最終更新日:2021年8月24日
低カリウム血症の症状を解説!低カリウム血症の原因は?低カリウム血症に関連する病気や治療の流れもご紹介
こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓

低カリウム血症は、血液中のカリウム濃度が低下することで起こる様々な不調です。放っておくと重症化するリスクがある低カリウム血症ですが、どのような症状があるのでしょうか。今回は、低カリウム血症の症状や原因について詳しく解説していきます。
低カリウム血症の様々な症状

カリウムは体内にあるミネラルの一種で、特に筋肉や神経の働きに重要な役割を果たしています。血液中のカリウム濃度が低下することで引き起こされる不調は「低カリウム血症」と呼ばれます。低カリウム血症の症状をご紹介します。
初期症状と主な症状

カリウムは筋肉や神経の働きに役立っていますが、実はそれだけではありません。消化器・心臓・肺・腎臓など全身の臓器の運動にも関係があります。そのため、低カリウム血症の症状は、全身の様々なところに生じる可能性があります。
【低カリウム血症の代表的な初期症状】
- 筋力低下
- 手足の脱力感
- 筋肉痛
- けいれん
- 吐き気・嘔吐
- 食欲低下
- 便秘
- 動悸
初期症状だけでは、「夏バテかな」「ちょっとした体調不良かも」などと感じて見過ごしてしまう方もいるでしょう。しかし、放っておくと重症化するリスクがあります。「おかしい」と思ったら、初期症状の段階ですぐに対処することが大切です。
注意すべき症状

低カリウム血症が進行すると重症化するリスクがあります。全身の神経や筋肉に影響があるばかりではなく、心臓にも影響することがあります。特に注意すべき症状は次のようなものがあります。
【低カリウム血症の注意が必要な症状】
- 歩行困難
- 起立困難
- 麻痺
- 意識消失
- 多飲
- 尿障害
- 腸閉塞(イレウス)
- 不整脈
カリウムは筋肉や神経の働きに関わっているため、重症化すると歩行困難や起立困難、麻痺などの症状が引き起こされます。
心臓の筋肉に影響が及んだ場合、心筋障害となり不整脈が出ることもあります。不整脈は自覚症状がない場合もありますが、動悸がする場合は医師に相談しましょう。
心筋障害が重症化すると、全身に十分な血液が送られず命に関わる状態になることもあります。特に心臓に持病がある人は、不整脈には要注意です。早めに受診し、治療を受ける必要があります。
低カリウム血症の原因

低カリウム血症の原因は大きく3つに分けられます。
- カリウムの摂取不足
- 体外へのカリウム排泄の亢進
- 血液中から細胞内へカリウムが移動
それぞれの原因を詳しく解説します。予防や対処につなげましょう。
カリウムの摂取不足
食生活の偏りや、食事が十分に摂れないことにより、カリウムの摂取量が不足することがあります。
カリウムは野菜・果物・いも類・豆類・魚・肉など、多くの食べ物に含まれており、通常の食事で低カリウム血症になることはあまりありません。ただし、過度なダイエットや極端な偏食の場合は注意が必要です。
食生活が偏るということは、それだけ摂取する栄養も偏るということです。健康的でバランスの良い食生活を心がけましょう。
体外へのカリウム排泄の亢進

嘔吐や下痢などで消化管から多量のカリウムが失われた場合に、低カリウム血症が引き起こされることがあります。
嘔吐や下痢は急性胃腸炎などの病気で起こることもありますが、下剤の過剰な服用にも気をつける必要があります。
また、体内の過剰な水分や塩分を排泄させる「利尿剤」にも注意が必要です。利尿剤は心不全、むくみ、高血圧などを改善する薬ですが、カリウムを排出する作用を持つ薬もあることを知っておきましょう。
【カリウム排出の作用を持つ利尿薬】
- サイアザイド系利尿薬(ヒドロクロロチアジドなど)
- ループ利尿薬(フロセミドなど)
また、ホルモンはカリウムの排泄に関わっています。ホルモンの異常でカリウム排泄が過度になり、低カリウム血症を引き起こす場合があることも知っておきましょう。
血液中から細胞内へカリウムが移動
薬剤の中には、血液中のカリウムを細胞内へ移動させる働きがあるものがあります。血液中から細胞内へカリウムが移動し、血液中のカリウム濃度が低くなってしまいます。
【血液中のカリウムを移動させる効果のある薬剤】
- 糖尿病治療のためのインスリン注射
- 甘草を含む漢方薬
また、血液中から細胞内へのカリウムの移動は、薬の影響だけではなく、他の病気が原因の場合もあります。
低カリウム血症に関連する病気

