最終更新日:2021年8月27日
γ-GTPを下げるには?原因を突き止めて適切に対処しよう
こちらの記事の監修医師
高座渋谷つばさクリニック
武井智昭
γ-GTPは肝臓の機能を示す指標の1つです。γ-GTPが高い場合、食べ物やサプリなどを試そうとする方が多いのではないでしょうか。まずは、γ-GTPが高い原因を突き止める必要があります。そこで今回はγ-GTPを下げる方法をお伝えすると共に、γ-GTPが上昇する原因についても詳しく解説します。
γ-GTPの基準値
γ-GTPの基準値は、明確に定められていません。厚生労働省は、γ-GTPの一般的な基準値として、成人男性は50IU/l以下、成人女性は30IU/l以下と定めています。基準値を超えた場合にはアルコール性肝障害や薬物性肝障害、脂肪肝、慢性肝炎、肝硬変、胆石や胆管がんが疑われます。
ただし、病気の進行度合いやその他さまざまな要因でγ-GTPが変動するため、数値だけで病気は診断できません。γ-GTPが基準値を大幅に超えている場合は、必要に応じてさらに詳しく検査します。
γ-GTPが上昇する原因
γ-GTPが上昇する原因の中でも、代表的な原因をご紹介します。
脂肪肝
脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積された状態のことです。食事で摂取した脂質は、体内に吸収された後に肝臓で脂肪酸に分解されます。糖質はブドウ糖に分解されて体内に吸収された後、肝臓で中性脂肪に変わります。摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスがとれている場合は問題ありませんが、摂取エネルギーが多すぎると脂肪酸やブドウ糖が中性脂肪に変わって肝臓に蓄えられるのです。
脂肪肝になると、血液の粘度が高まることで血流が悪くなるため、全身の細胞に栄養と酸素が十分に供給できなくなり、倦怠感や肩こり、頭がぼーっとするなど集中力の低下などの症状が現れる場合があります。
肝炎・肝硬変・肝がん
肝炎は、肝臓に炎症が起きた状態です。最も多いのがウイルス感染によって肝臓に炎症が起きて細胞が破壊されるウイルス性肝炎(主にB型肝炎、C型肝炎ウイルス)です。肝炎を放置すると、肝硬変や肝がんへと進展する恐れがあります。
肝硬変とは、慢性肝炎やアルコール性肝障害、脂肪肝などが進行して肝臓が繊維化して萎縮し、機能低下に陥り硬くなった状態です。炎症や肝障害が原因で肝細胞が破壊されると、そこに線維化が形成して結節を形成します。
肝がんは肝臓に発生するがんのことで、肝細胞がんや肝内胆管がんなどがあります。がんは放置すると周辺の臓器や全身のさまざまな部位に転移する恐れがあるため、早期発見が非常に重要です。
胆石・胆道がん
胆石は、胆嚢、胆管に発生する石のことです。胆石の場所に応じて症状が異なりますが、右上腹部の痛みが特徴です。胆道がんは、胆道にできるがんのことです。肝臓の中に発生したものを肝内胆管がん、外に発生したものを胆外胆管がんといいます。肝がんと同じく、周辺の臓器や全身のさまざまな部位に転移する恐れがあるため、早期発見が重要です。黄疸や血液検査で指摘されることもあります。
アルコールの過剰摂取
アルコールを過剰摂取すると、肝臓に大きな負担がかかることでγ-GTPが多量に分泌されます。どの程度のアルコールを摂取すればγ-GTPが基準値を超えるかには個人差があります。ビールや缶チューハイを1杯しか飲まなかったとしても、体質によってはγ-GTPが基準値を超える恐れがあるので、自分にとっての適量を知ることが大切です。
薬の副作用による肝機能障害
薬剤に対するアレルギー反応によって、肝障害が起きることがあります。薬剤の投与量に関係なく肝障害が起きたり、薬剤が代謝される課程で生じる成分によって肝障害が起きたりします。そのため、肝障害が起きるかどうかは、実際に投与しなければわかりません。また、薬剤を使い始めてから数年経ってから肝障害が起きる場合もあります。
γ-GTPを下げる方法
γ-GTPが常に高い状態を放置すると、何らかの病気の発見が遅れる恐れがあります。原因を突き止めた上で、適切に対処することでγ-GTPが下がるでしょう。γ-GTPを下げる方法は次のとおりです。
