最終更新日:2021年8月24日
前立腺がんの症状・原因を解説|中高年に急増中の前立腺がんの見つけ方は?治療法とその後の注意をご紹介
こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓

近年前立腺がんは増加傾向にあります。
もともと前立腺がんは欧米諸国の男性に多く見られ、日本人男性には少ない疾患でした。
しかし2000年頃から急激に罹患数が増えており、今後も増加し続けることが予想されています。
前立腺がんは、男性が最も気を付けなくてはならないがん疾患の1つです。
また、早期発見できれば生存率も高く、完治することも可能な病気です。
前立腺がんの症状や原因を知り、早期発見や予防に努めましょう。
前立腺がんの症状

前立腺がんは、初期段階での自覚症状がほとんどありません。
なんだか体調がおかしいかもしれない、と感じたときにはすでに他の臓器に転移している症例もあります。
早期発見をするためにも、普段から自分の体と向き合い、ちょっとした変化を見逃さないようにしましょう。
では、前立腺がんを患った場合にどのような自覚症状があるのか解説していきます。
排尿時の不快感

前立腺がんの主な症状の1つに「排尿時の不快感」があります。
がん細胞が大きくなるにつれて、尿道が圧迫されてしまいます。
その結果「尿が出にくい」「頻尿」「残尿感」「尿漏れ」などの症状が出てきます。
これらは、前立腺肥大症という病気と同じ自覚症状です。
どちらの疾患も医師による治療が必要ですので、これらの症状がある場合は早めに受診をしてください。
血尿
がんが進行し、がん細胞が尿道や膀胱まで広がると、排尿時の不快感の他に「血尿」の症状が出ることがあります。
ただし血尿は膀胱炎などの他の疾患でも出ることがあるので、血尿=前立腺がんというわけではありません。
しかしながら、血尿は体のトラブルを示すSOSなので、泌尿器科医による診察をおすすめします。
前立腺がんの主な原因

前立腺がんの主な原因は4つあります。
原因を知ることで普段の生活を改めたり、検診に行ったりと予防につながります。
日常のちょっとした変化が、自分自身の健康を守ってくれるはずです。
遺伝
家族に前立腺がんを患ったことがある人がいる場合は、自分自身も前立腺がんを患う確率が高くなります。
特に父親や兄弟が前立腺がんを患ったことがあると、前立腺がんを患うリスクが約2倍になるといわれています。
身内に前立腺がんの患者がいる場合は、特に注意をして早めに検診を受けると早期発見にもつながるでしょう。
日常の食生活

ライフスタイルの変化による食事内容の欧米化も影響しています。
一昔前は、魚や野菜中心の和食がメインの食生活でしたが、最近では洋食中心になりつつあります。
また肉やチーズなどの動物性脂肪の摂取過多や緑黄色野菜の摂取不足、加工食品の過剰摂取なども原因の1つとされています。
病気を予防するためには日頃からバランスの良い食事を心がけることが大切です。
男性ホルモンの影響
男性ホルモン(テストステロン)が前立腺がんの原因になるという根拠ははっきり確認されていません。
しかしながら前立腺がんを患った場合、男性ホルモンの影響によってがん細胞が増殖していきます。
その結果、分泌量が増した男性ホルモンが細胞の増殖を助長し、がんの進行を加速させてしまうといわれています。
加齢

前立腺がんを患う割合は50歳代から徐々に増加傾向にあり、患者の平均年齢は70歳代と高齢男性に多くみられます。
これは加齢によるホルモンの変化などに起因しているともいわれています。
前立腺がんの患者は中高年の割合が高い?

