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最終更新日:2023年9月29日

2型糖尿病とは?症状や合併症から原因・治療法・予防法まで徹底解説

こちらの記事の監修医師
山科駅前おかだクリニック
岡田雄介

生活習慣の1つ「2型糖尿病」は、放置すると重大な合併症を引き起こす恐れがある病気です。生活習慣病は食事や運動、遺伝など複数の要因が重なることで発症する可能性があります。2型糖尿病について理解を深め、しっかり予防することが大切です。そこで今回は2型糖尿病の症状や合併症から原因、治療法、予防法まで詳しくご紹介します。

2型糖尿病とは

2型糖尿病とは、すい臓のβ細胞から分泌されるインスリンの分泌量が低下したり、作用不足になったりすることが原因で、高血糖状態が続く病気です。インスリンは血液中の糖質量を示す「血糖値」を正常値に戻す作用があるホルモンです。食後は血糖値が上昇しますが、インスリンの作用によって正常値に戻ります。2型糖尿病になるとインスリンの作用不足によって高血糖状態が続き、心筋梗塞や網膜剥離などさまざまな合併症を引き起こす恐れがあります。

厚生労働省「平成28年 国民健康・栄養調査」によると、糖尿病有病者と糖尿病予備群はそれぞれ約1,000万人と推計されています。

1型糖尿病と2型糖尿病の違い

インスリンの働きが悪くなる「インスリン抵抗性」と「インスリンの分泌量の低下」の程度には個人差があるため、過食や高脂肪食、運動不足などがある全ての人が糖尿病を発症するわけではありません。

1型糖尿病

体の自己免疫反応によって、インスリンを生成する膵臓のβ細胞が破壊されることで発症します。体の中でインスリンをほとんど、あるいは全く生産しなくなってしまうのが特徴です。治療は体外からのインスリン補充が不可欠であり、インスリン注射やインスリンポンプを用いた治療が行われます。進行すると、急激な体重減少や多尿、多飲、多食などの症状が現れることが一般的です。

2型糖尿病

2型糖尿病は、インスリンの働き=「インスリン感受性」が低下すること、膵臓のインスリン分泌能力の低下が組み合わさることで発症します。治療方法は進行度によって変わります。初期では食事や運動療法だけで血糖値をコントロールすることもできますが、進行すると経口血糖降下薬やインスリン治療が必要になることもあります。初期段階では症状が出にくいため注意が必要で、定期的に健康診断を受け、早期発見することが重要です。

2型糖尿病の症状

高血糖状態が続いても、何らかの症状が現れることはありません。しかし血糖値が顕著に高くなると口の渇きや尿量の増加、体重減少などの症状が現れる場合があります。

2型糖尿病の合併症

2型糖尿病によって高血糖状態が長く続くと、視力の低下や失明、下肢の切断、腎不全、心筋梗塞、脳梗塞など重大な事態が起きる恐れがあります。また糖尿病はがんや認知症とも関連があることが報告されています。

2型糖尿病の原因

(画像=stock adobe.com)

2型糖尿病は糖尿病を発症しやすい体質に過食や高脂肪食、運動不足などの環境要因が重なることで発症します。このような環境要因によって、インスリンの働きが悪くなったり細胞が糖を取り込みにくくなったりすることで高血糖状態が続くようになります。

高血糖状態が続くとすい臓のβ細胞がそれだけ多くのインスリンを分泌し続けることになり、やがてβ細胞が疲弊してインスリンの分泌量が低下してしまいます。その結果、高血糖状態が続くようになる2型糖尿病を発症します。

2型糖尿病は遺伝するの?

2型糖尿病には、遺伝的要因と環境要因の両方が関係しているといわれています。一方、1型糖尿病は自己免疫を基礎にしているものの、まだ解明されていないことが多いですが、遺伝的要因(家族内発症)は強くないと考えられています。

2型糖尿病の診断基準

2型糖尿病の診断には、血液検査で血糖値とHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)を調べる必要があります。HbA1cは糖質がついた赤血球のヘモグロビンの割合がヘモグロビン総量のどれだけを占めるかを示す指標です。

血糖値は食後が高くて空腹時は低くなり、日々の変動も大きい一方でHbA1cからは1~2ヶ月前の平均血糖値がわかるため糖尿病の診断に役立ちます。糖尿病を疑う基準は空腹時の血糖値が126mg/dl、タイミングを決めずに測定した血糖値(随時血糖)が200mg/dl以上、経口ブドウ糖負荷検査(ブドウ糖の摂取後、一定時間経過後に血糖値を調べる)で2時間後に測定した血糖値が200mg/dl以上、HbA1cが6.5%以上です。

このうち、血糖値とHbA1cの両方が基準値を満たしている場合は糖尿病と診断されます。血糖値のみ基準を満たしている場合は、糖尿病の典型的な症状あるいは糖尿病網膜症があれば糖尿病と診断されます。

2型糖尿病は完治するの?

