最終更新日:2026年8月10日
糖尿病と腰痛の深い関係|高血糖が引き起こす神経障害と骨・関節への影響
こちらの記事の監修医師
医療法人菁莱軒田中医院
鈴木歩

「マッサージに行っても腰痛が良くならない」「長年、腰が痛いと悩んでいる」——そんななかなか治らない腰痛にお悩みではありませんか?高齢の方にとって腰のトラブルは身近なものですが、整形外科に通っても改善しない場合、実は「糖尿病」が関係しているかもしれません。
本記事では、糖尿病が腰痛を引き起こすメカニズムと、整形外科・内科の両面からの治療の重要性について分かりやすく解説します。
なぜ糖尿病が腰の痛みを引き起こすのか?

「腰痛と糖尿病、何の関係があるの?」と驚かれる方も多いでしょう。しかし近年、高血糖の状態が続くことが、腰や背中の痛みを引き起こす、あるいは悪化させる原因になることが分かってきました。糖尿病によって腰痛や背中の痛みが引き起こされる背景には、大きく分けて3つのメカニズムが関係しています。
糖尿病性神経障害による痛み
糖尿病の三大合併症の一つに「糖尿病性神経障害」があります。血液中の糖が多い高血糖状態が長期間続くと、全身の神経細胞に栄養を送る細い血管が傷つき、神経そのものがダメージを受けてしまいます。 この神経のダメージによって、手足のしびれだけでなく、腰や背中の神経に異常な痛みを感じやすくなるのです。「ピリピリする」「電気が走るように腰が痛い」といった症状がある場合は、神経障害が疑われます。
血流の悪化による筋肉の酸欠・コリ
高血糖は血管の壁を傷つけ、動脈硬化(血管が硬く狭くなること)を進行させます。血流が悪くなると、腰を支える筋肉に十分な酸素や栄養が届かなくなります。 その結果、筋肉が硬く緊張してしまい、疲労物質や痛みの原因物質が溜まりやすくなるため、「常に腰が重い」「腰痛が続く」といった慢性的な症状に繋がります。
骨や関節への影響(AGEsの蓄積)
血糖値が高い状態が続くと、体内で余分な糖とタンパク質が結びつき、「AGEs(終末糖化産物)」という老化を早める悪玉物質が作られます。 骨や軟骨の大部分はコラーゲン(タンパク質の一種)でできていますが、ここにAGEsが蓄積すると、骨の質が劣化してスカスカになりやすくなります。これにより、背骨のクッションの役割を果たす椎間板が傷んだり、骨折しやすくなったりして、頑固な腰痛を引き起こす原因となります。
なかなか治らない腰痛への正しいアプローチ

もし、あなたの腰痛の原因が「高血糖」にあるとしたら、湿布を貼ったり、痛み止めの薬を飲んだりするだけでは、根本的な解決にはなりません。
「整形外科」と「内科」の両面からの治療が重要
もちろん、骨や筋肉のトラブルに対しては整形外科での専門的な治療やリハビリテーションが必要です。しかし、原因が糖尿病にある場合、根本から改善するためには、内科での治療が不可欠です。
血糖値が高いまま放置していると、神経のダメージや血流の悪化はどんどん進行してしまいます。内科で定期的に血液検査(HbA1cなど)を受け、食事療法、運動療法、必要に応じたお薬による治療で血糖値を正常な範囲に近づけることが、結果的に腰痛改善への一番の近道となります。
治らない腰痛は放置せず、内科にも相談を

高齢になると「年だから腰が痛いのは仕方ない」と諦めてしまいがちです。しかし、長引く腰痛や背中の痛みは、実は糖尿病が悪化しているサインかもしれません。「腰痛がひどく、なかなか治らない」「やたらと喉が渇く」「足先がしびれる」といった症状にお心当たりがある場合は、我慢せずに内科の医師にも相談してみましょう。
また、思いがけない不調を防ぐためには、日頃の健康管理が大切です。普段からかかりつけ医を持ち、定期的な血液検査などで小さな体のサインを見逃さないようにしましょう。
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こちらの記事の監修医師
医療法人菁莱軒田中医院
鈴木歩
〇病院名 :医療法人菁莱軒田中医院
〇医師 :鈴木歩
〇アクセス:青森県三戸郡五戸町鍛冶屋窪上ミ33-2
〇診療科 :内科 / 在宅療養支援診療所
〇経歴:平成13年 自治医科大学卒業
平成13年 青森県立中央病院
平成15年 田子病院
平成17年 むつ総合病院
平成19年 八戸赤十字病院
平成20年 大間病院 副院長
平成22年 八戸赤十字病院 内科副部長
平成26年 八戸赤十字病院 内科部長
平成29年 医療法人菁莱軒田中医院院長
日本内科学会認定医
消化器内視鏡学会専門医
消化器病学会専門医
消化管学会専門医
日本プライマリ・ケア連合学会認定医
日本がん治療認定医機構認定医



