズはまちまちであり、中には30cmを超えるような大きなものも存在します。骨盤腔は深くて大きいので、ある程度腫瘍が大きくなるまでははっきりした自覚症状は生じません。よって腫瘍が小さい場合や発症初期には無症状である場合が多いです。腫瘍が増大してくると、腹部の張り感、頻尿、腹部や下腹部の痛み、便秘や食欲不振、腹部腫瘤感(腹部に何かを触れる)などの症状が出現したりします。検診などによってたまたま発見されることも多く、仮に悪性腫瘍であっても、早期に発見することができれば根治的な治療を行うことも可能です。そのため、定期的な検診や検査を受けることが重要であるといえます。

原因

卵巣腫瘍の成因は、幅広くさまざまです。 頻度の多い代表的な卵巣腫瘍でみても、卵巣奇形腫=皮様嚢腫(原因不明)から、卵巣内膜症性嚢胞=チョコレート嚢胞(子宮内膜症が原因)までと、多岐にわたるのがわかります。 卵巣がんの一部は遺伝性(遺伝子の異常が原因で生じる)であることもありますが、いずれにしても、生活習慣など本人の努力で予防・回避できるものではありません。 

症状

卵巣腫瘍の主な症状は、腹部の張り感、頻尿、腹部や下腹部の痛み、便秘や食欲不振、腹部腫瘤感(腹部に何かを触れる)などです。不正性器出血が認められることもあります。ゆっくり大きくなっていく腫瘍の場合、単純に太ったと思って気付かずに過ごしていることも多いです。卵巣は、片側が子宮、もう片側が骨盤の骨、に血管や靭帯によってつなぎ留められています。 卵巣腫瘍が大きくなると、その重みでこれらの靭帯を軸にしてねじれてしまうことがあり、卵巣腫瘍茎捻転という状態になります。茎捻転を発症すると激痛となります。また、卵巣へいく血流が遮断されてしまいますので、閉経前の女性の場合では卵巣機能が低下してしまうため、緊急手術が必要です。 悪性腫瘍であった場合には腹水がたまったりします。その圧迫症状により、下肢がむくんだりすることもあります。

検査・診断

卵巣腫瘍の診断時には、問診や触診の他、超音波検査、レントゲン検査、CTやMRI検査などを行います。血液検査や尿検査を合わせて行うこともあります。腹水がたまっている場合には腹水をお腹から穿刺して採取し、詳細な検査を行う細胞診検査(病理検査)を行ったりします。骨盤深部の臓器であるため、卵巣腫瘍に対しては生検(腫瘍の一部を採取して良性悪性の判別や腫瘍種類を特定すること)ができません。画像だけでは確定診断(正確な診断)は困難であるため、事前にある程度、画像の見た目などから「より良性っぽいか」「より悪性っぽいか」を評価し、それにより治療方針を決めていきます。 最終的には手術で取り除いたものを、病理組織診断(顕微鏡でみる)して確定診断がなされます。

治療

卵巣腫瘍の治療の基本は、外科的な手術による腫瘍の切除です(確定診断と治療のため)。良性腫瘍の場合には、腫瘍のみを切除する手術が行われることが多く、術後治療も不要であることがほとんどです。一方、悪性腫瘍の場合には、腫瘍のみならず子宮・卵巣および周辺のリンパ節などの組織を大きく切除する必要があります。また、悪性の場合には腫瘍が他臓器へ転移している可能性も考慮し、術後に化学療法(抗がん剤治療)を行う場合もあります。この化学療法の種類を決めるためにも、卵巣腫瘍の種類を病理組織学的に診断することが欠かせないのです。場合によっては、化学療法を先行させてから手術治療を行うこともあります。

予防/治療後の注意

良性腫瘍の場合は予後良好で、腫瘍切除後に問題が残ることは少ないです。腹腔鏡などを用いることで手術による傷跡を小さくすることも可能であり、卵巣機能を残した温存手術が選択される場合も多いです。一方で悪性の場合には進行した状態で発見されると、手術治療や化学療法を行ってもコントロール/予後不良であることもあります。ただし、早期に発見できればたとえ悪性であっても根治的な治療が充分に可能な疾患であり(他のがんに比較して化学療法の効果が高い)、早期発見がなによりも重要であることから、定期的な婦人科の検診を受けていくことを強くお勧めします。一般的な健康診断で行う「婦人科検診」や、自治体で行う「婦人科がん検診」と呼ばれるものは、「内診」と「子宮頚部細胞診」のみになります。内診は、子宮や卵巣に明らかな異常がないか「触診」で確認を行いますが、サイズが小さい場合や、肥満が強く触診が難しい場合には異常が検出できない場合があります。また、子宮頚部細胞診は、子宮頚がんの細胞診のみになります。よって、一般的な健康診断で行う子宮がん検診は、卵巣について精密な検査がされていないことを知っておいていただきたいです。卵巣腫瘍の有無については、経腟エコー(超音波)を用いない限りは診断できません。なので、経腟エコー(超音波)のオプションをつけ、卵巣も同時に診てもらうようにしましょう。

こちらの記事の監修医師

板橋中央総合病院

都築 まどか

〇アクセス:東京都板橋区小豆沢2-12-7
〇診療科 :産科 婦人科一般

【専門医認定/資格等】
日本産科婦人科学会専門医
日本周産期・新生児医学会周産期専門医(母体・胎児)
日本産科婦人科学会 女性のヘルスケアアドバイザー養成プログラム修了
厚生労働省 臨床研修指導医養成講習会修了
厚生労働省 がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
公益財団法人 日本医療機能評価機構 CVC研修会修了

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婦人科

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