低カリウム血症は、他の病気が原因で起こることも少なくありません。
【低カリウム血症に関連する代表的な病気】
- 原発性アルドステロン症
- クッシング症候群
- 腎血管性高血圧症
- 甲状腺機能亢進症
これらの病気を持っている方は、低カリウム血症のリスクを考慮する必要があります。日常生活や食事の注意点などについて、主治医に相談し、確認しておくといいでしょう。
特に注意が必要な人

低カリウム血症は、持病や飲んでいる薬によって注意が必要な人がいます。低カリウム血症に特に注意が必要な人や、逆にカリウム摂取過多に気を付けなければならない人をご紹介します。
低カリウム血症を注意する人
心臓の病気がある人や、「ジゴキシン」という不整脈の薬を使用している患者さんは、低カリウム血症に注意が必要です。
カリウム濃度のわずかな低下でも、不整脈を起こし、重症化するリスクがあるからです。
またインスリン投与により低カリウム血症が悪化することがあるため、糖尿病の患者さんも注意が必要です。
これらの病気を持つ方は、持病の管理の1つとして低カリウム血症の症状も知っておきましょう。
逆にカリウムの摂取過多を注意する人

カリウムが不足すると低カリウム血症を起こすリスクがありますが、逆に摂り過ぎてはいけない人もいます。それは腎臓に病気を抱えている人です。
腎臓はカリウムを尿中に排泄する役割を担っていますが、腎臓の働きが低下するとカリウムを十分に排泄できず体内に蓄積します。
血液中のカリウム濃度が髙過ぎると、高カリウム血症となります。高カリウム血症の症状は、低カリウム血症と同じく筋力低下・脱力感・吐き気・嘔吐などがあります。
腎不全の患者さんの腎臓は、機能が低下しているので正常なカリウムの排泄ができません。そのため、カリウムを摂り過ぎると高カリウム血症になるリスクが高くなるのです。
低カリウム血症の検査・診断

低カリウム血症の初期症状は、他の病気でも出現することがあるものが多く、それだけで診断することはできません。低カリウム血症はどのような検査を行い、診断するのでしょうか。
低カリウム血症の検査・診断
低カリウム血症の初期症状は、他の病気でも出現することがあるものが多く、それだけで診断することはできません。低カリウム血症はどのような検査を行い、診断するのでしょうか。
血液検査
血液検査で血液中のカリウム濃度を調べます。血液中のカリウム濃度が3.5mEq/未満の場合は低カリウム血症と診断されます。
問診
薬剤や病気の影響で引き起こされることが多い低カリウム血症の診断には、問診も重要です。既往歴・服薬状況・現在の症状・食事内容などから、原因やリスクを判断します。
尿検査
尿検査によって尿中のカリウム量を測定し、体外へのカリウムの排出が過剰なことによる低カリウム血症が原因でないか調べることもあります。
ホルモン検査
低カリウム血症はホルモン異常が原因で起こる場合もあるため、必要に応じてホルモン検査が行われることもあります。
心電図検査
動悸や不整脈など、心臓への影響がある場合には心電図検査も行います。
低カリウム血症の治療の流れ

