最終更新日:2021年8月24日
狭心症の症状を解説|心筋梗塞症との関係性は?狭心症を早期発見するポイントや発症・再発の予防法もご紹介
こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓

狭心症は日本人の三大死亡原因の一つ「虚血性心疾患」に含まれる病気です。
心臓の病気はもともと異常を持つ方がかかるイメージを抱きがちですが、誰でも狭心症にかかる可能性があります。
なぜなら喫煙や食生活、あるいはストレスといった生活習慣との関係が示唆されているからです。
まずは狭心症の症状や早期発見のポイントを理解し、狭心症にかからない・悪化させない方法を知っておきましょう。
狭心症の症状を種類ごとに解説

狭心症は大きく3種類に分類されます。
・安定狭心症
・不安定狭心症
・異型狭心症
それぞれ異なる症状が見られます。
安定狭心症
労作性狭心症とも呼ばれる「安定狭心症」は体を動かすことで症状を誘発するのが特徴です。
たとえば階段を上がる、重いものを持つ、ストレスを感じるといったことがトリガーになります。
胸の痛みや圧迫感が発作的に出現するのが症状の特徴です。
力仕事やストレスで心臓に負荷がかかると、心臓は負けじと懸命に動き続けて血液を循環させようとします。
狭心症では心臓自身に栄養を送る「冠動脈」が狭くなるため心筋が酸欠状態になり、痛みなどの症状が出るのです。
安定狭心症の場合、発作時と同程度の負荷をかけると毎回同程度の症状が出現します。
不安定狭心症
症状の出方があまり変わらない安定狭心症に対し「不安定狭心症」は同じ負荷をかけても毎回の出方が変わります。
発作の回数や持続時間が変わることもあれば、負荷をかけていない安静時にも症状が出るといった変化があれば不安定狭心症の可能性が高いでしょう。
症状がいつ、どの程度でどれくらい継続するか予測できなくなり、最悪の場合は心筋梗塞に移行するケースもあるため注意が必要です。
また症状の変化とともに悪化傾向が見られたら冠動脈の血流がかなり少なくなっている可能性があります。
すぐに救急車を呼ぶか、至急医師の診察を受けてください。
異型狭心症

安定・不安定狭心症は心臓に負荷をかけたときに発作が出るのに対して「異型狭心症」は眠っているときや安静時に胸痛の症状が出ます。
血管攣縮性狭心症とも呼ばれ、冠動脈の痙攣によって血液の通り道が急激に狭くなることが原因で起きる疾患です。
冠動脈は動脈硬化によって痙攣を起こしやすくなりますが、この発作では動脈硬化が起きていない冠動脈にも痙攣が起きることがあります。
胸の痛みに加えて冷や汗や嘔気、失神を伴うこともあり重症化のリスクが高いため注意が必要です。
狭心症は心臓に栄養が足りない状態

心臓には冠動脈が3本あり、これが何らかの要因で狭くなることで起きるのが狭心症です。
心臓は筋肉でできており、筋肉の動きによって血液を全身に送り出し、酸素を行き渡らせています。
しかし心筋にも酸素が必要で、心筋に栄養を送っている血管が冠動脈なのです。
冠動脈が本来持っている柔軟性を失い「動脈硬化」の状態になると、血管の内側が傷つきやすくなります。
傷ができるとそこにコレステロールが付着しやすくなり、血管が狭くなります。
血流が不足すれば、心筋に届くはずだった酸素や栄養分が十分量供給されません。
その結果、胸の痛みや圧迫感といった症状が出現します。
心筋梗塞症との関係