前立腺がん患者の割合は50歳代以降に徐々に増加し、70歳代の前立腺がん患者の割合は50歳代の20~60倍となっています。
これは加齢によりホルモンバランスが崩れることで、体内の男性ホルモンが増加するためです。
男性ホルモンが増えると、前立腺がんを患うリスクが高くなるといわれています。
自覚しづらい前立腺がんの見つけ方

初期の前立腺がんの自覚症状はほとんどありません。
そのため自覚症状が出たときには、すでに他の臓器に転移していることも多いです。
初期の段階で発見するためには、定期的に検査をするしかありません。
前立腺がん患者が増えてくる50歳ぐらいから定期的に検診を受けることをおすすめします。
前立腺がんの主な治療法

前立腺がんの治療は、早期であればあるほど治療方法の選択肢が広がります。
がん細胞が前立腺内部に留まっていれば、手術療法や放射線療法で完治を目指せます。
しかしがん細胞が前立腺の外にまで広がってしまうと、完治を目指すことは難しくなります。
その場合はホルモン療法などでがんの進行を抑えることになります。
手術療法

手術療法は、根治を目的として行います。
他の臓器のように部分切除ではなく、前立腺の全摘出です。
前立腺がんは臓器内に散らばりやすいため、臓器全て摘出をして目に見えないがん細胞も取り除かなくてはなりません。
現在主流の手術方法は開腹手術、腹腔鏡下手術、ロボット支援手術の3種類です。
開腹手術は切開をするため、手術中の視野が広くなり、悪性部位を取り除きやすくなります。
デメリットは、メスを使用して切開をするため出血や術後の痛みが多くなり、回復まで時間がかかることです。
腹腔鏡下手術は、体に小さな穴を数ヵ所かあけてポートという特殊な器具を入れてがん細胞を切除します。
開腹手術とは違い、傷も小さく出血も少ないです。
術後の回復も早く、体への負担も最小限で済むため、比較的体に優しい手術ともいわれています。
しかしながら、腹腔鏡下手術は高度な技術と設備が必要となるため、どの病院でもできる治療ではない点がデメリットです。
ロボット支援手術は、下腹部に小さな穴を数ヵ所あけ、手術用ロボットを遠隔操作してがん細胞を取り除きます。
細かい作業をするときの手の震えが機械によって抑えられ、大きな画面を見ながら繊細な手術ができます。
ロボット支援手術は、開腹手術と同じくらいがん細胞増殖抑制効果があり、術後の回復も早いことが特徴です。
放射線療法
放射線療法は、がん細胞に放射線を照射することによりがん化した細胞を壊し、がん細胞そのものを小さくしていく治療法です。
放射線療法には色々な方法があり、副作用のあらわれ方も違います。
その中でも外照射療法と組織内照射療法の2つを組み合わせた治療は、外照射療法のみの場合より効果はあるが副作用も多かったという研究結果もあります。
ホルモン療法・待機療法

ホルモン療法は、精巣や副腎などから分泌される男性ホルモンの分泌を抑制し、前立腺がんの進行を抑える治療法です。
ホルモン療法は、手術や放射線療法が困難な場合やがん細胞が他の臓器に転移してしまった場合に有効な治療法です。
待機療法は積極的な治療は行わず経過観察を行います。
待機治療が適用される患者の多くは、早期発見された75歳以上の男性です。
運よく早期発見をして治療をしたとしても体に負担がかかり、生活の質が下がってしまうことがあります。
前立腺がんは病状の進行が比較的緩やかなので、経過観察をしながら生活をして腫瘍が大きくなったら治療するという考え方です。
PSA監視療法
PSA監視療法とは、前立腺細胞検査で発見されたがん細胞が落ち着いた状態にあり、直ちに治療しなくても命に別状がないと判断された場合に適用される治療法です。
3~6ヵ月の間隔で直腸診察とPSA検査、1~3年ごとに前立腺細胞検査を実施し、経過観察をします。
この検査結果で悪化の兆候が出てきたら治療を開始します。
PSA監視療法が適しているかどうかは、PSA値やグリーソンスコアなどの指標をもとに総合的に判断します。
前立腺がんの治療後に注意すること