低カリウム血症と診断されたら、どのような治療を行うのでしょうか。低カリウム血症の治療の流れをご紹介します。
原因を特定して対処
低カリウム血症の治療のためには、原因を特定する必要があります。その原因を取り除くことで、低カリウム血症の改善を目指します。
例えば食生活が原因でカリウムが足りていない場合、食事療法やサプリメントでカリウムを補います。サプリメントだけでなく、経口カリウム製剤を用いることもあります。
原因となる疾患がなく、低カリウム血症の症状が軽い場合は、この対処法で改善が見込めるでしょう。
持病があって治療中の方は、薬の影響で低カリウム血症を起こしていることもあります。利尿剤・甘草を含む漢方薬がこれにあたります。薬の影響が疑われる場合はそれを中断します。
インスリン注射も低カリウム血症を起こすリスクがありますが、注射しなければ血糖値が高くなってしまいます。そのため、医師に相談をし、決して自己判断で中止しないようにしてください。
重症の場合
低カリウム血症になると、体内に足りないカリウムを補う治療が必要になります。しかし、重症の場合は、食事の改善や飲み薬では追いつかないような状態になっています。場合によっては入院治療が必要なこともあります。
カリウム濃度が極端に低い・不整脈が出ている・意識消失など危険な状態の時には、早期にカリウムを補わなければなりません。
このような重症の場合には、塩化カリウムを含んだ輸液を点滴投与します。血管に直接カリウムを流すため、内服よりも早くカリウムを取り込むことができます。しかし、その分カリウム濃度が高くなりすぎないように管理が必要です。
治療後の注意点
低カリウム血症の治療が完了したら、再発に注意した生活を送ることをおすすめします。
食生活の偏りが原因であれば、バランスのいい食生活を心がけてください。
心臓の病気や腎臓の病気を持っている方は、適切なカリウム摂取ができるように食事を見直しましょう。
低カリウム血症の症状を理解し、早期発見に努め重症化させないことが大切です。分からないことや不安なことがあれば、主治医に相談してください。
低カリウム血症の予防・対策

低カリウム血症の予防と対策で必要なのは、日常の食生活の改善です。
【カリウムが多く含まれる食材】
- 果物:バナナ・キウイ
- 野菜:ほうれん草・かぼちゃ
- いも類
- 海藻類
- 肉・魚など
カリウムは体内のナトリウムを排出する役割を果たします。そのため、高血圧の人にもカリウムを含む食材はおすすめです。
しかし、どのような食べ物も食べ過ぎは禁物です。食事が偏ると今度はカリウム濃度が高くなり過ぎ、別のミネラルが不足するリスクがあります。バランスのいい食事をすることが、体調管理に繋がります。
まとめ

カリウムは筋肉や神経の働きに大きく関わっているため、血液中のカリウム濃度が低下すると色々な症状を引き起こします。主な初期症状は筋力低下・脱力感・吐き気・嘔吐といったものです。
低カリウム血症が進行すると四肢麻痺・意識障害・不整脈のように重症化するリスクがあります。
低カリウム血症の原因は、食生活の偏りによるカリウム不足・カリウムの排泄促進・血液から組織への移動などが考えられます。原因によって対処に違いがあるものの、共通しているのは「不足したカリウムを補う必要がある」ということです。
重症化を防ぐには、できるだけ早く不足したカリウムを補うことが大切です。初期症状に気づいたら、早めに医療機関を受診しましょう。
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こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓
〇病院名 :すずきこどもクリニック
〇医師 :鈴木幹啓
〇アクセス:和歌山県新宮市下田2丁目3−2
〇診療科 :小児科
〇経歴:株式会社オンラインドクター.com代表取締役CEO
1975年三重県伊勢市生まれ
1995年自治医科大学入学(県からの奨学金制度)
2001年自治医科大学卒業
日本小児科学会認定小児科専門医
国家資格ケアマネジャー
三重県立総合医療センター、国立病院機構三重中央医療センター、国立病院機構三重病院、伊勢赤十字病院、紀南病院
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
【製薬会社社外講師・CM出演等】
グラクソスミスクライン社、JCRファーマ社、杏林製薬、明治製菓ファーマ、鳥居薬品
【メディア出演・TV監修】
日本テレビ、読売テレビ、東京MX、テレビ朝日(医療監修)「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」
【著書】
日本一忙しい小児科医が教える病気にならない子育て術(双葉社)
開業医を救うオンライン診療(幻冬舎)
2020 年 10 月株式会社オンラインドクター.com を設立。
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