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最終更新日:2022年3月4日

ぜんりつせんひだいしょう前立腺肥大症

こちらの記事の監修医師
医療法人社団 セントメリー 飯田橋中村クリニック
中村 剛

概要

加齢に伴う前立腺の腺腫様過形成です。50歳以上では生理的老化現象として、尿道周囲腺の増殖が起こり、このうちの一部が臨床症状を呈するとされています。

原因

前立腺肥大症は、何らかによって前立腺が肥大することによって引き起こされます。前立腺肥大の原因は、性ホルモンが強く関与しているとされています。これは、加齢により性ホルモンの量が変わることによって発症すると考えられています。他には、高血圧、肥満、メタボリックシンドローム、脂質異常症などの生活習慣病も発症に関係しているという意見もあります。

症状

初期の膀胱刺激症状から、次第に排尿障害、残尿感の発生、さらに尿閉へと進みます。第1〜3病期に分類され、第1病期は後部尿道や会陰部の不快感、重圧感、頻尿(特に夜間頻尿)、軽度の排尿困難などの症状に分類されます。第2病期は、排尿困難、残尿発生、尿路感染、急性完全尿閉、血尿などの症状があり、これらは第2病気に分類されます。第3病期は、腎機能障害、奇異性尿失禁、尿毒症などに分類されます。また、前立腺肥大症の症状をより客観的に評価するために、国際前立腺肥大症スコア(IPSS)を使用し、評価します。7つの症状を6段階で点数をつけ評価する方法です。合計点によって軽症から重症に分類し、治療法などを検討していきます。

検査・診断

検査では、経直腸的超音波検査、直腸内指診、尿量測定、残尿感測定などを行います。夜間多尿の原因として多飲があるので、飲水・排尿の時刻・量を記録する排尿日誌をつけることもあります。前立腺特異抗原のPSA(prostate specific antigen)の測定を行い、高値であった場合には前立腺がんを疑います。

治療

治療は、尿流障害を解放することが最優先になります。そして、症状によって治療は異なります。無症状などの場合は、経過観察で症状の様子を確認していきます。他には非薬物療法として行動療法があります。生活指導や骨盤底筋訓練などを患者に対し行います。そして、薬物療法も挙げられます。薬物療法では、前立腺平滑筋を弛緩して機能的尿道閉塞を改善する薬剤、前立腺を縮小して機械的尿道閉塞を軽減する薬剤に大別されます。機能的尿道閉塞を改善する薬剤として、交感神経α1受容体遮断薬の投与があります。α1受容体遮断薬は、前立腺、尿道の平滑筋を弛緩させ尿を通りやすくさせます。代表的なα1受容体遮断薬は、タムスロシン、シロドシン、ナフトピジルが挙げられます。また、ホスホジエステラーゼ5阻害薬も機能的尿道閉塞する薬剤になります。機械的尿道閉塞を改善する薬剤は、5α還元酵素阻害薬、抗アンドロゲン薬があります。抗アンドロゲン薬は、血中のテストステロン濃度を減少させるため、勃起不全などの副作用があります。5α還元酵素阻害薬は、テストステロンからジヒドロテストステロンへ変換させる酵素を阻害することにより、ジヒドロテストステロンの量を減少させます。そして、前立腺の縮小を促すため、根本的な病態の改善に効果があり、比較的副作用も少ないとされています。過活動膀胱の症状がある場合、抗コリン薬やβ3作動薬の併用を考慮する場合があります。そして、薬物療法が効果不十分な場合や、尿閉、血尿・膀胱結石・腎機能障害・尿路感染症などの合併症がある場合には、手術療法も考慮します。

予防/治療後の注意

肥満、メタボリックシンドロームなどさまざまな疾患の原因になりうるため、普段の日常生活から注意し、食事や運動などを行うことが必要です。外科的手術を行った場合、術後に血尿や勃起不全、射精障害などの症状が発現する可能性があります。また、感染症の危険性について、特に術後1ヶ月は注意する必要があります。

こちらの記事の監修医師

医療法人社団 セントメリー 飯田橋中村クリニック

中村 剛

【経歴】
昭和62年 千葉大学医学部卒業
千葉大学医学部付属病院、東京厚生年金病院、社会保険船橋中央病院、松戸市立病院、東京厚生年金病院泌尿器科医長、部長を経て現在に至る。

【資格】
医学博士
1992年 日本泌尿器科学会専門医取得
1997年 日本泌尿器科学会指導医取得
東京都身体障害者福祉法指定医(じん臓機能障害、膀胱又は直腸機能障害)

治療に適した診療科目

泌尿器科

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