前立腺は排尿や勃起を促す筋肉や神経に囲まれています。
治療をする過程で筋肉や神経を傷つけてしまうと後遺症のリスクがあります。
治療の前に医師とよく相談をし、後遺症についても確認しましょう。
合併症や後遺症
手術療法、放射線療法、ホルモン療法のうち、どの治療法を選択しても合併症や後遺症が起こるリスクはあります。
特に多い症状は、尿漏れと勃起不全です。
前立腺を全摘出した影響で尿道の開閉機能がうまく働かなくなり、失禁や尿漏れといった症状がでてしまいます。
手術後、早い人は数日、長くても1年以内に症状が治まる傾向にありますが、前立腺を全摘出した患者さんの約5%は尿漏れの症状が残ってしまいます。
勃起不全は前立腺全摘出手術や放射線療法の際、勃起を促す神経を切断・傷つけてしまうことにより発生します。
特に前立腺全摘出手術の場合は、神経を切断しなければならないので勃起障害が起こってしまいます。
しかし最近では神経温存や神経を移植する手術、勃起不完全治療剤なども積極的に取り入れられています。
再発防止のためにできること
前立腺全摘出手術を行った患者の再発率は約2割といわれています。
1度でも前立腺がんを患ってしまうと、これから先もずっと再発のリスクを抱えながら生活をしていくことになります。
遺伝や男性ホルモン、加齢などの原因は自分の力ではなかなか変えることはできません。
しかし食生活や生活習慣であれば、自分の心がけ1つで改善することが可能です。
特にお酒やたばこなどの嗜好品は、前立腺がんの発症リスクを高める男性ホルモンの分泌を促すため、注意が必要です。
また定期的な検査を必ず行い、自分の体をしっかりコントロールすることが大切になってきます。
早期発見のために定期的な検査を

前立腺がんは早期発見をし、全摘出手術を行えば命を落とすことはほとんどありません。
しかし全摘出をしたとはいえ、稀に目に見えない小さながん細胞が残ってしまうことがあります。
前立腺を全摘出したからといって安心するのではなく、手術後もPSA検査などの定期健診を必ず受け、再発や転移の有無を確認しなければなりません。
まとめ

前立腺がんの初期は、自覚症状がほとんどありません。
前立腺がんの症状でもある「排尿時の不快感」と「血尿」などの兆候があった場合は早めに医師に相談しましょう。
遺伝や加齢、ホルモンなどは自分でコントロールするのが難しいですが、生活習慣は今からでも見直すことが出来ます。
予防できるようにバランスの良い食生活を心がけましょう。
また前立腺がんの治療法は「手術」「放射線」「ホルモン療法」があります。
がんの発見が早ければ早いほど治療の選択肢が増えるので、早期発見のためにも定期的に受診しましょう。
前立腺がんを患う割合が増えてくる50歳くらいを目安に、検診を受けることをおすすめします。
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こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓
〇病院名 :すずきこどもクリニック
〇医師 :鈴木幹啓
〇アクセス:和歌山県新宮市下田2丁目3−2
〇診療科 :小児科
〇経歴:株式会社オンラインドクター.com代表取締役CEO
1975年三重県伊勢市生まれ
1995年自治医科大学入学(県からの奨学金制度)
2001年自治医科大学卒業
日本小児科学会認定小児科専門医
国家資格ケアマネジャー
三重県立総合医療センター、国立病院機構三重中央医療センター、国立病院機構三重病院、伊勢赤十字病院、紀南病院
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
【製薬会社社外講師・CM出演等】
グラクソスミスクライン社、JCRファーマ社、杏林製薬、明治製菓ファーマ、鳥居薬品
【メディア出演・TV監修】
日本テレビ、読売テレビ、東京MX、テレビ朝日(医療監修)「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」
【著書】
日本一忙しい小児科医が教える病気にならない子育て術(双葉社)
開業医を救うオンライン診療(幻冬舎)
2020 年 10 月株式会社オンラインドクター.com を設立。
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