2型糖尿病が完治するかどうかといわれれば、一度発症したものは厳密には「完治はない」ですが、コントロール良好な状態で、糖尿病の薬を永久に服用しなくてもよくなれば、「完治」したとみなすことは可能かもしれません。糖尿病の病態は次の2つに分類できます。

(1)インスリンの分泌が低下して血糖値が下がらなくなる

(2)肥満や脂肪肝などの影響でインスリンの効きが悪くなり血糖値が高くなる

(1)の病態はインスリンが低下しているため、インスリンの薬で不足分を補う必要があります。一方、(2)の病態は、減量や生活習慣の改善でインスリンの効きが悪い状態を解消できれば、治療が不要になる可能性があるでしょう。

ただし、(1)と(2)の病態が混合しているケースもあるため、一概には言えません。

2型糖尿病の治療法

(画像=stock adobe.com)

糖尿病の治療法には、薬物療法やインスリン注射、食事療法、運動療法などがあり、糖尿病の状態や既往歴、持病、ライフスタイルなど、さまざまな要素に基づいて治療計画が立案されます。

2型糖尿病の治療法について、詳しく見ていきましょう。

薬物療法

2型糖尿病の薬物療法で使用する薬は、インスリンの効きが悪い状態を改善する薬、インスリンの分泌を促す薬、糖の吸収を抑えたり排泄を促したりする薬などです。2型糖尿病の病態に応じて薬を使い分けたり組み合わせたりします。

インスリン療法・インスリン注射

インスリンの分泌量が低下している場合は、インスリン注射が必要になる可能性があります。インスリン注射とはインスリンを注射器で血液中に送り込むことで血糖値を下げる治療です。インスリン注射で使用するインスリン製剤は、効果が現れるまでの時間や持続時間などに応じて次の5つのタイプに分類されています。(ただし、インスリン製剤は日々進歩していますので、作用時間、持続時間はあくまでも参考程度にしてください)

タイプ効果が現れるまでの時間持続時間
超速効型15分以内3~5時間
速効型30分~1時間5~8時間
中間型1~3時間18~20時間
混合型製剤によって異なる18~24時間
持効型1~3時間24~26時間

血糖値や運動の有無などで作用時間が変動します。また体質の影響も受けるため、医師の指示に従って使用することが大切です。

食事療法

食事療法は食後の血糖値の急激な上昇を防ぎ、肥満を解消することを目的とした療法です。自分の適正エネルギーを超えない範囲で栄養バランスのとれた献立を考えます。食後の血糖値の上昇を抑える食物繊維を多く含む野菜・海藻・キノコなどを取り入れることが大切です。

また高血圧症や脂質異常症、腎症などを合併している場合は、塩分や脂質、タンパク質の量も調節する必要があります。

運動療法

運動療法とは、血糖値の改善やインスリン抵抗性の改善などを目的に行う運動のことです。食事療法と運動療法を組み合わせることで、血糖値をコントロールしやすくなります。また糖尿病や高血圧症、脂質異常症などのリスクを高めるメタボリックシンドロームの解消も期待できます。

運動療法は合併症の有無や使用している薬剤の種類などで内容が変わってくるので、医師に相談した上で行うことが大切です。例えば運動量が多すぎると、使用している薬剤によっては血糖値が低くなりすぎる恐れがあります。

運動の種類は散歩やウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動や筋力トレーニングなどの無酸素運動に分類され、どちらも糖尿病の改善に効果が期待できます。

2型糖尿病の予防法

(画像=stock adobe.com)

2型糖尿病の予防には肥満防止が必要不可欠です。食事の量と栄養バランスに注意して、体重が増えすぎないようにしてください。また時間をかけてゆっくり食べることで、食後の血糖値の急激な上昇を防ぐことができます。

味の濃い食べ物、マヨネーズやドレッシングなど油分が多いもの、甘いものを控えましょう。また野菜を十分にとることで、糖尿病のリスクを低減できます。その他、内臓脂肪を減らして筋肉量を増やすために適度な運動を続けることも大切です。

できるだけ徒歩を利用する、階段を使うなど少しの運動を積み重ねることが有効とされています。

2型糖尿病は早期に対処することが大切

(画像=stock adobe.com)

2型糖尿病を放置すると、失明や視力の低下、腎不全、心筋梗塞や脳梗塞などが引き起こされる恐れがあります。早期に対処できれば、内服薬や食事療法、運動療法のみで糖尿病を改善できる可能性があります。糖尿病は通常では無症状のため、定期健診を受けて早期発見・早期治療を目指しましょう。

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こちらの記事の監修医師

山科駅前おかだクリニック

岡田雄介

おかだ ゆうすけ

≪プロフィール≫
京都出身。金沢大学医学部卒業後、京都第二赤十字病院で研修。
消化器内科を専門とした理由は内視鏡による検査や手術などの技術を磨くことに魅力を感じたため。そのまま同病院に勤務し、消化管腫瘍に対する内視鏡治療を中心に、臨床経験を積んだ。2023年5月、検査や治療に通いやすい消化器内科を作ろうと、3路線が乗り入れる山科駅前に開業した。

≪資格≫
日本内科学会認定医
日本消化器内視鏡学会専門医、近畿支部評議員
日本消化器病学会専門医
日本肝臓学会専門医

≪所属学会≫
日本内科学会
日本消化器病学会
日本消化器内視鏡学会
日本肝臓学会