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最終更新日:2022年4月6日

げっけいつう(せいりつう)月経痛(生理痛)

こちらの記事の監修医師
丸茂レディースクリニック
丸茂元三

概要

月経痛(生理痛)は、月経(生理)に関連して出現する、主に下腹部中心に広がる痛みのことです。下腹部痛の他には、腰痛や頭痛、吐き気、下痢やめまい、ふらつき、動機など様々な体調不良が出現します。月経に伴って生じる様々な病的症状を含め、月経痛によって日常生活に何らかの支障を来していれば月経困難症とよばれます。月経痛が出現する主な原因として、月経に伴う子宮収縮などが影響していると考えられています。月経痛を生じる背景に病的な異常がない場合には、機能性月経困難症といわれ、何らかの疾患や異常が月経痛の原因となっている場合には、器質性月経困難症とよばれます。比較的月経痛が軽い場合には、NSAIDsと呼ばれる一般的な鎮痛薬が有効です。ロキソプロフェンやイブプロフェン、アスピリンなどが月経痛の軽減のために用いられることがあります。月経痛を軽減するために漢方薬が使用されることもあります。また、月経痛が激しい場合には、低用量ピルを含めたホルモン療法が有効であり、何らかの病気が潜んでいる可能性もあるため、早めに検査を受けることがお勧めです。

原因

そもそも月経が起こる仕組みとしては、初めに卵巣から卵胞ホルモン(女性ホルモン)の生産が増加して子宮内膜が厚くなっていきます。次に排卵が起こり、女性ホルモンに加えて黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されます。これによって厚くなった子宮内膜がふかふかのベットのようになって妊娠の準備が整えられます。この厚くなった子宮内膜へ受精卵が着床すると妊娠に至りますが、着床しなかった場合には、女性ホルモンとプロゲステロンの分泌が減少し、子宮内膜は役目を終えてはがれ落ち、血液とともに体外に排出されます。これが月経の現象です。この時、子宮内膜を排出するために子宮を収縮させるプロスタグランジンと呼ばれる物質が子宮内膜から分泌されるため、子宮が収縮して激しい痛みを感じるようになります。その結果、下腹部から腰痛、激しい頭痛や吐き気などが引き起こされます。

症状

月経痛(生理痛)の症状は個人差が大きく、生理のタイミングで毎回非常に辛い思いをする人から、あまり辛さを感じないという人まで様々です。月経の数日前~月経後に下腹部付近が痛み出すという人が多く、腰痛や背中、腹部全体に痛みを感じる人もいます。激しい頭痛や吐き気、貧血、食欲不振、全身の倦怠感などが出現する場合もあります。生理の度に毎回痛みが違うとか、最近特に生理痛がひどくなったという場合には、なんらかの原因が存在する可能性もあるため、自分自身の生理痛のパターンを理解しておくことは大切です。

検査・診断

月経痛を放置すると子宮内膜症や子宮腺筋症、または子宮筋腫が増悪、進展する可能性があるため、月経痛がつらい場合は、早めに医療機関を受診することが大切となります。超音波検査(エコー検査)やMRI、血液検査などを実施することで、原因疾患の有無を確認します。

治療

月経痛の治療の基本は安静です。特別な原因が存在しない場合には、安静や十分な休養、睡眠、ストレスの緩和などを行い、必要に応じてロキソプロフェンやアスピリンなどの鎮痛薬を使用します。漢方薬も効果がある人にはあります。それでも緩和されない場合は低用量ピルを含めホルモン剤の使用がより疼痛の軽減に効果が期待されます。あまりに痛みや症状が強い場合には、早めに医療機関を受診して、必要な治療や体質改善などを行うことが大切です。

予防/治療後の注意

激しい月経痛を誘発している場合には、できるだけ早目に医療機関を受診して原因疾患を治療するのが最優先となります。原因疾患が見つからない場合には、自分の月経パターンを把握し、休養や鎮痛剤などを上手く使用しながら、症状が軽快するように努めます。10代からつらい月経痛を放置していると、子宮内膜症に進展する可能性があり不妊の原因になったりすることもあります。10代から低用量ピルなどで月経痛の緩和と子宮内膜症の予防を図ることは長い人生の中で大事なことになります。生理の度に日常生活に大きな支障が出ているという場合には、医療機関を受診し、専門医に相談するのがおすすめです。

こちらの記事の監修医師

丸茂レディースクリニック

丸茂元三

《経歴》
1991年3月 旭川医科大学医学部 卒業
1991年6月 東京大学医学部附属病院産婦人科
2003年5月 板橋中央総合病院産婦人科
2004年4月 板橋中央総合病院産婦人科 医長
2013年9月 丸茂レディースクリニック 開設

《資格》
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
日本超音波医学会 超音波専門医
FMF認定超音波医
母体保護法指定医

《所属学会》
日本産科婦人科学会
日本超音波医学会

治療に適した診療科目

婦人科

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