狭心症に似た症状が出る疾患として「心筋梗塞症」が挙げられます。この2つの病気にはどのような関係があるのでしょうか。
心筋梗塞症も狭心症と同じく冠動脈の病変に起因する心疾患です。
狭心症はその名の通り、冠動脈が狭くなることが血流悪化を引き起こします。
一方心筋梗塞症は冠動脈が完全に詰まった状態、血液が流れない状態です。
狭心症の中でも不安定狭心症は心筋梗塞症の一歩手前とされ、すぐに治療を行わなければ心筋梗塞症に移行する危険があります。
つまり狭心症を放置すると、冠動脈を完全に塞いでしまい心筋梗塞症を起こす可能性が高くなるのです。
なお心筋梗塞症の前に必ず狭心症の発作が起きるわけではありません。
狭心症の既往がない方でも突然心筋梗塞症を患うことが分かっています。
早期発見のポイント

狭心症は心筋梗塞に移行しやすい疾患です。できるだけ早く疾患に気付き、治療を開始する必要があります。
狭心症には「前兆」があるため、どういった症状が前兆なのか確認しておきましょう。
また狭心症のリスクが高い方の特徴を知っておくと早期発見につながります。
狭心症の前兆
狭心症の前兆は、狭心症の症状とほぼ同じです。
ただし気付かない程度の胸痛の場合もありますし、気付いても症状が軽く、安静にすればすぐにおさまることが多いため見過ごしてしまいます。
通常は日常的に胸痛を感じることはありません。そのため自覚するほどの胸痛があれば何かしらのサインだと考えてください。
突然胸の痛みに襲われることが一度でもあったら、念のため医師の診察を受けましょう。
「念のため」が早期発見につながります。
狭心症になりやすい人
冠動脈を狭くするような疾患を抱えている方は、狭心症のリスクが高いといえます。
高血圧症・肥満・糖尿病・高脂血症や喫煙習慣は動脈硬化を引き起こし、血管を狭くする要因です。
また冠動脈はストレスによって痙攣を起こしやすくなります。
70年ほど前の調査ではありますが、狭心症と血液型の関係を調べた結果「A型」は狭心症の発症率が高いことが分かりました。
狭心症になりやすい年齢としては男性が50歳以上、女性は60歳以上といわれています。
狭心症の検査と診断

狭心症を疑った場合、心電図検査・CT検査・カテーテル検査などを行います。
心電図検査では心臓の虚血時特有の変化が観察されますが、これは発作を起こしているときに見られるものです。
発作が出ていない状態で心電図を記録しても以上が見られないことも少なくありません。
そのため踏み台昇降やトレッドミルを使って運動しながら波形を見る「運動負荷心電図検査」を実施することもあります。
心臓CTは心臓の血管がどの程度狭くなっているか確認する検査です。
造影剤を使ってX線で冠動脈の状態を確認するため、外来で検査が完了します。
一方カテーテル検査は2〜3日の入院が必要です。この検査では足の付根などの太い動脈からカテーテルを挿入し、血管の中を確認します。
多少負担はかかりますが、CTよりも高い精度で詳細な血管の状態を把握することが可能です。
また血管の狭窄ではなく痙攣を原因とする狭心症では、薬剤を使って人為的に痙攣を起こして検査が行われることもあります。
狭心症の治療

検査によって狭心症と診断された場合、どのような治療を行うのでしょうか。
主に3つの方法があり、血管の状態や症状を見ながら医師が選択します。
薬物療法
基本的な治療方法は薬による治療です。主に血管拡張薬・抗血小板剤・ベータ遮断薬を使います。
血管拡張薬は冠動脈を広げて血流を良くする薬です。冠動脈だけでなく全身の血管を広げることで心臓への負担を軽減する効果もあります。
また抗血小板剤は血栓を防ぐ薬です。血液が固まりにくくなるため冠動脈の血流改善効果が期待できます。
ベータ遮断薬は血液の量を減らす薬です。量を減らすことで血圧を下げ、心臓への負担を減らします。
狭心症の症状によってこれらの薬を組み合わせて使用することが大半です。
冠動脈形成術(PTCA)
冠動脈形成術は狭くなった冠動脈を物理的に広げる手術です。
カテーテル検査と同様に太い動脈からカテーテルを挿入し、狭くなった冠動脈部分に到達させます。
カテーテルの先端にはバルーンがついており、狭くなった部位で膨らませ、血管を広げることが可能です。
バルーンで拡張しても元の状態に戻ってしまうことがあります。この場合は金属網でできた筒「ステント」を血管内に挿入します。
ステントは血管内にそのまま置いておくことができるため、再び血管が狭窄することはありません。
冠動脈バイパス術