原因となる病気を治療する
肝炎や脂肪肝、胆石などγ-GTPが上がる原因となる病気を治療することで、数値が基準値に戻る可能性があります。治療法は病気の原因や患者の体質などを踏まえて選択します。治療を受ける場合は、気になることは医師に遠慮なく質問しましょう。
食べ物や飲み物を見直す
脂肪肝は、食べ物や飲み物を見直すことで改善できる可能性があります。糖質や脂質の過剰摂取によって脂肪肝になるので、消費エネルギーに対して摂取エネルギーが多すぎないか確認しましょう。運動不足で甘いお菓子などの間食量が多い、アルコール摂取が多いと摂取エネルギーが消費エネルギーを大きく上回ります。
また、洋食や中華料理を中心とした食生活では、糖質や脂質を過剰に摂りがちです。和食を適度に取り入れるなどして、摂取エネルギーを摂りすぎないように注意しましょう。
禁酒・お酒の量を減らす
アルコールの過剰摂取が原因でγ-GTPが基準値を超えていると考えられる場合は、お酒の量を減らすか禁酒しましょう。アルコールによる肝臓への負担が減ることで、γ-GTPが下がる可能性があります。
また、お酒のカロリーは100mlあたり約40~150kcalもあるので、糖質の過剰摂取にも繋がります。さらに、お酒を飲みながら食べるおつまみも高カロリーなものが多いので、余計にエネルギー過多になりやすいのです。お酒を減らすことが難しい場合は、ローカロリーのおつまみに変更することから始めてみてはいかがでしょうか。
また、ストレスが原因でお酒を多量に飲んでしまう場合は、ストレスを発散できる趣味を見つけるのも1つの方法です。もし、アルコール依存症が疑われる場合は、医療機関を受診してみてください。
運動を習慣付ける
摂取エネルギーを減らすだけではなく、消費エネルギーを増やすことで効率的に脂肪肝を改善できるでしょう。毎日、散歩やウォーキング、ジョギングなどを30分、週に3回が推奨されており、これを行うだけでも効果的です。運動する時間がない方は、エレベーターやエスカレーターではなく階段を使ったり、休日は自転車や徒歩で移動したりしましょう。
また、基礎代謝を増やすために、筋力トレーニングで筋肉量を増やすのも有効です。基礎代謝が増えると、安静時のエネルギーの消費効率が上がります。
まずはγ-GTPが高い原因を突き止めることが大切
γ-GTPが高いことを指摘されたら、原因を突き止めることが大切です。特定の検査、あるいは複数の検査を組み合わせることで、γ-GTPが高い原因を突き止められるでしょう。病気が原因の場合は、医師に相談しつつ治療方針を決めてください。脂肪肝やアルコールの過剰摂取が原因の場合は、食生活や飲酒、運動習慣などを見直しましょう。
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こちらの記事の監修医師
高座渋谷つばさクリニック
武井智昭
〇病院名 :高座渋谷つばさクリニック
〇医師 :武井智昭
〇アクセス:神奈川県大和市渋谷五丁目22番地
〇診療科 :内科・小児科・アレルギー科
〇経歴:
【経歴】
2002年 慶應義塾大学医学部卒業
2004年 立川共済病院勤務
2005年 平塚共済病院小児科医長として勤務(内科)
2010年 北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室兼任
2012年 横浜市内のクリニックの副院長として勤務 (スマイルこどもクリニック)
2015年 小谷クリニック 内科・小児科(訪問診療部)部長
2017年 「なごみクリニック」内科・小児科・アレルギー科 院長
2020年4月~ 「高座渋谷つばさクリニック」院長就任
【専門医・認定医】
・小児科専門医・指導医
・日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)
・臨床研修指導医(日本小児科学会)
・抗菌化学療法認定医
・プライマリケア学会認定医
・認知症サポート医
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