バルーンやステントでの治療が難しい場合に選択するのが冠動脈バイパス術です。
狭くなった血管とは別の迂回路を作り、血流を確保して虚血を防ぎます。
この手術でバイパスとして使う血管は患者さん自身の血管です。以前は足の血管が使われていましたが、狭窄の再発が多く見られました。
最近は胸部や腕の動脈を使うケースが増えています。
心臓は常に動き続けている臓器です。手術をするからといって動きを止めることはできません。
そのため心臓血管の手術をする場合には人工心肺が常に必要とされてきました。
しかし近年は人工心肺なしでの手術も行われています。
患者さんへの負担を少しでも軽減するために、心臓血管の治療技術は進歩し続けているのです。
狭心症の発症・再発の予防

狭心症を予防するために、まずは動脈硬化を起こさないことが大切です。
狭心症を治療しても動脈硬化は治らないため、狭心症の再発リスクを抱え続けることになります。
発症予防・再発防止のためにも生活習慣を見直しましょう。
適度な運動
適度な運動を習慣付けることが大切です。
激しい運動をする必要はなく、呼吸を安定させたままで行えるウォーキングなどがおすすめです。1日30分程度歩くだけでも効果はあります。
またストレスも発症リスクを高めるため、無理なく続けられる運動からスタートしてストレス解消につなげましょう。
健康的な食生活
和食は多くの食材を一食で摂取することができ、生活習慣病の予防に最適です。
食べ過ぎや飲み過ぎ、塩分・糖分・脂肪分の摂りすぎは誰にでもあることですが、習慣化するのは絶対に避けてください。
動脈硬化のリスクを一気に高めます。
暴飲暴食を避け、彩り豊かな食事をしましょう。
禁煙
喫煙は狭心症のみならず、その他の虚血性心疾患のリスクも高めます。血管を収縮させ、内壁に傷をつけてしまうのです。
また活性酸素を発生させることで動脈硬化を加速させてしまいます。
喫煙は自分だけでなく周囲の方にも害を与えるため、大切な人を守るためにも禁煙を開始しましょう。
まとめ

生活習慣との結びつきが強い狭心症は、日頃の心がけである程度予防することが可能な病気です。
心がけといっても特別なものではなく、狭心症以外の病気の予防・改善にもつながります。
狭心症の主症状である「胸痛」は前兆症状としても出現するため、感じたことのない胸の違和感や痛みが出たら念のため病院を受診してください。
狭心症を心筋梗塞に移行させないためにも早期治療が大切です。
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こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓
〇病院名 :すずきこどもクリニック
〇医師 :鈴木幹啓
〇アクセス:和歌山県新宮市下田2丁目3−2
〇診療科 :小児科
〇経歴:株式会社オンラインドクター.com代表取締役CEO
1975年三重県伊勢市生まれ
1995年自治医科大学入学(県からの奨学金制度)
2001年自治医科大学卒業
日本小児科学会認定小児科専門医
国家資格ケアマネジャー
三重県立総合医療センター、国立病院機構三重中央医療センター、国立病院機構三重病院、伊勢赤十字病院、紀南病院
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
【製薬会社社外講師・CM出演等】
グラクソスミスクライン社、JCRファーマ社、杏林製薬、明治製菓ファーマ、鳥居薬品
【メディア出演・TV監修】
日本テレビ、読売テレビ、東京MX、テレビ朝日(医療監修)「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」
【著書】
日本一忙しい小児科医が教える病気にならない子育て術(双葉社)
開業医を救うオンライン診療(幻冬舎)
2020 年 10 月株式会社オンラインドクター.com を設立。
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